師匠の6代目笑福亭松鶴さんの理解のもと、古典落語にもかかわらず、自由な発想で、様々なアレンジを加えていたという、笑福亭鶴瓶(しょうふくてい つるべ)さんですが、ルックス面でも、アフロヘア&オーバーオールという斬新なスタイルだったそうです。

「笑福亭鶴瓶は入門4日目で横柄な新聞記者を注意していた!」からの続き

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落語家にもかかわらず、アフロヘア&オーバーオールというスタイルを貫いていた

古典落語にもかかわらず、オートバイに乗った人物を登場させたり、高座にラジカセを持ち込み、笑いが欲しい時にスイッチを入れて笑い声を出すなど、自由な発想で様々なアレンジを加えていた鶴瓶さんですが、

その斬新なスタイルは、ルックス面でも、髪型はアフロヘア、服はオーバーオールと、従来の落語家とは一線を画していたそうです。

そのため、師匠の6代目笑福亭松鶴さんや先輩の3代目桂春団治さんからは、さんざん、髪を切れと言われたそうですが、それでも、鶴瓶さんは、この言葉に従うことはなく、自身のスタイルを貫いたのだそうです。


アフロヘア&オーバーオールスタイルの頃の鶴瓶さん。

(ただ、松鶴さんも春団治さんも、そんな鶴瓶さんをどこか楽しんでいる風だったそうで、やがては、何も言わなくなったそうです)

落語家の古臭いイメージに反発していた

そんな鶴瓶さんは、後に、自身のスタイルを貫いた理由について、当時、自身の所属していた「松竹芸能」の落語家は、「吉本興業」所属の桂三枝(現・6代目桂文枝)さんや笑福亭仁鶴さんと比べ、年齢が高いというイメージがあり、落語家の古臭い感じに対する反発からだったと語っているのですが、

春団治さんからは、「金をやるから切ってくれ」と、実際に散髪代をもらったこともあったそうですが、

それでも、鶴瓶さんは、髪を切らず、そのお金を酒代に使い、

金を落としてしまいましたわ

と、言ったとのことでした(笑)


アフロヘア&オーバーオールスタイルの頃の鶴瓶さん。

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師匠の6代目笑福亭松鶴に稽古をつけてもらえなかった?

また、鶴瓶さんは、師匠の6代目笑福亭松鶴さんから、決して落語の稽古をつけられることはなかったそうで、

ある意味、えらい怒られて、稽古をつけてもらえなかった

と、自身のエッセイの中で語っているのですが、

実際は、そういう訳ではなかったようで、松鶴さんの盟友の5代目桂文枝さんは、

稽古の必要はないと思ってるからや

と、語っており、

その証言を裏付けるように、松鶴さんは、

鶴瓶が聞いとるさかい風呂行って稽古しょう!

と、他の弟子たちを引き連れて、逃げ回っていたそうで、

稽古をつけることによって、鶴瓶さんの持ち味を消してしまわないようにとの、松鶴さんの配慮からだったとも言われています。

(ちなみに、松鶴さん自身、師匠の5代目笑福亭松鶴さんから、あまりネタを教えてもらうことがなかったそうなので、その想いを引き継いだのかもしれません)

「笑福亭鶴瓶が若い頃は裸芸が持ちネタだった!」に続く


アフロヘア&オーバーオールスタイルの頃の鶴瓶さん。

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