1971年、加藤和彦さんに誘われ、ミュージシャンデビューを果たすと、バンド「キャラメル・ママ」(後のティン・パン・アレー)に参加し、その後は、アレンジャー、プロデューサーとして、妻である松任谷由実さんをはじめ、松田聖子さん、ゆず、いきものがかりほか、数多くのアーティストの作品に携わってきた、松任谷正隆(まつとうや まさたか)さん。
今回は、そんな松任谷正隆さんの、妻・松任谷由実さんとの馴れ初め、結婚後の関係(夫婦仲)、子供についてご紹介します。
「【画像】松任谷正隆の若い頃から現在までのアレンジ作品や経歴を時系列まとめ!」からの続き
松任谷正隆と荒井由実(松任谷由実)の馴れ初めは?
松任谷正隆さんは、1976年11月29日、25歳の時、荒井由実(現・松任谷由実)さん(22歳)と結婚しています。
松任谷正隆さんは、1973年、荒井由実さんのファーストアルバム「ひこうき雲」のレコーディングに「キャラメル・ママ」の一員として参加したのがきっかけで、荒井由実さんと知り合ったそうですが、初対面の印象はお互い良くなかったといいます。
というのも、松任谷正隆さんは、清楚な女性がタイプだったそうですが、荒井由実さんは真っ黒な服を着て近寄りがたく、14歳の頃から芸術家の集うレストラン「キャンティ」などに足繁く通うなど、派手な交友関係があったそうで、松任谷正隆さんにとって、荒井由実さんは異質で怖い存在だったうえ、
荒井由実さんのピアノの腕前は、スタジオミュージシャン級で、同じキーボードの松任谷正隆さんは、
僕、やることあるんですか?
と尋ねるほどだったのだそうです。
また、荒井由実さんの方も、ヨーロッパ音楽が好きだったそうですが、「キャラメル・ママ」はアメリカ志向のバンドだったことから、
きっとこいつら、私のことを気に入らないんだろう
と、松任谷正隆さんらを警戒していたうえ、
松任谷正隆さんのアメリカンなファッションも気に入らなかったのだそうです。
ただ、キーボードを担当していた松任谷正隆さんは、レコーディングに参加する時間が一番多かったほか、荒井由実さんは、相手に意見を求めるタイプだったことから、会話も自然と多くなり、やがて、松任谷正隆さんの役割が大きくなり、親密になっていったそうで、
松任谷正隆さんは、
(荒井由実さんは)僕の意見に積極的に耳を貸してくれるので、会話が多くなり、僕の役割も拡大していった。音楽的な方向性も一致した
と、語っています。
松任谷正隆は荒井由実(松任谷由実)のビブラートのかかった声が魅力的だと感じていた
そんな中、「ひこうき雲」のレコーディングはというと、ディレクターの有賀恒夫さんが、荒井由実さんの歌になかなかOKを出さなかったことから、1年ほどかかっていたといいます。
というのも、特に、最後に録った「雨の街を」が、荒井由実さんの声に微妙にビブラートがかかっていたからだそうで、有賀恒夫さんは、ピッチの正確さを重視して、荒井由実さんにビブラートを取るよう指示していたのだそうです。
(松任谷正隆さんは、ビブラートのままのほうが魅力的だと感じていたことから、それでは歌が無機的になり、作品にも深みがなくなると反対したそうですが、一介のセッション・ミュージシャンに過ぎない松任谷正隆さんの意見は通らなかったそうです)
松任谷正隆は荒井由実のために牛乳瓶に一輪のダリアを挿してスタジオのピアノに上に置いていた
こうして、荒井由実さんは、何回歌ってもうまくいかず、レコーディングの日も残り少なくなっていったそうですが、
そんなある日、松任谷正隆さんと荒井由実さんが、松任谷正隆さんの家の近くの井の頭公園を2人で散歩していた時、松任谷正隆さんが、荒井由実さんに好きな花を聞くと、荒井由実さんは「ダリヤ」と答えたそうで、
翌日、松任谷正隆さんが、スタジオのピアノに上に、牛乳瓶に一輪のダリアを挿して置いておくと、なぜか、荒井由実さんは、「雨の街を」の歌入れがうまくいき、無事に録り終えることができたのだそうです。
(松任谷正隆さんは、後に、ダリアは、ディレクターに対し、ピッチも大切だけれど、ここはエモーションを優先するべきだという意思表示だったと明かしています)
松任谷正隆は荒井由実と荒井由実の音楽に救われた思いでいた
そんな松任谷正隆さんと荒井由実さんは、やがて、交際するようになったそうで、荒井由実さんのセカンドアルバム「MISSLIM」(1974年発売)から、松任谷正隆さんが本格的に楽曲のアレンジを手掛けるようになったのだそうです。
実は、当時、松任谷正隆さんは、音楽で食べていけると感じたことは一度もなく、ピアノで独り立ちするほどの才能がないことも自覚していたそうで、
荒井由実さんと出会った頃は、大学卒業後の自分は、社会に適応できないままドロップアウトしてしまうのではないかという恐怖に苛(さいな)まれていたほか、仕事でも、自分の意見が反映されず、つらい日々を送っていた時期だったそうで、
そんな中、荒井由実さんから意見を求められるうち、次第に自分の存在意義を見出し、荒井由実さんと荒井由実さんの音楽に救われたと思うようになっていたのだそうです。
松任谷正隆は荒井由実が他の男性に取られることを恐れ「キャラメル・ママ」よりも力量が劣るバンドをバックバンドに起用していた
ちなみに、荒井由実さんのデビュー当時、松任谷正隆さんは、ライブの演奏に、「キャラメル・ママ」よりも力量が劣る、「パパ・レモン」というバンドを起用していたそうですが、
それは、「パパ・レモン」のメンバーが松任谷正隆さんの大学の同級生で、気心が知れていたからだったそうで、荒井由実さんが他のミュージシャンと一緒にツアーを回る中、他の男性に取られるのではと心配してのことだったそうです。
松任谷正隆の荒井由実へのプロポーズの言葉とは?
