トップアイドルでありながら、ロックバンド「MMP」を専属バンドにライブ活動を展開するほか、「8時だョ！全員集合」「みごろ！たべごろ！笑いごろ！！」ではコントも披露していた、藤村美樹（ふじむら みき）さんたち「キャンディーズ」ですが、人気絶頂の１９７７年、突然、解散宣言をし、ファンを驚かせます。
「藤村美樹はキャンディーズではライブを重視した活動をしていた！」からの続き
「キャンディーズ」が突然の解散宣言
１９７６年末には、「第27回NHK紅白歌合戦」に通算２回目の出場を果たすなど、人気絶頂だった、藤村さんたち「キャンディーズ」ですが、１９７７年７月１１日、日比谷野外音楽堂でコンサートが行われた際、
ラストで、伊藤蘭さんが、
私たち、皆さんに、謝らなければならない事があります
と、言うと、
続いて、藤村さんも、
ごめんなさい
田中好子さんも、
許してください
と、３人が涙を流しながらファンに謝罪。
私たち、今度の９月で解散します
と、突然の解散を発表したのでした。
そして、伊藤さんが、
私たち、これから皆さんの目には触れないところで、孤独と闘いながら生きていきたいんです。普通の女の子に戻りたい！
と、泣きながら叫んだのでした。
（この「普通の女の子に戻りたい」発言は、後に「キャンディーズ」の代名詞となるほど有名になり、現在も語り継がれています）
「普通の女の子に戻りたい」発言で気まずい雰囲気となっていた
ただ、藤村さんたちは、事前に「渡辺プロダクション」の正式な了承を得ていなかったことから、後に「渡辺プロダクション」と話し合い、解散はその約半年後の１９７８年４月にまで先送りになったのですが、
伊藤さんのコンサートでの「普通の女の子に戻りたい」発言が、「え、私たちの世界は『普通』じゃないってこと？」と関係者に受け取られ、解散までの半年間の仕事中には、微妙な空気が流れるなど、気まずい雰囲気だったそうです。
ラストシングル「微笑がえし」が初のオリコン1位
それでも、キャンディーズのバックバンド「MMP」でギタリストを務めた西慎嗣さんによると、
キャンディーズのコンサートは、解散宣言後から雰囲気が大きく変わったのを感じました。1978年3月18日の福岡のステージを皮切りに全国を縦断した『ありがとうカーニバル』では、幕が開いた瞬間から“解散当日に向けて彼女たちを最高の状態で送り出す”というファンの熱意が伝わってきました
とのことで、
電撃的な解散発表により、キャンディーズの人気はさらに盛り上がり、１９７８年２月に発売したラストシングル「微笑がえし」は、初のオリコン１位を獲得したのでした。
（それまで「キャンディーズ」は、シングル１位を獲得したことがなく、これが最初で最後のオリコン１位となったのですが、解散までには１位を獲得させたいという、ファンや関係者などの後押しがあったのだそうです）
「キャンディーズ」の解散コンサートには5万5千人の観客が詰めかけていた
そして、１９７８年４月４日、後楽園球場で解散（お別れ）コンサートが行われると、（当時）空前の５万５千人もの観客が見守り（球場の外周りにも、入りきらなかったファンが２～３万人いたそうです）、
同年４月７日、TBSテレビ系列により、解散コンサートの模様が全国に録画でテレビ放送されると、こちらも、平均視聴率３２.３％という高視聴率を記録し、単独アーティストによるテレビ放送としては歴代１位の記録を作ったのでした。
解散コンサートより。（左から）藤村さん、伊藤蘭さん、田中好子さん。
「藤村美樹はソロシングル｢夢恋人｣で復帰も結婚を機に芸能界を引退していた！」に続く
