アナウンサーから女優に転身されたという、異色な経歴をお持ちの、野際陽子(のぎわ ようこ)さん。意地悪な母親や姑役をやらせたら、野際さんの右に出る人はいないくらい、強烈な個性を発揮されています。
学生時代
野際さんは立教大学に通われ、
ESSの英語劇セクションと、
劇団テアトルジェンヌに所属されており、
四大学英語劇大会で、
数々の作品に出場されています。
そのうえ、在学中は、
ミス立教や、日米対抗アメリカンフットボールの応援団のクィーンに、
選ばれた実績をお持ちだそうで、
とても華やかな、
学生時代を送られていたようです。
NHKでアナウンサー?
大学卒業後の1958年には、
NHKにアナウンサーとして入社され、
名古屋放送局や東京放送局に、
赴任されていたのだとか。
そして、1962年にNHKを退職され、
企画を説明する係りとして、
広告代理店へ転職されています。
女優へ
広告代理店では、15分の生放送番組、
「女性専科」の司会を担当されることになり、
これが転機となり、それ以降、
女優として活動されるようになったのだそうです。
当時のプロデューサー、大山勝美さんは、
テレビドラマ「悲の器」での主人公として、
理知的で美人な教え子を探しておられましたが、
なかなか見つからず、
当時NHKの花形アナウンサーだった野際さんに、
目を留められたのだそうです。
そして、野際さんが、近々フリーになる、
といううわさを聞いて、
「芝居やってみませんか」
と誘うと、
「とてもやりたいと思っている」
と、野際さんは答えられたのだそうです。
普段、人を褒めることがなかった、
主演の佐分利信さんが、
野際さんのことは褒めておられたそうなので、
いかに、野際さんが、
魅力的だったかが分かりますね!
後に、大山さんは、
「NHKのアナウンサーだった野際を女優に誘ったのは僕」
と語っておられたとのこと。
野際さんの女優としての才能を、
いち早く見抜かれたのが、誇らしかったようです♪
パリ留学?
野際さんは、フランスに憧れておられたようで、
1966年からフランスのパリに、
1年間留学されています。
フランスのファッションに、
強く影響を受けられたようで、
パリから帰国するときに、
日本ではまだ珍しかった、ミニスカートを着ておられ、
話題になったそうです。
このことから、
日本で初めてミニスカートをはいたのは、
野際さんだと言われているそうです!
そして、1968年、
野際さんは、テレビドラマ「キイハンター」に出演され、
視聴率30%以上を記録するという大ヒットとなりました。
「キイハンター」より。丹波哲郎さんと野際さん。
野際さんは、主題歌の「非情のライセンス」
も歌われているのですが、
なんと、自ら直談判して、
主題歌を歌われることになったのだそうです!
冬彦さんのお母さん
そして、1992年、
社会現象まで巻き起こした
テレビドラマ「ずっとあなたが好きだった」で、
野際さんは、マザコンの冬彦さん(佐野史郎さん)
の母親役を演じられ、新たに注目を浴びます。
このドラマを見られた方なら、
野際さんといえば、息子を溺愛する、
強烈な姑のイメージが、強いかもしれませんね(^^)
「ずっとあなたが好きだった」より。野際さんと賀来千香子さん。
このドラマ、実は、もともとは、
切ないラブストーリーになるはずだったそうですが、
冬彦さんの血が出た指を吸うという、
野際さんのアドリブから、
マザコンの息子と、
過剰に息子の世話を焼く母親、
というキャラが生まれたのだそうです!
ということは、
野際さんのアドリブがなかったら、
このドラマは、普通のラブストーリーで、
終わっていたのかもしれませんね。
元旦那は?
さて、そんな野際さんの、
気になるプライベートですが、
1973年に、俳優で、アクション監督の、
千葉真一(ちば しんいち)さんと結婚されています。
お二人の出会いは、前述のテレビドラマ、
「キイハンター」での共演がきっかけだったそうです。
しかし、1994年に、
お二人は離婚されています。
離婚の理由は、
ハリウッドでの仕事が増えて、
生活の拠点をアメリカに移したかった千葉さんと、
日本にいたかった野際さんとの間で、
意見がかみ合わなかったようです。
憎みあっての離婚ではないので、
離婚後も、友人として仲が良いのだとか。
野際さんは、2013年、
バラエティ番組「メレンゲの気持ち」に出演された時に、
当初から、結婚生活自体に違和感を覚えていた。
結婚前から大変な結婚になりそうだ、
という予感はあった。離婚に向け、全てが整うまで21年かかった。
結婚してからも、夫婦というより、
仲間の延長のような感じだった。
と千葉さんとの結婚について
語っておられたので、
はじめから、夫婦として生活することに、
無理があったのでしょうね。
息子は?
野際さんを「息子」、
で検索されている方が多いようです。
しかし、野際さんには、
息子さんはいらっしゃらないようです。
千葉真一さんの息子さんである、
真剣佑(まっけんゆう)さんのお母さんが、野際さんでは?
と調べられているのかもしれませんが、
真剣佑さんのお母さんは、野際さんではなく、
千葉さんの2番目の奥さんです。
娘は?
野際さんには、千葉さんとの間に、
娘さんが1人いらっしゃいます。
真瀬樹里(まなせ じゅり)さんといって、
現在、女優をされているようです。
1975年1月1日生まれで、
真瀬さんを出産された時、野際さんは38歳。
当時としては珍しい高齢出産でした。
真瀬さんは、2004年、
クエンティン・タランティーノ監督の映画、
「キル・ビルVOL.1」に出演されているのですが、
この映画で、殺陣の指導をされるほど、
殺陣がお得意なのだとか。
これは、間違いなく、
千葉さんの影響ですね(^^)
ルックスはどちらかと言うと、
お母さん似でしょうか。
意地悪な役でストレス解消?!
花型アナウンサーを経て、
美人女優として活躍されていた野際さんですが、
年齢を重ねてからは、
強烈な母親役や姑役など、意地悪な役が多い印象。
野際さんは、インタビューで、
私は若いころから、
悲劇のヒロインとか絵に描いたようないい人というのは、
あまり演じたことがなくて。たいていの役は少し意地悪だったり、
うんと意地悪だったり(笑い)。普段の自分なら、絶対に言わないようなことを、
平気で言ってしまう役が多いものですから、
ストレス解消になるんです。
と、おっしゃっていました。
なるほど!
そういう風な考え方も出来るんですね~
普通なら、意地悪な人に思われたくない、
とか思いそうですが、さすがは、野際さん。
そして、演技について、
それに、どんな役でも一生懸命演じていれば、
誰かが見ていてくださるもの。あるドラマで母親役を演じた時、
家でイチャイチャしている娘と彼氏に、
「ご飯ですよ」と声をかけるシーンがあったので、
自分なりに表情や口調を工夫して、
ちょっと笑えるように演じてみたんです。そのたった1シーンを、
ある演出家の方がご覧になって、
「面白い女優がいるな」と思ってくださったらしく、
別のドラマに起用してくださったこともありました。私たち女優は、オファーをいただかなくてはできない仕事ですから、
ここまで続けてこられたのは、
とても幸運なことだと思っています。
と語っておられました。
野際さんは、その謙虚な姿勢や、
オリジナリティあふれるひらめきなどで、運をつかまれ、
女優としての道を切り開かれたのですね。
これからも、まだまだ、野際さんならではの、
強烈な役を見てみたいですね♪
応援しています!!
https://www.youtube.com/watch?v=chfUf08LtWY