満洲から帰国後、親戚宅に預けられると、実の子と明確に差をつけられ、ろくにご飯も食べさせてもらえず、人間不信に陥ったという、ムツゴロウこと畑正憲(はた まさのり)さんですが、子供の頃から天才的な頭脳を持っていたといいます。
「ムツゴロウ(畑正憲)は小学生時代イジメに遭うも返り討ちにしていた!」からの続き
読書だけで漢字を覚えていた
終戦直前の小学2年生の時、幼年学校に入るため日本に帰国するお兄さんに同行し、一緒に帰国したというムツゴロウさんは、必死に受験勉強させられていたお兄さんに対し、親から勉強しろと言われることもなく、野放し状態だったこともあり、特に勉強もせず、お母さんの本ばかり読んでいたそうです。
(バルザックやプーシキンの小説が好きだったそうです)
すると、読書で、漢字をだいたい覚えてしまったそうで、新聞を読んでいるおじいちゃんには、しばしば、「正憲、これはなんて読むんだ」と、呼ばれるようになったそうです。
英語の本を辞書なしで読んでいた
また、中学2年生の時には、お兄さんの担任である石橋先生という人が、病気の治療のために、医師であるお父さんの診察を受けるため家に来たことがあったそうですが、
ムツゴロウさんは、このことがきっかけで石橋先生と親しくなると、「畑くん、これを読んでみなさい」と、チャールズ・ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」という本(原書)を渡されたそうで、
最初は、辞書を引きながら読んでいて、難しかったそうですが、半年もすると、スラスラと読めるようになり、高校生になる頃には、英語を読む時にほぼ辞書を引かないようになったそうで、
ムツゴロウさんは、
だって、考えてみてくださいよ。僕たち日本人は日本語を読むときに、いちいち辞書を片手に調べないでしょ? そんなことしていたら大変じゃないですか。それと同じですよ。
流れの中で英語を読めばいいんです。そうやって石橋先生は教えてくれました。
と、語っています。
中学生で数学も大学3~4年生の実力を持っていた
そんなムツゴロウさんは、中学生の時点で、数学も大学3~4年生の実力を持っていたほか、物理も、4歳年上のお兄さんが夏休みに帰省した際に持って帰って来た「物理原論」という本が面白くて仕方がなく、1週間で読破するなど、他の教科もこのような調子で、学校で習うことは何一つなかったのだそうです。
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