7枚目のシングル「夕陽が泣いている」が大ヒットを記録し、頂点を極めるも、若手グループの出現に押されて人気が低迷し、「ザ・スパイダース」は解散してしまいますが、解散後も、堺正章(さかい まさあき)さんは、俳優、歌手として人気を博し続けます。

「堺正章は昔「スパイダース」で「夕陽が泣いている」が大ヒットしていた!」からの続き

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テレビドラマ「時間ですよ」で人気を博す

堺さんは、「ザ・スパイダース」で活動中の1970年、演出家・久世光彦さんに抜擢されて、テレビドラマ「時間ですよ」で、「トリオ・ザ・銭湯」の健ちゃん役を演じられているのですが、

ドラマ中、樹木希林さん、川口晶さんとともにコントを披露すると、そのコミカルな演技でたちまちお茶の間の人気を博します。


「時間ですよ」より。堺さんと天地真理さん

テレビドラマ「時間ですよ」で樹木希林らとコントを披露していた

久世さんによると、実は、「時間ですよ」の脚本には、もともと、コントなどお笑いに関するお芝居については何も書かれておらず、堺さん、市子役の川口晶さん、浜さん役の樹木希林(当時・悠木千帆)さんらと相談して、演出のスタッフたちとコントやギャグを仕上げていったそうで、

そんなストーリーと関係ないギャグが子どもたちの心をとらえ、ドラマを観るというよりも、コントが観たくて、この「時間ですよ」を観るという珍しい現象が起きたそうです。


「時間ですよ」より。(左から)川口晶さん、堺さん、樹木希林さん。

ちなみに、テレビ番組とお笑いに精通しているフリーライターの加藤義彦さんは、著書「「時間ですよ」を作った男―久世光彦のドラマ世界」で、

ある時、正章が深夜のテレビ番組出て「時間ですよ」の思い出を語っていた。なんでも彼はギャグのアイディアがひらめくと、いつも持ち歩いていたノートに書きつけ、リハーサルの席でそれを久世たちスタッフの前で演じたという。

そこで採用されればいいが、その多くが却下。本番は翌日なので、帰宅してからも必死にアイディアをひねり出したとか。

と、綴っておられます。


「時間ですよ」を作った男―久世光彦のドラマ世界

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ソロシングル「街の灯り」が大ヒット

また、堺さんは、歌手としても、「ザ・スパイダース」解散後、ソロで活動を続け、翌年の1971年5月には、ソロシングル「さらば恋人」


「さらば恋人」

そして、同年9月には、2ndシングル「青空は知らない」、3rdシングル「涙から明日へ」と続け様にリリースすると、「時間ですよ」の挿入歌だった3rdシングル「涙から明日へ」がヒット。


「青空は知らない」


「涙から明日へ」

(ちなみに、「涙から明日へ」は、「時間ですよ」の演出家の久世さんが、「小谷夏」のペンネームで作詞されているのですが、久世さんは、これをきっかけに数多くの作詞を手がけられるようになられています)

さらに、1973年6月には、同じく「時間ですよ」の挿入歌だった、8枚目のシングル「街の灯り」をリリースすると、これまたヒットとなり、堺さんは、同年末の「第24回NHK紅白歌合戦」に初出場を果たしたのでした。

(同年末の「第15回日本レコード大賞」では、「街の灯り」を作曲した浜圭介さんが作曲賞を受賞されています。)


「街の灯り」より

また、この「街の灯り」は、研ナオコさん、岩崎宏美さん、モーニング娘。、大友康平さんら、様々なアーティストがカバーするなど、現在でもスタンダードナンバーとして親しまれています。

「堺正章の若い頃は「西遊記」の孫悟空役で子供達のヒーローだった!」に続く

https://www.youtube.com/watch?v=nIUFyk969ok

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