1978年4月4日、後楽園球場でのコンサートで「キャンディーズ」が解散した後は、一旦、芸能界から遠ざかっていた、藤村美樹(ふじむら みき)さんですが、1983年、ソロ歌手として復帰し、「夢・恋・人。」をリリースすると、大ヒットを記録。ただ、同年4月には、結婚を機に芸能界を引退しています。
「藤村美樹らキャンディーズは突然解散宣言をしていた!」からの続き
キャンディーズ解散後は芸能活動を休止するも5年後にソロ歌手として復帰
1978年4月4日、後楽園球場でのお別れコンサートを最後に「キャンディーズ」が解散となると、藤村さんはしばらく芸能活動を休止していたのですが、1983年1月、BOURBONレーベル(徳間音楽工業)に移籍し、期間限定でソロ歌手として復帰すると、同年2月1日にリリースした、カネボウ春のキャンペーンソング「夢・恋・人。」(LPレコード)が15.9万枚を売り上げる大ヒットとなります。
(当時は10万枚売り上げると大ヒットと言われました)
1stソロアルバム「夢・恋・人」は細野晴臣、高橋幸宏らが参加した音楽性の高い一枚となっていた
ちなみに、同年3月25日にリリースした、ファーストソロアルバム「夢・恋・人」は、藤村さん自ら作曲した曲が5曲入っているほか、テクノ・ニューウェーブバンド「YMO」の細野晴臣さん、高橋幸宏さんや「MOON RIDERS」の白井良明さん、岡田徹さんらが楽曲制作&レコーディングに参加するなど、音楽性の高い一枚となっています。
ソロではアイドル時代のショートカットからロングヘアにするなどイメージチェンジを図っていた
また、藤村さんは、キャンディーズ時代のショートカットから一転して、ロングのウェービーヘアにしており、アイドル時代の愛らしいイメージから、どこか妖艶さをまとったような大人の女性へとイメージチェンジを図っています。
結婚を機に芸能界を引退~田中好子の通夜と告別式で33年ぶりに公の場に
ただ、藤村さんは、同年(1983年)4月、実業家の尾身善一氏と結婚すると、これを機に芸能界を引退。
以降、公の場には一切姿を見せなかったのですが・・・
(1991年に、キャンディーズのメンバーだった田中好子さんが結婚した際、週刊誌に、メガネをかけた横顔の写真と短いインタビューが掲載されたことがあったのですが、記者が藤村さんの写真を撮ろうとした際には、「きゃー、やめて♪」と可愛らしく言ったと、記事に書かれています)
2011年4月21日、田中好子さんが他界されたことにより、通夜(4月24日)と告別式(4月25日)で33年ぶりに公の前に姿を現すと、告別式では、伊藤蘭さんと2人で、涙ながらに弔事を読んでいます。
田中好子さんの告別式に参列した藤村さん。
藤村美樹と伊藤蘭が田中好子に贈った弔事
それでは、ここで、藤村さんと伊藤さんが田中さんに贈った弔事をご紹介します。
スーさん、なんでそんなに早く逝っちゃったの。おばあさんになるまで、恒例の集合写真をたくさん撮りたかったのに。今度から、蘭さんと(水谷)豊さんと3人だけで、スーさんがいないなんて寂しいよ。
数年前、スーさんからがんと聞かされたときは、本当にショックでした。でも「信頼できるお医者さまがついているから大丈夫」と言って、そのことを前向きに受け止めていて、私たちをいっとき、安心させてくれましたね。その後も、会うたびに変わらぬ笑顔で、いつも決まって深夜遅くまで、お菓子を食べ、お茶を飲みながらおしゃべりをしたよね。心から楽しかった。3人プラス豊さんとのあの場、あの時をずーっと忘れないよ。
家族や周りの人には心配をかけたくないとの思いで、病気のことを隠して必死に走り続けた数年間、本当によく頑張りましたね。スーさんのことだから、凄くつらいときにも優しい心配りで周りの人たちを和やかにさせ、その場の雰囲気をぱーっと明るく変えたのではないかと想像できます。
最後まで頑張り通したスーさん。惜しくも亡くなる当日も本当によく頑張ってくれましたね。ありがとう。私も蘭さんも、もう間に合わないかと思ったけど、3人がそろってからのあの数時間は奇跡でした。いつもなら絶対に集まることは不可能な親族も、みんなが勢ぞろいし、スーさんを取り囲んでお話をしたり、代わる代わる声をかけたり、手をさすったりしました。その柔らかい手の感触を、今でも思い出します。
スーさんは一足先に天国に行ってしまうけど、天国は、それはそれは素晴らしい所らしいですね。スーさん、どうですか。おばあちゃんとおじいちゃん、かずちゃん(早世した弟)やお母さん、(義妹の夏目)雅子ちゃんにも会えましたか?
神様はこの世のお役目を果たした人をそちらへ呼んでしまうようです。スーさんはもうお許しが出たのですね。これは神様からのプレゼントだっていうこと。新たな命を頂いて、そちらで幸せに暮らしてください。
どうやら、私たちは神様からお許しがまだ出ないので、スーさんの分まで明るく前向きに、一生懸命誠実に、一日一日を生きます。私たちもいずれそちらへ行きますので、それまで待っていてね。
また3人で歌いましょう。本当にキャンディーズは楽しかった。本当に私たちはスーさんと出会えて幸せでした。私たちは永遠にキャンディーズだからね。おそろいのものも大切にするよ。ありがとう、スーさん。愛してるよ。
「藤村美樹の夫との馴れ初めは?子供は3人で娘は尾身美詞!」に続く