1983年、二代目市川亀治郎として「御目見得太功記」の禿たより役で初舞台を踏んで以来、数多くの歌舞伎作品に出演し、「スーパー歌舞伎II」シリーズでは、自ら企画・演出を行うなど、プロデュースでも才能を発揮するほか、現代劇、テレビドラマ、映画などでも強烈な存在感を放っている、四代目市川猿之助(よんだいめ いちかわえんのすけ)さん。今回は、そんな猿之助さんの出演作品を画像を交えてご紹介します。
「市川猿之助(4代目)は昇降装置に左袖が巻き込まれ大怪我をしていた!」からの続き
出演作品(歌舞伎)
それではここで、猿之助さんの主な出演作品をご紹介しましょう。
歌舞伎では、
2006年「かさね」で腰元かさね役
「櫓のお七(やぐらのおしち)」でお七役
2007年「NINAGAWA十二夜(にながわ じゅうにや)」で腰元麻阿役
2007年「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」で袖萩/安倍貞任役
「義経千本櫻・吉野山(よしつねせんぼんざくら・よしのやま)」で佐藤忠信実は源九郎狐役
「義経千本櫻・吉野山」で佐藤忠信実は源九郎狐に扮する猿之助さん。
2008年「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」で源義経役
「風林火山 晴信燃ゆ(ふうりんかざん はるのぶもゆ)」で武田晴信役・山本勘助役
「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」で召使お初役
「竜馬がゆく(りょうまがゆく)」でおりょう役
2009年「毛抜(けぬき)」で腰元巻絹役
「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」で芸者妲妃の小万実は民谷召使お六役
「盟三五大切」より。(左から)中村梅枝さん扮する芸者菊野、坂東亀寿さん扮する廻し男幸八、猿之助さん扮する芸者妲妃の小万。
2010年「三社祭(さんじゃまつり)」で善玉役
「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」で山崎屋与五郎放駒長吉役
「連獅子(れんじし)」で僧蓮念役
「源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)」九郎助娘小万役
「男の花道(おとこのはなみち)」加賀屋歌右衛門役
2011年「女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)」で七左衛門女房お吉役
「義経千本桜・川連法眼館の場(よしつねせんぼんざくら・かわつらほうげんやかたのば)」
「江戸ッ子繁昌記(えどっこはんじょうき) 」で女房お仲役
2012年「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)」
「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」で早野勘平役
「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」
2013年「角兵衛(かくべえ)」
「連獅子(れんじし)」
「女殺油地獄」で七左衛門女房お吉に扮する猿之助さん。
2014年「静と知盛(しずかととももり)」
2014年「金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)」
2014年「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」
2014年「夏祭女團七(なつまつりなにわかがみ)」
「四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)」
2015年「黒塚(くろづか)」
「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」で女房おとく役
「雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)」で中村雪之丞役・母ゆき役・闇太郎役
「男の花道(おとこのはなみち)」で加賀屋歌右衛門役
「独楽(こま)」で独楽売萬作役
「蜘蛛絲梓弦」
「吉野山(よしのやま)」で忠信役
「黒塚」で鬼女に扮する猿之助さん。
2016年「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」女房お柳実は典侍の局役・お里役・佐藤忠信実は源九郎狐役
「柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび)」 で護持院隆光役
「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」で喜多八役
「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」
2017年「雙生隅田川(ふたごすみだがわ)」で班目御前役、口上
「男の花道(おとこのはなみち)」で加賀屋歌右衛門役
「伊勢音頭恋寝刀(いせおんどこいのねたば)」で仲居万野役
「金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)」で清姫役・藤原忠文役・白拍子花子実は清姫の霊役
「名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)」で船頭三次役
「団子売(だんごうり)」でお福役
2019年 三谷かぶき「月光露針路日本 風雲児たち(つきあかりめざすふるさと ふううんじたち)」で庄蔵役・エカテリーナ役
「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」で喜多八役
2020年「色彩間苅豆 かさね(いろもようちょっとかりまめ かさね)」でかさね役
2023年 市川猿之助奮闘歌舞伎公演歌舞伎スペクタクル「不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―(ふしちょうよはとうをこえて へいけものがたりよるくんのはなし)」で三代猿之役
「不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―」より。
