妻の阿木燿子と共に、山口百恵さんに、全68曲もの楽曲を提供し、山口さんの黄金時代を支えた、宇崎竜童(うざき りゅうどう)さんですが、それだけの曲を作りながらも、山口さんとは私的な交流は全くなかったといいます。
「宇崎竜童が山口百恵に作曲した「プレイバックpart2」は瞬時にできていた!」
に続く
山口百恵とは私的な交流は一切なく電話番号も知らなかった
山口百恵さんには、数多くの楽曲を提供しながらも、私的な交流は一切なく、電話番号さえも知らなかったという宇崎さんですが、
たった一度だけ、山口さんから、
阿木さんと宇崎さんにごちそうしたい
と言われ、西麻布のイタリアンでご馳走してもらったことがあったそうです。
(その時、山口さんは、マネージャーも連れず、一人で来ていたそうです)
すると、山口さんは、それから間もなくして(21歳になったばかりの頃)引退を表明をしたそうで、この食事は最後のお礼にという気持ちが込められていたのではと、宇崎さんは考えているそうです。
山口百恵と親しくしなかった理由とは?
そもそも、宇崎さんが、山口さんにどれほど曲を提供しても、親しくしなかったのは、個人的に会うなど、マネージャーを通さずに会うのはルール違反だと思っていたからだそうですが、
親しくなってはダメなんですよ。曲を何曲書こうが、仕事相手とは絶対的な距離を持ちます。その人に向かって『これでもか』みたいなものをぶつけないと、よい作品は書けない。
優しくなってしまうとダメなんです。百恵さんは、僕がぶつけた曲で想像を超えてきた完全なプロ。10代から20歳そこそこですごいです
とも、語っています。
宇崎竜童&阿木燿子プロデュースの「Ay曽根崎心中」に山口百恵の長男・三浦祐太朗が出演
ところで、宇崎さん&阿木さん夫妻は、2001年から、近松門左衛門の代表作をフラメンコで表現した舞踊劇「Ay曽根崎心中」をプロデュースしているのですが、2014年からは、山口さんの長男で歌手の三浦祐太朗さんを主人公・徳兵衛役に起用しています。
というのも、妻の阿木さんが、若手シンガーを探すため、CDや音源を片っ端から聴いていたところ、ふと、心に留まる歌声があったそうで、
この人いいんじゃない。誰?
と、スタッフに聞くと、それが祐太朗さんだったのだそうです。
ちなみに、祐太朗さんは、2018年には、劇中、宇崎さん&阿木さんが作曲した「菩提樹」を歌唱しているのですが、
「菩提樹」は三浦祐太朗さんのオリジナルアルバム「FLOWERS」に収録されています。
宇崎さんは、
百恵さんの歌声には、本人も気づいていない凄まじい情念が宿っている。そのDNAを祐太朗君が見事に引き継いでいる。彼の声には山口百恵の影と魂、そして情念がある。
しかも彼には芸能界で生きる人にありがちな“俺が!俺が!”という自意識がまったくない。それは百恵さんも同じで、その夫である三浦友和さんも、次男の貴大君もそう。
みなさん至ってノーマル。なのにすさまじいエネルギーを持っている。もはやあの一家全員に“すげえな!”と言えますね
と、三浦祐太朗さんを含め、山口さん一家を絶賛しています。
(この「菩提樹」は、山口さんが引退の年に歌った「さよならの向こう側」(宇崎さん&阿木さん夫妻が作詞作曲)のアンサーソングとなっているのだそうです)
宇崎さん(左)と三浦祐太朗さん(右)。