「ロッキー」シリーズ以外では、なかなかヒットしなかった中、1982年、「ランボー」が大ヒットとなり、その後、「ランボー」もシリーズ化した、シルベスター・スタローン(Sylvester Stallone)さんですが、今回は、なぜ、「ランボー」シリーズがR指定されるほどの残酷シーンを盛り込んでいるのかをご紹介します。
「シルベスター・スタローンの「ランボー」は当初長過ぎて配給を断られていた!」からの続き
「ランボー」シリーズでリアルな残酷描写が多い理由とは
「ランボー」シリーズといえば、毎回R指定されるほどの残酷描写を思い浮かべますが、それは、最終章「ランボー ラスト・ブラッド」も同様で、ランボーの暴力的な描写が容赦なく描かれているのですが、
スタローンさんは、その理由について、
以前の彼は、自分以外の誰にも興味を持てない人間だった。猫ですら可愛いとは思わない。ペットを飼うこともありえない。心は完全に内向き。
でも、今の彼は、ガブリエルのことを実の娘のように気にかけている。外の世界は危ないよ、気をつけなさいと、僕自身が僕の娘に対して思うのと同じことを伝えようとする。
だが、その愛する存在は、突然にして奪われてしまった。彼の中にあったものは、全部もぎとられてしまった。そうなった彼はもはや人間ではない。ひたすら原始的な怒りに燃えるだけだ
と、愛する者を奪われて激しい怒りに燃えるのは、ごく自然なことと、語っており、
「ランボー ラスト・ブラッド」より。
残酷なシーンを余すことなくリアルに描く理由についても、
ハリウッド流のフェイクな恐怖にしたくなかったからさ。本物の警察官が現場で遭遇することは、アクション映画で見るものより、ずっと、ずっと残酷。銃で顔を撃たれた同僚の顔を見たりするんだ。
僕は戦いというものがどれほど恐ろしいのかを見せたかった。人がなぜそのトラウマを忘れられないのかを伝えたいんだよ。それが観客にとって辛すぎるかもしれないと認識はしている。
でも、『ランボー』を見にくる人なら、覚悟しているのではないかな。たった一発の弾丸で人が死ぬようなシーンがよく映画に出てくるが、実際には9発は必要なんだよ。死ぬまいともがいている相手を殺すのは簡単じゃない。僕は戦争を戦争として描いたまで
と、語っています。
「ランボー ラスト・ブラッド」より。 スタローンさん(左)とイヴェット・モンレアルさん(右)。
「ランボー ラスト・ブラッド」の監督はなぜエイドリアン・グランバーグ?
このように、「ランボー」シリーズは、スタローンさんにとって、特に思い入れのある作品で、4作目「ランボー 最後の戦場」では、脚本・主演だけではなく、監督も務められていたのですが、最終章「ランボー ラスト・ブラッド」では、監督は、エイドリアン・グランバーグさんが監督を務められています。
というのも、スタローンさんによると、別の作品で忙しく、タイミングが合わなかったため、グランバーグさんに監督を引き継いでもらったそうですが、
それでも、スタローンさんは、
エイドリアン・ グランバーグは前に手がけた作品からも、今作の監督にふさわしいと思った。実際、彼はすばらしかったよ。仕事熱心で、4作目と見比べても違和感のない映像を作り上げてくれた。
僕自身も、『ロッキー』の2作目で監督を引き継いだ経験がある。あの時は僕も1作目と似たスタイルにしようと気を配ったものさ。エイドリアンはそれをやりつつ、彼ならではのものに仕上げたと思う
と、グランバーグさんの仕事ぶりに大変満足されているとのことでした。
「ランボー」の前日譚について言及
こうして、「ランボー」シリーズは、「ランボー ラスト・ブラッド」を最後に完結しているのですが、
スタローンさんは、
16歳か17歳だった頃のランボーは、どんな若者だったんだろうと、よく想像するんだよね。彼はきっとスポーツチームのキャプテンで、人柄もよく、学年一の人気者だったのではないだろうか。
完璧な青年が、ヴェトナム戦争のせいで変わるんだよ。その部分を語る前日譚(ぜんじつたん)を、いつか誰かが作ってくれないものかな
と、語っており、
もしかしたら、また、「ランボー」シリーズが製作される可能性もありそうです。
最終章「ランボー ラスト・ブラッド」のあらすじ
それでは、最後に、最終章「ランボー ラスト・ブラッド」のあらすじを軽くご紹介しましょう。
スタローンさんが演じるベトナム戦争の退役軍人ジョン・ランボーは、亡き父親が残してくれたアリゾナの家に、昔からの友達マリアとマリアの孫娘ガブリエルという、愛する存在と3人で暮らしており、
ランボーにとって、この3人での暮らしは、本当の家族との暮らしのように居心地がよく、穏やかな毎日を送っていたのですが、
そんなある日のこと、ガブリエルが、ずっと連絡が取れなかった父親の居場所が分かったと、ランボーとマリアに告げると、2人の必死の制止を振り切り、なぜ、自分と母親を捨てたのか知るべく、こっそり、メキシコに発ちます。
しかし、そこには大きな悲劇が・・・
是非、最後の、怒り狂うランボーを御覧ください。
「シルベスター・スタローンは「エクスペンダブルズ」前は低迷していた!」に続く
「ランボー ラスト・ブラッド」より。