「ズットズレテルズ」や「KANDYTOWN」というバンドで活動されていた、ミュージシャンの草刈雄士(くさかり ゆうし)さん。2015年2月14日、23歳という若さで亡くなっています。
「ズットズレテルズ」
草刈さんは、1991年3月20日生まれ。
2008年には、現「オカモトズ」のメンバー、ハマ・オカモトさん、オカモトレイジさん、オカモトショウさんの3人と、呂布さん、ラキタさん、ヒデちゃんさんによる、ファンクバンド「ズットズレテルズ」を結成し、「ドカットカット」という名前でヴォーカルを務められていましたが、
草刈さんのわがままが原因で、結成わずか1年で解散しています。
「ズットズレテルズ」。(後列左から)ドカットカット(草刈雄士)さん、
スコポン(オカモトレイジ)さん、ラキタさん、ヒゲメガネ(ハマ・オカモト)さん、
(前列左から)ひでちゃん、皿・粉(オカモトショウ)さん、呂布さん。
「BANKROLL」「KANDYTOWN」で活動
草刈さんは、「ズットズレテルズ」を解散後は、幼なじみたちと「BANKROLL」を結成。
さらに、「KANDYTOWN」というヒップホップグループでも活動を始められ、メンバーから「KING」と呼ばれ、リーダーのいない彼らの精神的な支えになっていたそうです。
「KANDYTOWN」のメンバー、「IO」さんは、
俺らは彼の事を「KING」って呼んでる。それぐらい、YUSHI(草刈さん)の存在が大きいですね。
YUSHIが俺らの中心だったし、みんなの判断もそうだと思う、YUSHIがNo Goodだって思うような事はやらないっていうのが、自分達の基準になってると思います。
KANDYTOWNにリーダーはいないけど、強いて中心人物を上げるなら、YUSHIです。
とおっしゃっており、
「BANK ROLL」「ズットズレテルズ」で、草刈さんとともに活動されていた、呂布さんは、
ラップを俺らの間で一番最初に始めたのがYUSHIだったし、あいつがいなかったら、KANDYは無いですね、確実に。
とおっしゃっていました。
ちなみに、「KANDYTOWN」は、「YaBasta」というバンドと「BANKROLL」が組み合わさってできた、いわば、「仲の良い連れの集合体」で、
「結成」というわけではなかったようです。
死去
そんな草刈さんは、2015年2月14日、お父さんの草刈正雄さんが個人事務所として使用されている、東京都渋谷区にあるマンションの部屋から、転落し、亡くなっています。
草刈さんが転落したマンション。(正雄さんの個人事務所は7F)
お父さんの正雄さんは、この事故から、約2時間後に現場へ駆けつけ、
なんで死んだんだぁ!
という絶叫とともに、血の跡のそばで、地面に突っ伏していたそうです。
転落事故
実は、草刈さんは、長年、「躁鬱病」に苦しんでおられたことから、当初は、「自殺」と疑われたのですが、
「躁鬱病」の薬の副作用で、フラフラした状態にあり、そのせいで、誤ってベランダから転落されたとされています。
というのも、路上で倒れていた草刈さんは、窓の脇にあるベランダの手すりの一部を握っておられたとのことで、
おそらく、柵がない窓辺に腰掛けていた際、バランスを崩し、ベランダの手すりにしがみつこうとするも、そのまま転落されたのでしょう。
家族や仲間の反応
この訃報に、かつての仲間だった、ハマ・オカモトさんは、
全然言うこと聞かないし、やる事やらないし、ワガママで、めんどくさいから大っ嫌いだった。
けど、死んじまうなんてあんまりだよ。どこまで人騒がせなんだよ。また変なラップ聴かせてよ。黒いレコード教えてよ。 な・・・
と、悲痛な叫びをツイート。
また、お姉さんの 紅蘭さんは、そのショックから体調を崩されたそうで、
草刈さんの好きだったニューヨークに行き、右足に、草刈さんの顔と、「大好きな弟、永遠に」という意味の言葉を、タトゥーにし、悲しみを癒やされたそうです。
紅蘭さんが投稿された写真。
そして、草刈さんの四十九日には、「KANDYTOWN」が、草刈さんに捧げる楽曲を発表。
その冒頭では、メンバーが黙祷を捧げるなか、お父さんである正雄さんの、
おれの愛する雄士。こんなことを言うのも変だよな。でも、パパが結構好きな4つの言葉があってさ。「ごめんな」というのと、「許してくれ」「愛しているよ」「ありがとう」
という、ナレーションが流れたそうです。
草刈さんと紅蘭さんが、幼い頃、正雄さんは仕事がうまくいかず、イライラしていたことから、感情的に子どもたちを怒ってしまうことが度々あり、
そんなわだかまりを完全に解消できないまま、草刈さんが旅立たれてしまったことで、正雄さんは、悔恨の念にさいなまれていたとのことでした。
「KANDYTOWN」が、草刈さんに捧げた楽曲。
さて、いかがでしたでしょうか?
早くに亡くなってしまった草刈さんですが、草刈さんは、音楽のほか、絵の創作活動などもされており、
(草刈さんの公式ホームページで、見ることができます。)
その魂は永遠に、作品の中で生き続けることでしょう。
ご冥福をお祈り致します。