1985年12月、西武ライオンズの監督に就任した、森祇晶(もり まさあき)さんは、打撃陣、投手陣共に恵まれ、監督就任1年目(1986年)から、リーグ優勝を果たすと、日本シリーズでは、史上初の第8戦で広島カープを制し(1分け3連敗からの4連勝で)、日本一に輝きます。

「森祇晶は西武監督就任1年目からリーグ優勝していた!」からの続き

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広島カープとの日本シリーズでは1分け3連敗の後、5戦目にしてようやく1勝

1986年、監督就任1年目からリーグ優勝を果たした森さんは、阿南準郎監督率いる広島カープとの日本シリーズでは、初戦、延長14回の末に引き分けとなると、その後はまさかの3連敗を喫し、早くも広島に王手をかけられます。

しかし、10月23日の第5戦では、3回2死の場面で、田尾安志選手、金森永時選手、石毛宏典選手の3連打で西武が1点を先制すると、7回には、それまで広島打線を零封していた先発の東尾修投手が味方のエラーで1対1の同点に追いつかれてしまうも、

延長12回、西武は、一死二塁の場面で、北別府学投手に代わり登板した津田恒実投手から、打席に立った工藤公康投手が右翼線へタイムリーヒットを放ち、5戦目にしてようやくサヨナラで初勝利を挙げます。

(西武は、東尾投手が9回で降板し、10回から工藤投手がリリーフ、広島は、北別府投手が11回1/3で降板し、その後、リリーフエースの津田投手が登板していました)

第6戦も3対1で勝ち連勝

すると、10月25日、第6戦は、2回表、西武の攻撃で、大田卓司選手がソロホームランを放って1点先制し、4回表には、ルーキー・清原和博選手が日本シリーズ第1号ホームランを放ってリードを2点に広げると、

5回裏には、渡辺久信投手が広島・長嶋清幸選手にソロホームランを打たれ、2対1とされるも、7回表、西武は、先頭の行沢久隆選手が内野安打で出塁し、続く伊東勤選手が送りバントを成功させ、1死2塁とすると、渡辺投手の代打の広橋公寿選手が右前打を放ち、広島・山崎隆選手のバックホームが逸れる間に2塁を狙った広橋選手を、今度は広島・大野選手が刺そうとして悪送球となり、これで行沢選手が生還して1点を追加し、3対1とリードを広げます。

すると、その後、西武は、7回から登板した工藤投手が無失点で抑え、3対1で勝利します。

第7戦も3対1で勝ち3連勝

そして、10月26日、第7戦は、1回表、清原選手がいきなり先制タイムリーを放つと、6回表には、秋山幸二選手が2点タイムリーツーベースを放ち(3対0)、

6回裏には、先発の松沼博投手が広島・長嶋選手にホームランを許すも(6回途中1失点)、ここで郭泰源投手がリリーフすると、その後、9回まで無失点に広島打線を抑え、3対1で勝利し、対戦成績を3連敗後、3連勝でタイにします。

日本シリーズ史上初の第8戦は広島カープに2対0と先制されるも8回表2対3と逆転

こうして、3勝3敗1分で迎えた、日本シリーズ史上初の第8戦(10月27日)、3回裏、西武の東尾投手が広島の先頭・正田耕三選手に中前打を打たれ出塁されると、その後、金石昭人投手に2ランホームランを浴びて2対0と先制されるのですが、

6回表、西武は、先頭の清原選手が中前安打を放ち出塁すると、続く大田選手は遊ゴロも、広島・高橋慶彦選手が二塁をホースアウトした後、一塁に悪送球し、ゲッツー崩れで一塁ランナーが残ると、秋山選手が初球を左中間へ2ランホームランを放ち、同点(2対2)。

さらに、8回表、西武は、再び、清原選手が中前打するも、大田選手が送りバント失敗で走者が入れ替わり、秋山選手もサードライナーに打ち取られるのですが、

続くブコビッチ選手の打席で、大田選手が意表を突く盗塁を決めて2塁に進むと、ブコビッチ選手が前進守備のセンター・長嶋選手の頭上を越えるタイムリー二塁打を放ち、ついに西武が2対3と勝ち越したのでした。

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西武が1点差を守り抜き2対3で3年ぶりの日本一に輝く

そんな西武は、東尾投手の後、永射保投手、渡辺久信投手とつないでおり、8回裏からは工藤投手が登板するのですが、2死球を出し、一死一二塁と自らピンチを招いてしまいます。

しかし、緊張で顔面蒼白となりコチコチになっていた工藤投手に対し、森さんが、

打たれても同点やないか

と、笑いながらマウンドで語りかけると、

工藤投手は山崎選手を中直に打ち取り、さらには、2塁走者の代走・今井譲二選手が飛び出していたことから併殺となってピンチを切り抜けると、9回裏は、代打・小川達明選手を空振り三振、山本浩二選手を三塁ゴロ、長嶋選手を遊ゴロと、三者凡退で打ち取り、西武は逆転で3年ぶりの日本一となったのでした。

(1958年、西武ライオンズの前身である西鉄ライオンズ以来、日本シリーズ史上2度目の「3連敗からの4連勝」となったそうです)

「森祇晶は西武監督就任2年目もリーグ優勝&日本一で2連覇を果たしていた!」に続く

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