「ロッキー」の脚本を完成させると、早速、オーディションのかたわら、売り込みを開始するも、誰からも相手にされなかったという、シルベスター・スタローン(Sylvester Stallone)さんですが、ついに、脚本の買い手が見つかります。
「シルベスター・スタローンの「ロッキー」は自身を投影したものだった!」からの続き
「ロッキー」の脚本料に破格の料金が提示されるも・・・
食べ物を買うお金にも事欠く中、オーディションを受けながら、「ロッキー」の脚本の売り込みを続けるも、誰もが見向きもしてくれず、絶望しそうになっていたスタローンさんですが、
ある日のこと、例のごとく、オーディションを受けて落ち、部屋を出ていこうとした時、スタローンさんが何気なく「ロッキー」の脚本のことをプロデューサーたちに話すと、プロデューサーたちが興味を示したそうで、
早速、脚本を読んでもらうと、プロデューサーたちは大絶賛。是非、脚本を買い取りたいと、7万5千ドルという当時の脚本料としては破格の料金を提示されたそうです。
「ロッキー」の脚本売却の際、自身が主演という条件を譲らなかった
ただ、条件として、主演のロッキーには、当時の大スターだった、ポール・ニューマンさん、ロバート・レッドフォードさん、アル・パチーノさんの中の一人を起用するというものだったそうで、
スタローンさんは、
ロッキーを自分が演じるのでなければ、脚本は売らない
と、この申し出を固辞。
すると、プロデューサーたちも粘りに粘り、最終的には35万ドルにまで値段を上げてきたそうですが、それでも、スタローンさんは断ったそうで、ついにはプロデューサーが折れ、スタローンさんは、自身の脚本で主演の座をつかんだのでした。
映画「ロッキー」の製作費はB級映画並だった
とはいえ、プロデューサー側の条件を飲めば35万ドルだったスタローンさんのギャラは、スタローンさんが主演ということで、脚本料は2万ドルにまで下げられ、出演料も俳優組合の最低ランク。
また、製作費も100万ドル(テレビシリーズ1本分でB級映画並み)での製作となったのだそうです。
「ロッキー」の試写会での反応は最悪だった
こうして、低予算ゆえに、肉親などにスタッフやキャストになってもらい、衣装も借り物や自前で賄(まかな)うなど、苦労の末、映画「ロッキー」を完成させたスタローンさんは、一般上映の前に、映画関係者向けに試写会を行い、お母さんと一緒に参加されたのですが・・・
(緊張しながら、数百人の関係者と共に、出来上がった「ロッキー」を観たそうです)
人々の反応は薄く、笑う場面では誰も笑わず、闘いの場面でも何の反応も得られないまま、ついに映画は終了。関係者たちはしらけた雰囲気で会場を後にしたのだそうです。
「ロッキー」の試写会ではハリウッド流のイタズラで歓迎される
これには、館内に残ったスタローンさんは、恥ずかしさと失望で茫然自失。
しばらくして、ようやく立ち上がり、館内を出て、階段を下りながら、お母さんに、
実家に戻って仕事探すよ
と、約束したそうですが・・・
一階のロビーを降りると、なんと、数百人の関係者による大きな拍手と歓声に包まれたそうで、スタローンさんは、この時、これがハリウッド流のいたずらだったということに、気づいたのだそうです。
(スタローンさんは、大きな拍手と歓声に感激し、涙が止まらなかったそうです)
「シルベスター・スタローンが若い頃は「ロッキー」で大ブレイク!」に続く