出演作品(スーパー歌舞伎Ⅱ)
スーパー歌舞伎Ⅱでは、
2014年 スーパー歌舞伎Ⅱ「空ヲ刻ム者」で十和役
2015~2018年 スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」でルフィ役・ハンコック役・シャンクス役
※2017年は左腕開放骨折したため10日より休演。代役は尾上右近さん。2018年は尾上右近さんとのダブルキャスト。
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」でルフィに扮する猿之助さん。
2018年 新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」でうちはマダラ役 ※片岡愛之助さんとの交互出演
2019年 スーパー歌舞伎Ⅱ〔新版〕「オグリ」で藤原正清後に小栗判官役・遊行上人役 ※中村隼人さんとの交互出演
出演作品(映画)
映画では、
2008年「蛇にピアス」※特別出演
「ザ・マジックアワー」
2010年「花のあと」
「恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~」
2011年「シャッフル」
2012年「道~白磁の人~」
「天地明察」
「恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~」より。眞木大輔さん(左)と猿之助さん(右)。
2013年「シネマ歌舞伎・ヤマトタケル」
2014年「超高速!参勤交代」
2016年「超高速!参勤交代 リターンズ」
「シネマ歌舞伎・スーパー歌舞伎II ワンピース」
2017年「花戦さ」
「シネマ歌舞伎 東海道中膝栗毛」
(公開日未定)劇場版「緊急取調室 THE FINAL」
出演作品(テレビドラマ)
テレビドラマでは、
2007年 NHK大河ドラマ「風林火山」
2008年「パズル」
「七瀬ふたたび」
2009年「寧々~おんな太閤記」
「必殺仕事人2009」
「白洲次郎」
「ハンチョウ~神南署安積班~」
「ハンチョウ~神南署安積班~」より。佐々木蔵之介さん(左)と猿之助さん(右)。
2010年 NHK大河ドラマ「龍馬伝」
「大仏開眼」
「駅弁刑事・神保徳之助4」
「離婚シンドローム」
「チャンス」
「駅弁刑事・神保徳之助4」<より。
2011年「熱中時代」
「JIN-仁-完結編」
「ブルドクター」
「光る壁画」
「駅弁刑事・神保徳之助5」
2012年「運命の人」
「そこをなんとか」
2013年「信長のシェフ」
「潜入探偵トカゲ」第5話
「ぴんとこな」
「カメラマン亜愛一郎の迷宮推理」
「信長のシェフ」より。
2014年「信長のシェフパートII」
「そこをなんとか2」
2015年「ようこそ、わが家へ」
「私という名の変奏曲」
2018年「ブラックペアン」
2019年「集団左遷!! 」第2話
「夢食堂の料理人~1964東京オリンピック選手村物語~」
「ブラックペアン」より。
2020年「半沢直樹」第1話~第4話
2021年「ミヤコが京都にやって来た!」
「東京地検の男」
「岸辺露伴は動かない」第5話
2022年 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
「最初はパー」
「最初はパー」より。
出演作品(舞台)
舞台では、
2006年「決闘! 高田馬場」
2009年「狭き門より入れ」
2010年「じゃじゃ馬馴らし」
2011年「ブルーマン×市川亀治郎 BLUEMAN MEETS歌舞伎」
「雨」
「家守綺譚」(朗読劇)
「その妹」
「決闘! 高田馬場」より。七代目市川染五郎(現・十代目松本幸四郎)さん(左)と猿之助さん(右)。
2012年「幻色江戸ごよみ」(朗読劇)
「太刀屋助六 外伝」
2013年「お文の影」「野槌の墓」(朗読劇)
「ヴェニスの商人」
2016年「元禄港歌〜千年の恋の森〜」
「男たちの棲家〜ドッコイ!俺たちはここに居る〜」
「エノケソ一代記」
2017年「月形半平太」
2021年「藪原検校」
「ヴェニスの商人」より。
など、多岐にわたって数多くの作品に出演されています。
テレビドラマ「半沢直樹」の伊佐山泰二部長役が大反響
そんな猿之助さんは、2020年には、テレビドラマ「半沢直樹」で、東京中央銀行証券営業部部長の伊佐山泰二役を演じると、
詫びろ詫びろ詫びろ詫びろ詫びろ、詫びろ半沢!
と、歌舞伎の見栄を切るような迫力あるセリフや、
ざまーみろ、お前の負けーーーー
と、強烈な顔芸を披露し、大きな反響を呼んでいます。
(伊佐山は、将来、頭取になると見込んでいた大和田に忠誠を誓うも、半沢により大和田が降格させられると、自身の出世も頓挫したことから、半沢を憎んでいました)
「半沢直樹」より。伊佐山泰二に扮する猿之助さん。
受賞歴
また、
1984年には、「源平盛衰記・牡丹景清」で「松竹社長賞」
1985年には、「菊宴月白浪」「二人三番叟」で「十三夜会奨励賞」
「加賀見山再岩藤」「二人三番叟」で「松竹会長賞」
1990年には、「連獅子」で「松竹会長賞」
2002年には、「第23回松尾芸能賞・新人賞」
「加賀見山再岩藤」で岩藤に扮する猿之助さん。
2004年には、「加賀見山旧錦絵」で「国立劇場賞」
2006年には、「浅草芸能大賞奨励賞」
2007年には、「第6回朝日舞台芸術賞・寺山修司賞」
2009年には、「祇園祭礼信仰記」「金閣寺」「色彩間苅豆」で「平成20年度芸術選奨新人賞・演劇部門賞」
2012年「第41回ベストドレッサー賞・学術・文化部門賞」「クールウール賞」
2013年には、「第34回松尾芸能賞・優秀賞」
2014年には、「第3回 水木十五堂賞」
2015年には、「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」で「第70回文化庁芸術祭優秀賞」
2016年には、「元禄港歌」「エノケソ一代記」で「第51回紀伊國屋演劇賞 個人賞」
2017年には、「義経千本桜」で「第24回読売演劇大賞 男優賞」
など、数々の賞を受賞するほか、
2007年には、「色彩間苅豆」で「英国ローレンス・オリヴィエ賞・最優秀ダンス賞」
2012年には、「ブルーマン×市川亀冶郎 BLUEMAN MEETS 歌舞伎」で「第40回国際エミー賞・芸術番組部門」
にもノミネートされています。
「市川猿之助(4代目)は両親と共に一家心中を図っていた?」に続く