篠田三郎の妻との馴れ初めは？息子は？真夏竜と？

出演作品では、誠実で実直なキャラクターを数多く演じてこられた、篠田三郎（しのださぶろう）さんですが、実際の篠田さんはどうなのでしょうか。今回は、篠田さんの人柄がよく分かるエピソードをご紹介します。

「篠田三郎の大河ドラマ花神ほか出演映画ドラマは？」からの続き

真夏竜

篠田さんを、「真夏竜」で多くの人が調べられているようです。

というのも、真夏竜さんは、「ウルトラマンタロウ」の次のシリーズ「ウルトラマンレオ」で、主人公の「おおとりゲン」を演じられているのですが、

「ウルトラマンレオ」より。「おおとりゲン」に扮する真夏竜さん。

篠田さんは、真夏さんととても仲が良く、家族ぐるみの親交があるそうで、篠田さんは、真夏さんの舞台などには、毎回お祝いの花束を送るほか、楽屋に陣中見舞いに訪れることもしばしば。

（ウルトラシリーズでの共演はありませんが、篠田さんの息子さんと真夏さんの息子さんは同級生だったとか）

また、篠田さんは、２００４年に、奥さんから、真夏さんが「胃ガン」になったことを聞くと、すぐに、知り合いの医師がいる都内の大学病院を真夏さんに紹介。

真夏さんが、さっそく、その大学病院を訪ねられると、正面玄関を入ったところに、篠田さんが待っておられたそうで、

真夏さんは、

感激しました。いくら古い付き合いでも、ここまでしてくれる人は、そうはいませんから。

と、語っておられました。

（ちなみに、真夏さんは、余命半年の宣告を受けるほど、病状は深刻だったのですが、無事、ガンを克服されています）

篠田さん（左）と真夏竜さん。

妻との馴れ初め

そんな篠田さんは、１９７５年１月１５日に、一般人の「高田章子」さんという方と結婚されています。

篠田さんは、１９７１年のクリスマスイブ、「大映」時代の友人に誘われて、東京・中野区にある小さなスナックで開かれたパーティーに参加。

篠田さんを誘ってくれた友人の知り合いがスナックの経営者（大学生）だったのですが、その人のお姉さんで店を手伝っていたのが、章子さんだったそうで、

第一印象と言えば、彼女の目がすごく綺麗だったんです。友人に紹介されても、ほとんどロがきけなかったのは、完全な一目惚れで緊張していたからでしょう。

まさかその彼女と結婚する運命になるなんて、夢にも思いませんでしたが…

と、篠田さんは、章子さんに一目惚れされたことを明かされています。

（生まれて初めての一目惚れだったとか♪）

また、章子さんも、

首の長い人、という印象でした。足もとを見たら、先の尖（とが）った靴を履いてるのね。私、そう人が好きじゃなかったし、芸能界にも、こんなセンスの人がいるのかしら、と思いました。

