「長男はプロ野球の選手にしたい」との夢を持っていたお父さんのもと誕生した、江川卓(えがわ すぐる)さんは、お父さんに野球の練習を強制されることはなかったそうですが、小学2年生の時には、母方の叔父さんの影響で野球が自然と好きになると、小学3年生の時には、天竜川の砂利道から川幅が約80メートルある対岸に向けて投げた石が、お父さんが投げて落ちた場所とほとんど変わらない位置に落ちていたといいます。

中学1年生の江川卓

「江川卓の幼い頃は臆病で泣き虫な少年だった!」からの続き

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小学2年生の時に野球チームの投手だった母方の叔父に野球を教えてもらっていた

生まれるずっと前から、「長男はプロ野球の選手にしたい」との夢を持っていたというお父さんのもと誕生した江川さんですが、お父さんからは、野球の練習を強いられたり、「野球選手になれ」などと強要されることはなかったそうで、他の普通の男の子たち同様、遊び道具としてバットやグラブを与えてもらうと、小学校2年生の時には、母方の叔父さんが常磐炭鉱野球チームの投手だったことから、その叔父さんにキャッチボールの基本のほか、野球のイロハを教わり、野球が好きになっていったそうです。

(江川さんは、この頃、近所の子供たちと三角ベースのソフトボールをするようになっていたそうですが、江川さんたちは山あいの町に住んでいたことから、近くにソフトボールができるようなスペースがなく、さらには、江川さんは、隣町の佐久間小学校に片道40分かけてバスで越境通学していたため、いつも近所の子供たちとソフトボールの約束ができるわけではなかったそうです)

小学3年生の時に父親に誘われ天竜川の砂利道から石投げをしていた

そんな中、江川さんは、小学3年生のある日のこと、学校から帰ると、仕事から帰って来ていたお父さんに一緒に散歩に行こうと誘われ、2人で川べりの砂利道を散歩していたそうですが、

お父さんが、ふと、立ち止まって、足元の石を拾い上げ、(砂利道の向うは崖になっていて、その下には天竜川が流れていたそうです)対岸に向けて拾った石を投げたそうで、

(その石は約80メートルくらいの川幅の半分より少し向こうの所に落ちたそうです)

その後、お父さんに、「お前も投げてみるか」と言われたそうですが、言われる間もなく、江川さんは、すでに石を手にしていたそうで、お父さんを真似て、その石を一つ投げたそうです。

天竜川の砂利道から投げた石は父親と大差ない場所に落ちていた

すると、その石は、お父さんほどは飛ばなかったものの、それほど負けてはいない距離に落ちたそうで、小学3年生の自分が、「凄いパパ」と思っている絶対的な存在のお父さんと、投げる石の飛距離に大差がない、という事実を目の当たりにし、江川さんは、少しでも遠くに投げてやろうと夢中になって石を投げ続けたのだそうです。

(お父さんは、そんな江川さんのため、どんどん、石を拾い集めてくれたそうです)

小学6年生の時には川幅約80メートルある向こう岸に投げた石が届いていた

この日以来、石投げは江川さんの日課となり、(テレビゲームなどない時代だったため、三角ベースのメンバーが集まらなければ他に遊ぶことがなかったこともあり)来る日も来る日も石を投げ続けたそうで、

飛距離はみるみるうちに伸びていき、江川さんが小学6年生の時には、ついに、(川幅が約80メートルある)向う岸に石が届いたそうで、

江川さんは、著書「たかが江川されど江川」で、

この石投げによって、なるほど僕の地肩は鍛えられた。ボールでも石でも遠くへ投げようと思うと、体全体使わなければいけない。ぎくしゃくしたフォームでは決して遠くへは投げられない。

知らず知らずのうちに正しい投げ方も身についたというわけだ。地肩の強化に正しいフォーム。――プロに入ってからも、フォームを崩したときは、遠投をして矯正していたが、天竜川の石投げは理想的な練習だったのだ。

と、綴っています。

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父親は江川卓を野球に仕向けようと天竜川の石投げに誘ったわけではなかった?

ちなみに、江川さんが、後に、お父さんに、何気なく息子を野球に仕向けようと計画的に石投げに誘ったのかと、聞くと、

お父さんは、

別にそんなことは考えていなかった。お前が俺の投げるのを真似しただけだ

と、言ったそうですが、

それが本当かどうかは分からないそうです。

ただ、お父さんは、インタビューでその時のことを、

最初に投げたときは正直言って驚きましたよ。大人の私とそう変わらないんですから。その後ちょくちょく石を投げてるのをのぞきましたが、確実に距離が伸びている。わが息子ながら、凄いと思いましたよ

と、語っています。

「江川卓は中学のとき長嶋茂雄に憧れサード(三塁手)志望だった!」に続く

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