そして、1976年春、松任谷正隆さんは、荒井由実さんが多摩美術大学を卒業する頃、レコーディング帰り、荒井由実さんを家まで送る車の中で、
今年結婚しないと長い春になっちゃうね
と、プロポーズすると、
荒井由実さんもこのプロポーズを受け入れ、結婚に至ったのだそうです。
こうして、松任谷正隆さんは、荒井由実さんと結婚すると、よくデートした横浜にある山手カトリック教会で挙式すると、披露宴は、山下公園前のホテルニューグランドで行われたそうですが、
まず、親類縁者50人のパーティーがあり、二部には、かまやつひろしさん、加藤和彦さん、山下達郎さん、細野晴臣さんら大勢の音楽仲間が駆けつけてくれたそうで、宇崎竜童さんの司会で盛大に行われたのだそうです。
また、新婚旅行は、松任谷正隆さんが飛行機恐怖症のため、海外には行けず、愛車アウディに乗って、婚前旅行をした箱根へ行き、荒井由実さんの親族が営む熱海の旅館に泊まったそうですが、
この時、かまやつひろしさんや吉田拓郎さんらミュージシャン仲間が、「初夜を妨害しよう」と押しかけてきて、夜が明けるまで宴会が繰り広げられたそうです(笑)
松任谷正隆と松任谷由実の結婚後は決して順調満帆ではなかったものの現在は良好な関係を築いている
そんな松任谷正隆さんと松任谷由実さんですが、結婚後は、決して順調満帆ではなかったようで、
妻の松任谷由実さんは、2015年、「週刊アエラ」のインタビュー(独白)で、
夫婦の危機、何度もありました。特定の原因があるわけではなく、お互いのバイオリズムの重なりで生じるようなものですね。
7年ほど前にも、もうダメかもしれないという時が訪れて、その時は私が何とか踏みとどまろうとしました。実際に別れるとなった時に話し合わなければいけない、会社や権利関係の決めごとを全部テーブルにのせてみたんです。
そしたら、彼も途方もなく面倒に感じたみたいで無期延期になりました。
夫婦で創作をするのって、ストレスですよ。でも、夫婦をつなぎとめるかすがいでもある。彼は私と違って細かい所まで完璧を求めるし、作品のクオリティーに対して執着するから、『それくらいいいじやない』と思うこともたまにあります。
と、語っています。
それでも、松任谷正隆さんは、同じく、2015年「週刊アエラ」のインタビュー(独白)で、
25歳で結婚して、もう38年経ったなんて。そんなに長い時間が経ったとは感じないですね。僕たちの場合は仕事のパートナーでもあるから、『同志』『戦友』という感覚に近いかもしれない。
男女を超えた関係性。それは創作を通じていい時も悪い時も一緒に乗り越えてきたから、育まれたものだと思う。
彼女にやさしくあるための心がけ? 何もしてません。むしろ、心がけなければならないほど無理をしてはいけないと僕は思いますね。
ケンカをするときは、5日間口をきかないこともありますよ。でも、どちらかが『お茶にしよう』って言い出して、いつもの時間が始まる。くだらない世間話から、仕事の深刻な話まで、彼女との会話は尽きることがないですね
と、語っています。
(2015年の「週刊アエラ」には、それぞれが、独白という形で夫婦関係について語っています)
松任谷正隆と松任谷由実の間には子供はいない
ちなみに、松任谷正隆さんと松任谷由実さんの間に子供はいません。
というのも、妻の松任谷由実さんの結婚する際の唯一の条件が、
子供を作らないこと
だったと言われているのですが、
松任谷由実さんは、
女性アーティストって子供生んじゃうと、子供が最高傑作になってしまうのよね。
と、語っており、
松任谷由実さんがどれほど音楽一筋だったかが分かります。
また、松任谷正隆さんも、松任谷由実さんに子供がいたらユーミンらしさが失われてしまう、と考えていたそうで、お互いの意見が一致して、子供を持たない選択をしていたようです。
「松任谷正隆は石田ゆり子と不倫していた?名取裕子やマネージャーとも?」に続く
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