今考えると、そのタレントらしくないところに好意を持ったのかもしれません。

と、篠田さんに好印象を抱かれたことを明かされています。

ちなみに、パーティーが終わりに近づいた時、章子さんが篠田さんの方を見ると、篠田さんは友人らと楽しそうにしゃべっていたそうですが、その会話にはユーモアがあり、

意外と話のできる人なのだな

と、章子さんは感じられたそうです♪

グループ交際

そのパーティーの後、篠田さんは、そのまま二次会に参加し、その後はパーティーに誘ってくれた友人のアパートへ行ったそうで、

彼女、すごくいい感じの女性だよ。ああいう人と付き合いたいなあ。こんな気持ちになったこと、本当に初めてなんだ

と、友人に打ち明けると、

篠田さんの気持ちを知った友人も、

本気か？よし、それなら近いうちに、俺から彼女にお前の気持ちを伝えてやる

と、一肌脱いでくれることになり、篠田さんは、友人にお願いすることに。

すると、それから１週間ほど経ち、

喜べ！彼女、お前に悪い印象は持ってないぞ。惚れたとは言ってなかったけどね

と、友人から報告を受け、（つきあうところまではいきませんでしたが）グループ交際に発展。

その後は、みんなで映画を見たり、喫茶店に行くなど、グループ交際が続くのですが、二人が付き合うきっかけもなく、この関係がしばらく続いたそうです。

そして、そのうち、グループ交際をしていた友人たちも恋人ができたりと、だんだん抜けていき、気がつくと、残っていたのは、篠田さんと章子さんだけだったそうで、

それからは、二人だけの交際になったのですが、篠田さんは、なかなか自分の気持ちを打ち明けられなかったのだそうです。

正式交際

ところで、章子さんのお父さんは、若い頃、バイオリンを弾いており、音楽家志望だったのですが、その夢が果たせなかったため、娘の章子さんに自身の夢を託したそうで、

そのため、章子さんは、国立音楽大学を卒業し、バイオリニストとして身を立てようとしたこともあったそうですが、それほど生易しい世界ではないことを知り、バイオリンの道をあきらめ、篠田さんと出会った弟のスナックを手伝うようになったそうです。

ただ、弟も大学を卒業して就職先が決まり、お店を閉めることになったほか、東京・八王子に住む実家の両親から、縁談があるから帰ってくるように言われたそうで・・・

１９７２年の暮れ、突然、章子さんから、

私、実家へ帰ろうと思うの

と、この話を打ち明けられた篠田さんは、さすがに愕然となったそうで、

帰るなんて、ダメだ！僕を信じてくれ、実家へなんか行かないでくれよ

と、ようやく、告白。

章子さんは、篠田さんについていくことを約束し、二人は正式に付き合うこととなったのでした。

結婚の約束をするも・・・

ほどなくして、二人は、結婚の約束をされるのですが、

彼女はいつも僕の立場を考えてくれて、決して出しゃばらなかった。会えない時は、必ず僕の方から電話をかけたが、僕が雪の山形へ1カ月もロケでしばられた時は、耐えられなかったのだろう。

ある日、突然一人で東京を離れ鶴岡からロケ宿へ電話があって「どうしても会って欲しい」と言うんだ。3時間くらい待たせてからそこへ行き、「なぜ、こんな所まで来るんだ。僕を困らせないでくれ」と追い帰したが、後で胸がうずいた。

僕が俳優じゃなかったら、こんな辛い思いはさせないで済むんですからね。

との出来事があったそうで、

１９７３年のテレビドラマ「愛よいそげ」（主演）が終わり次第、章子さんと結婚式をあげるつもりだったのですが、並行して、「ウルトラマンタロウ」でも主演を務められることになり、やむなく結婚式は延期に。

さらに、同年、「天下堂々」の仕事が終わった時にも、結婚式を挙げる決意をされたのですが、これも、続く「若い先生」への出演で延期。

（売出し中だった篠田さんを結婚させまいとの、周囲の思惑があったのかもしれません）

ただ、これだけ結婚が延期となっても、章子さんはじっと耐えていたそうで、篠田さんは、少しでも時間があれば、仲間との付き合いをセーブし、章子さんと会うようにされたのでした。

幾度の延期を乗り越えついに結婚

そして、「若い先生」が終わった時には、必ず挙式すると篠田さんは決意されるのですが、またしても、１９７４年の暮れには、テレビドラマ「水色の時」に出演することに。

ただ、今度ばかりはと、１９７５年１月４日、篠田さんは、故郷の栃木に戻り、親戚に結婚の挨拶を済ませると、１月１５日、東京・目黒のアンセルモ教会（カトリック目黒教会）で挙式され、

端役時代に一度だけ結婚式のシーンをやったことがありますが、いざ自分の本番になると、身が引き締まりました。なるべく淡々と、冷静にと思いましたが、署名の時は手が震えて…彼女もすすり泣きしていたようです。

式の途中で、参列者が抱いていた赤ちゃんの泣き声がしましたが、僕達はそれが祝福の声に聞えました。本当に僕達に相応しい素晴しい結婚式でした。

天下晴れて挙式を済ませたので、これからは彼女をどこへでも連れて行けます。当分は子供は作らずに、奥さんサービスですよ。セーブしてた友達付き合いも復活させたい。

彼女が僕を亭主関白にさせてくれるので、万事うまく行くでしょう。あいつは結婚したらぽしゃったなんて言われないように、これからも自分のキャラクターを活かして、仕事に打ち込みます。

と、結婚後の抱負を語られたのでした♪