阪神入団2年目の1975年には、同期ドラフト1位の佐野仙好選手とのポジション争いに勝ち、三塁レギュラーとなった、掛布雅之(かけふ まさゆき)さんは、このシーズン、一軍公式戦106試合に出場すると、打率2割4分6厘、29打点、11本塁打と、1年目の成績を全て上回っているのですが、その飛躍の陰には、山内一弘打撃コーチとの出会いがあったといいます。

「掛布雅之は同期ドラ1の佐野仙好と争い三塁手レギュラーを勝ち取っていた!」からの続き

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山内一弘打撃コーチから2本のゴルフクラブを使用したレベルスイングの特訓を受けていた

掛布さんの阪神入団2年目の1975年には、山内一弘さんが打撃コーチとして就任したそうで、掛布さんの素質に惚れ込んだ山内コーチは、掛布さんが選手寮「虎風荘」の屋上で素振りを終える頃、2本のゴルフクラブを持ってやって来ると、「カケ、この間を抜いてみろ」と言いながら、真横にした2本のゴルフクラブを真剣に構えたそうです。

ちなみに、差し出された2本のゴルフクラブの隙間はバット1本分しかなかったそうで、掛布さんは、その狭い間を通すようにバットを振ったそうですが、山内さんの狙いは、肩を水平に動かして地面と水平に振るレベルスイングを体に覚えさせることだったのだそうです。

(自身で2時間素振りをした後、山内さんとこのレベルスイングの練習を2時間したそうで、練習後にアンダーシャツを絞ると、雑巾を絞った時のように、汗がザーッと流れ出たそうです)

山内一弘打撃コーチから1箱分のボール(約300~400球)を右と左の往復で打つ特訓を受けていた

また、掛布さんは、山内コーチには、チームの練習が終わった後、室内練習場で1箱分のボール(約300~400球)の打ち込みを右と左の往復で特訓を受けたそうですが、

掛布さんは、後に、この練習について、

手で振っているように見えて、実は下半身が上半身をリードしているんですね。また、そうしなければ、こうした練習には耐えられなかったと思います

と、語っています。

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山内一弘打撃コーチは現役時代「打撃職人」「シュート打ちの名人」と称されていた

ちなみに、山内さんは、現役時代、内外角のボールを左右へ巧みに打ち分け、通算2271安打、396本塁打、1286打点と、素晴らしい成績を残しており、特に、内角球を打たせれば右に出る者はいないと言われ、「打撃職人」「シュート打ちの名人」などと称されているのですが、

教え出したら止まらない熱心な指導ぶりで、「やめられない、とまらない」のキャッチコピーでお馴染みのスナック菓子から「かっぱえびせん」とも呼ばれていました。

「掛布雅之は入団3年目にして3割2分5厘,27本塁打,83打点の活躍をしていた!」に続く

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