1960年、「恋の片道切符」で映画監督デビューして以来、「心中天網島」「夜叉ヶ池」「悪霊島」「瀬戸内少年野球団 」「写楽」「梟の城 owl’s castle」「スパイ・ゾルゲ」ほか数多くの名作映画を世に送り続け、2003年に映画監督を引退した、篠田正浩(しのだ まさひろ)さん。今回は、そんな篠田さんの監督作品を画像を交えてご紹介します。
「篠田正浩は「夜叉ヶ池」を松竹への罪滅ぼしで制作していた!」からの続き
監督作品(映画)
それでは、ここで、篠田さんのデビューからの主な監督作品をご紹介しましょう。
1960年「恋の片道切符」
「乾いた湖」※脚本:寺山修司
1961年「三味線とオートバイ」
「わが恋の旅路」※脚本:寺山修司
「夕陽に赤い俺の顔」※脚本:寺山修司
「夕陽に赤い俺の顔」より。
1962年「涙を、獅子のたて髪に」※脚本:寺山修司
「山の讃歌 燃ゆる若者たち」
「私たちの結婚」
1964年「乾いた花」※原作:石原慎太郎
「暗殺」※原作:司馬遼太郎
「涙を、獅子のたて髪に」より。加賀まりこさんと藤木孝さん。
1965年「美しさと哀しみと」※原作:川端康成
「異聞猿飛佐助」
1966年「処刑の島」※脚本:石原慎太郎
1967年「あかね雲」
1969年「心中天網島」※原作:近松門左衛門
「美しさと哀しみと」より。加賀まりこさん。
1970年「無頼漢」※脚本:寺山修司
1971年「沈黙 SILENCE」※原作:遠藤周作
1972年「札幌オリンピック」※ドキュメンタリー
1973年「化石の森」※原作:石原慎太郎
1974年「卑弥呼」
「沈黙 SILENCE」より。ディヴィッド・ランプソンさん(左)とマコ岩松さん(右)。
1975年「桜の森の満開の下」※原作:坂口安吾
1977年「はなれ瞽女おりん」※原作:水上勉
1979年「夜叉ヶ池」※原作:泉鏡花
1981年「悪霊島」※原作:横溝正史
1984年「瀬戸内少年野球団」※原作:阿久悠
1985年「ALLUSION 転生譚」
1986年「鑓の権三」※原作:近松門左衛門
1989年「舞姫」※原作:森鷗外
1990年「少年時代」※原作:藤子不二雄A
「舞姫」で演技指導をする篠田さん(右)。左は郷ひろみさん、中央は角野卓造さん。
1995年「写楽」
1997年「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」※原作:阿久悠
1999年「梟の城 owl’s castle」※原作:司馬遼太郎
2003年「スパイ・ゾルゲ」
「スパイ・ゾルゲ」より。イアン・グレンさんと本木雅弘さん。
など、数多くの作品を制作されています。
受賞・ノミネート歴
そんな篠田さんは、
1969年には、「心中天網島」で「ヴェネツィア国際映画祭 出品」「ロンドン映画祭 出品」
1970年には、「心中天網島」で「キネマ旬報 作品賞・監督賞」「毎日映画コンクール 作品賞」、「無頼漢」で「アデレード映画祭 批評家賞」
1972年には、「沈黙 SILENCE」で「第25回カンヌ国際映画祭コンペティション部門 出品」「毎日映画コンクール 作品賞・監督賞」
「沈黙 SILENCE」より。
1973年には、「札幌オリンピック」で「ゴールデングローブ賞 長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート」
「札幌オリンピック」より。
1974年には、「卑弥呼」で「第27回カンヌ国際映画祭コンペティション部門 出品」
「卑弥呼」より。岩下志麻さん。
1977年には、「はなれ瞽女おりん」で「アジア太平洋映画祭 監督賞」
1978年には、「はなれ瞽女おりん」で「第1回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞ノミネート」
「はなれ瞽女おりん」より。岩下志麻さん。
1984年には、「瀬戸内少年野球団」で「ヒューストン映画祭 外国語映画賞」
1985年には、「瀬戸内少年野球団」で「第8回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞ノミネート」「ブルーリボン賞 作品賞」
「瀬戸内少年野球団」より。(左から)内藤武敏さん、郷ひろみさん、夏目雅子さん。
1986年には、「鑓の権三」で「第36回ベルリン国際映画祭 銀熊(芸術貢献)賞」
「鑓の権三」より。岩下志麻さんと郷ひろみさん。
1991年には、「少年時代」で「第14回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞」「ブルーリボン賞 作品賞・監督賞」「毎日映画コンクール 作品賞」
「少年時代」より。
1995年には、「写楽 Sharaku」で「第48回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門出品」
1996年には、「写楽 Sharaku」で「第19回日本アカデミー賞 編集賞」「第19回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞ノミネート」
「写楽」より。新橋耐子(左)さんと葉月里緒奈さん(右)。
1997年には、「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」で「第47回ベルリン国際映画祭 コンペティション部門出品」
「瀬戸内ムーンナイト・セレナーデ」より。(左から)鳥羽潤さん、長塚京三さん、笠原秀幸さん、岩下志麻さん。
1999年には、「梟の城 owl’s castle」で「富川国際ファンタスティック映画祭 監督賞」
2000年には、「梟の城 owl’s castle」で「第23回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞ノミネート」
「梟の城 owl’s castle」より。中井貴一さん。
2004年には、「スパイ・ゾルゲ」で「第27回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞ノミネート」
「スパイ・ゾルゲ」より。
など、数々の賞を受賞、ノミネートされています。
著書
また、著書も、
1970年「心中天網島 篠田正浩作品集」
1979年「闇の中の安息 篠田正浩評論集」
1984年「駈けぬける風景」
1983年「エイゼンシュテイン 20世紀思想家文庫」
1995年「日本語の語法で撮りたい」
1996年「映画で出会った人々」
1997年「監督、撮らずに観る 映画館では見えてこない映画の話」
2003年「私が生きたふたつの「日本」」
2021年「河原者ノススメ―死穢と修羅の記憶」
「河原者ノススメ―死穢と修羅の記憶」より。
2013年「路上の義経」
2016年「篠田正浩映画講義」
2019年「卑弥呼、衆を惑わす」
「卑弥呼、衆を惑わす」より。
など、多数出版されており、
2010年には、「河原者ノススメ―死穢と修羅の記憶」で「第38回泉鏡花文学賞」を受賞されています。
「篠田正浩の最初の妻は?現在(2人目)の妻・岩下志麻との馴れ初めは?」に続く