かつて、東映のやくざ映画「緋牡丹博徒シリーズ」で、緋牡丹の刺青を入れた「お竜」役で一時代を築いた、美人女優・富司純子さんを母親に持つ、寺島しのぶ(てらじま しのぶ)さんは、幼い頃から、お母さんと比べられ、「美」のコンプレックスを抱いていたといいます。
「寺島しのぶは大竹しのぶに背中を押され「赤目四十八瀧心中未遂」に出演していた!」からの続き
母・富司純子に「美」のコンプレックスを抱いていた
寺島さんは、お母さんの富司純子さんが美人女優だったことから、女優になってからも、お母さんと比べられ、「美」へのコンプレックスがずっとあったそうで、
女優の太地喜和子さんには、
あなた、絶対にお母さんの映画は見ない方がいいわ。 女優を辞めたくなるから。
と、言われたこともあったそうです。
母方の祖父・俊藤浩滋には興味を持ってもらえなかった
実は、寺島さんの母方の祖父(富司純子さんの父)は、映画プロデューサーの俊藤浩滋さんで、お母さんと一緒に俊藤さんの家によく遊びに行ったそうですが、いつも、「純子はほんとうに綺麗やった」と言っていたそうで、
お母さんが、しのぶが今度こういう仕事をやって、という話を始めても、「いや~、純子はきれいやった。すごかったね!」と、お母さんの話しかせず、孫娘である寺島さんにはまったく関心を持ってくれなかったのだそうです。
そして、最後には、「ドル箱だったんやで。ドル箱、ドル箱」と必ず付け加えたそうで、
寺島さんは、
私は母のように美しくはない。だから、そうでないところで勝負しないと認めてもらえない・・・。
と、思うようになったのだそうです。
母・富司純子に「うらやましい」と言われていた
ただ、寺島さんが、映画「赤目四十八瀧心中未遂」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞すると、濃厚なベッドシーンを理由に出演を猛反対していたお母さんも、
恐れ入りましたとしか言いようがない
と、認めてくれたそうで、
寺島さんが、「赤目四十八瀧心中未遂」同様に、大胆なヌードシーンがある、次回作「ヴァイブレータ」(2003年)への出演をためらっていると、
一本脱いだんだったら、脱いだ、脱いだと騒がれた後、忘れ去られちゃうことだってあるけれど、二本出れば、それは、あなた、確信犯よ
と、背中を押してくれたのだそうです。
(ちなみに、お母さんは、映像に出ている寺島さんを見て、「あなたがうらやましい」と言うそうですが、寺島さんは、お母さんは、常に自分をきれいに見せなければならず、たとえ、自分でその殻を破りたくても、周りが「美人女優」を期待するため、殻を破ることができないからだと考えているそうです)
文字に続く