1964年、20歳の時に、鈴木清順監督作品「肉体の門」で映画デビューすると、その後も、「春婦傳」「河内カルメン」と、鈴木清順監督の作品に立て続けに出演して人気を博した、野川由美子(のがわ ゆみこ)さん。
今回は、そんな野川由美子さんの、若い頃から現在までの活躍や経歴をデビューから時系列でまとめてみました。
「野川由美子の生い立ちは?小3で中村錦之助(萬屋錦之介)に憧れて芸能界を目指していた!」からの続き
野川由美子は19歳の時に「孤独の賭け」でテレビドラマデビュー
野川由美子さんは、1963年、19歳の時、「孤独の賭け」で、主人公のいとこの高校生・美香役でテレビドラマデビューしているのですが、野川由美子さんは、このドラマ出演がきっかけで上京したのだそうです。
デビュー直後の野川由美子さん。
野川由美子が20代の時は「肉体の門」で映画デビューすると体当たりの演技で高い評価を得ていた
20歳の時に「肉体の門」で映画デビュー
そして、1964年、20歳の時には、敗戦直後の東京を舞台に、たくましく生きる5人の娼婦が復員兵の伊吹新太郎をめぐって欲望と嫉妬に狂う様子を描いた、鈴木清順監督作品「肉体の門」で、主人公の娼婦、ボルネオ・マヤ役で映画デビューしているのですが、
いきなり、全裸のからみほか、娼婦たちのすさまじいリンチ・シーンを体当たりで熱演し、高い評価を得たのでした。
「肉体の門」より。
21歳の時には「春婦傳」で命がけで男を愛する慰安婦役
そんな野川由美子さんは、続く1965年、21歳の時にも、鈴木清順監督作品「春婦傳」で、日中戦争の戦火のなか、命がけで男を愛する慰安婦・晴美役を熱演しています。
「春婦傳」より。
21歳の時には「賭場の牝猫」に出演
そして、1965年~1966年、「賭場の牝猫」シリーズでは、妖艶な美しさをふりまき、度胸一番のサイコロ勝負に激情をかけた女賭博師・雪子役を熱演しているのですが、単なるお色気女優ではなく、確かな演技力で注目を集めます。
「賭場の牝猫」より。二谷英明さんと野川由美子さん。
22歳の時には「河内カルメン」のヒロイン役
また、野川由美子さんは、1966年にも、鈴木清順監督映画「河内カルメン」で、大阪・河内生まれのヒロイン、武田露子役を演じているのですが、
美しい肉体と天使のような性格で次々に男性遍歴を重ねていく様子を魅力的に演じています。
「河内カルメン」より。
ちなみに、野川由美子さんは、映画デビュー作「肉体の門」から、「春婦伝」「河内カルメン」と、鈴木清順監督作品に出演しているのですが、野川由美子さんの存在は、鈴木清順監督の映画に官能的な美しさをもたらしたと言われており、
野川由美子さんは、2017年、鈴木清順監督の訃報に接し、
日活の専属ではなかった私を必ずと言っていいほど呼んでくださり、一番お世話になった監督です
と、コメントを寄せています。
23歳の時には映画「ある殺し屋」に出演
そして、1967年、23歳の時には、「ある殺し屋」で、主人公(市川雷蔵さん)の押しかけ女房・圭子役を演じています。
「ある殺し屋」より。
野川由美子が33歳の時には映画「北陸代理戦争」に出演
野川由美子さんは、1977年、33歳の時には、盃よりも土地を大事にするヤクザの抗争劇を描いた深作欣二監督作品「北陸代理戦争」で、主人公のヤクザ・川田登(松方弘樹さん)を愛する仲井きく役を演じています。
(野川由美子さんは、この「北陸代理戦争」で、京都市民映画祭助演女優賞を受賞しています)
「北陸代理戦争」より。
野川由美子が44歳の時にはテレビドラマ「長七郎江戸日記」にレギュラー出演
野川由美子さんは、1988年、44歳の時には、「長七郎江戸日記2」にレギュラー出演しています。
「長七郎江戸日記」より。
野川由美子が59歳の時にはテレビドラマ「白い巨塔」で鵜飼教授夫人・鵜飼典江役
野川由美子さんは、2003年、59歳の時には、テレビドラマ「白い巨塔」で鵜飼教授夫人・鵜飼典江役を演じています。
「白い巨塔」より。
野川由美子の60代~現在(80代)
そんな野川由美子さんは、60代の頃は、
- 2004年「松本清張ドラマスペシャル・黒の回廊」
- 2005年「早乙女千春の添乗報告書17」
「早乙女千春の添乗報告書17」より。(左から)田中美奈子さん、橋本さとしさん、野川由美子さん、蟹江敬三さん、内山森彦さん。 - 2006年「松本清張 けものみち」
- 2006年「DRAMA COMPLEX / ヘレンときよしの物語」
- 2007年「素浪人 月影兵庫 第6話「おっ母さんが現れた 兵庫の剣と半次の涙」
- 2007年「姿三四郎」
- 2008年「裸の大将~宮崎 篇・宮崎の鬼が笑うので~」
「裸の大将」より。芦屋雁之助さんと野川由美子さん。 - 2010年「生誕100年記念 松本清張ドラマスペシャル / 書道教授」
- 2013年「ラスト♡シンデレラ」
などのテレビドラマに出演しています。
また、2017年、73歳の時には、映画雑誌「映画芸術」や「キネマ旬報」の鈴木清順監督追悼特集で、鈴木清順監督との思い出や撮影現場でのエピソードを語っているのですが、
以降、野川由美子さんは、表舞台には登場していないようです。
1963年には「孤独の賭け」でテレビドラマデビュー、1964年には「肉体の門」で映画デビューも果たすと、体当たりの演技が大きな話題となり、その後、数多くのテレビドラマや映画に出演してきた、野川由美子(のがわ ゆみこ)さん …