「ウルトラマンタロウ」で正統派二枚目として、一躍ブレイクした、篠田三郎(しのだ さぶろう)さんは、その後も変わらず、正統派二枚目として数多くの作品に出演されています。今回は、そんな篠田さんの出演作品を、ご本人のコメントや画像を交えてご紹介します。

「篠田三郎は昔ウルトラマンタロウも現在は円谷プロと軋轢?」からの続き

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木下恵介・人間の歌シリーズ「愛よ、いそげ」

篠田さんは、「ウルトラマンタロウ」と並行して、「木下恵介・人間の歌シリーズ」「愛よ、いそげ」にも出演されているのですが、

撮影当時のことを、

四台のカメラを同時に回してワンシーンを撮影するスタジオドラマでした。細かい演技指導があり、長回しのシーンも多いので、いつもプレッシャーを感じていました。

忘れられないのは、手紙を読むシーンです。緊張してしまっているからか、手紙を持つ手の震えが止まらない。「何とか止めなければ」と思えば思うほど、震えてしまうんですね。しばらくトラウマになりました。

そんな私に、父親役で出ていた高橋幸治さんが優しく声をかけて下さったんです。「震えることはちっとも恥ずかしいことじゃない。震えるということは、それだけ君の心が動いているということなんだ。俺だって、時々震えてるよ」と仰って頂いたんです。

その言葉を聞いてからは、不思議と震えることがなくなっていきました。

と、語っておられ、

ヒューマンドラマにおいても、着実にキャリアを積まれます。

大河ドラマ「花神」で吉田松陰役

そして、その後は、

1973年「天下堂々」
1974年「若い先生」
1975年「TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿」
     「東芝日曜劇場 『みどりもふかき』」


「TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿」より。高岡健二さんと篠田さん。

1976年「土曜ドラマ『劇画シリーズ 花に棲む』」
     「金のなる樹は誰のもの」
     「東芝日曜劇場『霧の日の童話』」
     「新・二人の事件簿 暁に駆ける!」

1977年「東芝日曜劇場『夏の雲』」
1978年「優しい時代」
     「やあ!カモメ」


「やあ!カモメ」より。(左から)秋野太作さん、香山美子さん、篠田さん、高岡健二さん、岸部シローさん。

などのテレビドラマで、W主演やメインキャストに起用され、正統派の二枚目俳優として高い人気を誇ると、1977年には、大河ドラマ「花神」で吉田松陰役を熱演。


「花神」より。

篠田さんは、当初、吉田松陰のことは名前くらいで、ほとんど知らなかったそうですが、司馬遼太郎さんの「世に棲む日日」を読んで、当時の人々はとても感情豊かで、実は武士だから泣かないのではなく、よく泣きよく笑っていたことや、武士の多くが若くして死に、太く短く生きていることに感動。

ですから、自分もそうですが、俳優はあの年代をやると役から魂を与えられて張り切るんです。やりがいがあるんですよ。

と、手応えを感じられたそうで、

寅次郎と名乗っていた若き日の松陰は、当時の日本の現状を知るために萩から出向いて遠い東北にまでよく旅をしています。

とても行動的な人間でしたので、僕も演技どうこうではなくそんな松陰に少しでも近づきたく体当たりでやっておりました。

例えば息を切らして登場する場面では、出番の十秒くらい前まで腕立て伏せをして本当に息を切らしながら出ていました。

と、役作りについても語っておられます。


「花神」より。

正統派二枚目俳優として人気を博すも・・・

こうして、吉田松陰役を熱演し、全国的な人気を博した篠田さんは、翌年の1978年には、民放1時間枠のゴールデンタイムのテレビドラマ「一発逆転」に初の単独主演として起用され、

一流商社のエリート社員から脱サラして、自分の人生を切り開いていく主人公を熱演されたのですが・・・

残念ながら、このドラマの視聴率は振るわず、半年間23回の放送予定が、4ヶ月で打ち切りに。

そのためか、篠田さんの主演はこれ一度きりで、以降は、準主演や助演として、誠実でまっすぐな役を数多く演じられています。

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出演作品(テレビドラマ、映画)

それでは、ここで、篠田さんの主な出演作品をご紹介しましょう。

テレビドラマでは、

1979年 NHK大河ドラマ「草燃える」
1980年「草野球・草家族」
1981年「ドラマ・人間/愛・深き淵より」
1982年「立花登 青春手控え郎」
1983年「女子医大生 父娘心中」


「草燃える」

1985年「松本清張の高台の家」
1986年 「小樽殺人事件・北海〜能登〜安曇野・黒揚羽蝶は死の予告! オタモイ岬の女」
1987年「豪華サロンカー婚約ツアー殺人事件」
1988年 NHK大河ドラマ「武田信玄」
1989年「思い出の写真」

1990年「豪華ヨット初恋ツアー殺人事件」
1991年「松本清張作家活動40年記念ドラマスペシャル・一年半待て」
1992年 NHK大河ドラマ「信長 KING OF ZIPANGU」
1993年「素顔を取り戻した」
1994年 NHK大河ドラマ「花の乱」

1995年「ダブルマザー」
1996年 NHK大河ドラマ「秀吉」
1997年「夜間検証」
1998年「無人霊柩車」
1999年「わんちゃ夫婦」


「無人霊柩車」より。神田正輝さんと篠田さん。

2000年「ディア・ゴースト」
2002年「罠の二重誘拐」
2004年「京都のテミス女裁判官2 美人判事を襲う夫殺しの罠!」
2006年「森村誠一の終着駅シリーズ19 死者の配達人」
2007年「西村京太郎トラベルミステリー みちのく殺意の旅」

2011年「ヤメ検の女 殺人を隠蔽する検察!?」
2013年「終着駅の牛尾刑事VS事件記者・冴子13 家族の食卓」
2014年「監察官・羽生宗一」
2015年「天皇の料理番」第12話
2016年「ふつうが一番 —作家・藤沢周平 父の一言—」
2018年「最後の晩ごはん」


「最後の晩ごはん」より。中村優一さんと篠田さん

映画では、

1966年「赤い天使」
1967年「砂糖菓子が壊れるとき」
1968年「不信のとき」
1969年「女賭博師 花の切札」
1970年「女賭博師 壷くらべ」

1971年「高校生心中 純愛」
1972年「哥」
1973年「あさき夢みし」
1975年「吾輩は猫である」
1976年「金閣寺」


「金閣寺」より。

1978年「愛の嵐の中で」
1982年「ひめゆりの塔」
1983年「ふるさと」
1989年「千羽づる」
1991年「あーす」

1992年「遠き落日」
1994年「さくら」
1995年「ゴジラvsデストロイア」
1998年「ちぎれ雲 いつか老人介護」
2000年「破線のマリス」


「破線のマリス」より。

2001年「忘れられぬ人々」
2002年「森の学校」
2004年「IZO」
2008年「接吻」
2011年「白夜行」

ほか、数多くの作品に出演されています。

「篠田三郎の妻との馴れ初めは?息子は?真夏竜と?」に続く

「白夜行」より。

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