同じイタリア系アメリカ人の俳優として人気を二分し、犯罪映画に数多く出演という共通点がありながら、長らく共演がなかったことから、不仲説が流れていた、アル・パチーノ(Al Pacino)さんとロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)さんですが、実際のところはどうだったのでしょう。
「アル・パチーノが来日しないのは日本が嫌いだから?」からの続き
ロバート・デ・ニーロと不仲だった?
アル・パチーノさんとロバート・デ・ニーロさんは、年齢が近く、同じイタリア系アメリカ人であり、なおかつ、それぞれ、犯罪映画に数多く出演しているという共通点がありながら、
1972年、映画「ゴッドファーザー PART II」で共演して以来(とはいえ、一緒に映っているシーンはないのですが)、映画の共演がないことから、いつ頃からか不仲説が流れるようになりました。
「ゴッドファーザー partII」より。アル・パチーノさん。
「ゴッドファーザー partII」より。ロバート・デ・ニーロさん。
「ゴッドファーザーpartII」以来23年ぶりに「ボーダー」でロバート・デ・ニーロと共演
ただ、同時に、共演を望むファンの声も少なからずあったことからか、1995年、映画「ヒート」で、「ゴッドファーザー PART II」以来、実に23年ぶりに共演(同じシーンに映っているという点では初共演)が実現。
2008年には、映画「ボーダー」でも共演すると、プレミアでは二人仲良く出席し、
アル・パチーノさんが、
ボブ(ロバート・デ・ニーロ)とは長い付き合いだ。彼のおかげで僕は映画界に入ったし、二人ともニューヨーカーで、よく会っているから、セットでも気楽だった
ロバート・デ・ニーロさんも、
もう1、2本くらいやりたい
と、語り、長年ささやかれてきた不仲説が完全に払拭されたのでした。
(ご本人たちも周囲から仲が悪いと言われていることは自覚していたようです)
「ボーダー」より。ロバート・デ・ニーロさん(左)とアル・パチーノさん(右)。
(2019年にも、お二人は、「アイリッシュマン」で共演されています)
映画「ヒート」でもロバート・デ・ニーロと共演
実際、映画「ヒート」での二人の息はぴったりで、
劇中、アル・パチーノさん演じる刑事・アダムソンが、犯罪者・ニール・マッコーリー演じるロバート・デ・ニーロさんを尾行する中、不覚にもショッピングモールで顔を合わせてしまい、アダムソンがとっさにマッコリーをコーヒーに誘い、レストランで二人がテーブルに向かい合って座るという、緊張感あふれるシーンがあるのですが、
このシーンは、ロバート・デ・ニーロさんの提案で、緊張感を生み出すため、一切のリハーサルを行わずに撮影されたそうで、
そんな緊張感の中で本番シーンが撮影されると、その結果、アル・パチーノさんとロバート・デ・ニーロさんの演技はアドリブの連続となり、迫真のシーンが実現したのでした。
ちなみに、マイケル・マン監督も、
一度だけ到達できる境地が存在し、それを撮りたかった。99.5%まで近づくことは可能だが、そこに行けるのは1度か2度だけ。リハーサルで到達しては困る
と、語っており、二人が納得のいく演技が撮れるまで11回も本番を重ねたとのことでした。
「アル・パチーノは結婚しないまま2人の女性との間に子供!」に続く
映画「ヒート」より。アル・パチーノさん(左)とロバート・デ・ニーロさん(右)。