2枚目役でも3枚目役でもブレイクを果たされた、田村正和(たむら まさかず)さんですが、1994年「古畑任三郎」では、またまた大ブレイク。ただ、このドラマで共演した明石家さんまさんとは撮影中、険悪な雰囲気になったといいます。
「田村正和の若い頃はうちの子にかぎってほか3枚目役でもブレイク!」からの続き
「古畑任三郎」がロングヒットに
田村さんは、1994年には、主人公の警部補・古畑任三郎が、事件のアリバイやトリックを巧みな話術と卓越した推理力で崩していきながら、完璧と思われた犯行の真相を解明してく様子を描いた刑事ドラマ「古畑任三郎」で、主人公の古畑任三郎役を演じられると、
第1シーンズンこそ、視聴率はそれほど高くなかったものの、再放送で人気に火がつくと、第2シーズン以降は、平均視聴率20%超という大ヒットを記録。実に、10年に渡って放送されるほどの、ロングヒットとなっているのですが、
実は、田村さんは、刑事ドラマには出演しないと決めていたそうで、当初、この「古畑任三郎」のオファーが来た時には、一度断られていたというのです。
「古畑任三郎」より。
ただ、脚本を担当した三谷幸喜さんから、
従来の刑事ドラマとは異なり、ピストルを持たず、アクションも無く、論理的に事件を解決する。
と、説明を受け、さらには、三谷さんの脚本を読むと、
これならやってみたい
と、出演を承諾されたのだそうです。
さんまにキレていた
ちなみに、田村さんは、1996年、この「古畑任三郎」の第14話「しゃべりすぎた男」で、明石家さんまさんと共演されているのですが、
その際、さんまさんが、長セリフが多かったことから、何度もNGを出し、ようやくOKが出たそうで、次のシーンでは、普段ほとんどNGを出さない田村さんまでNGを出してしまいます。
これに、さんまさんは、他のタレントにされるように、田村さんをいじられたそうですが、田村さんは、怒って、楽屋に戻ってしまわれたのでした。
あわてて、さんまさんが謝罪し、スタッフがなんとか田村さんを現場に戻すも、田村さんは完全にぴりぴりモード。
しかし、次のシーンが、裁判シーンだったことで、そんな張り詰めた緊張感がちょうど良く、結果的には、リアルな裁判のシーンを撮ることができたのだそうです。
田村さんとさんまさんの2人芝居のような法廷での対決シーンは、緊迫した空気がこちらまで伝わってきて、目が釘付けになりました。
ちなみに、この回は、「古畑任三郎」の中でも最高傑作だと言われており、今でも、根強いファンが多いそうですが、三谷幸喜さんの脚本が素晴らしいのはもちろんのこと、田村さんとさんまさんの、ちょっとぎこちない関係が、より素晴らしい作品へと昇華させたようです♪
モンテカルロテレビ祭で最優秀男優賞受賞
ところで、田村さんは、作家・城山三郎さんが他界された後に見つかった、妻・容子さんとの出会いから別れまでを綴った回想録を原作とする、2009年1月12日放送のドラマ「そうか、もう君はいないのか」で主演を務められると、同年6月11日夜(日本時間では12日早朝)に開催された「第49回モンテカルロ・テレビ祭」のテレビフィルム部門で最優秀男優賞を受賞されています。
「そうか、もう君はいないのか」より。富司純子さんと田村さん
(過去、NHKのテレビドラマからは、同部門の受賞者が出ているそうですが、民法作品の出演者の受賞は、田村さんが初めてだったそうです)
田村さんは、このドラマで、天真爛漫な妻(富司純子さん)を慈しむ夫の役を演じられているのですが、その確かな演技力が高く評価されての受賞ということで、
受賞の知らせを受けた田村さんは、
信じられません。私が参加いたしましたこの作品が東京を遠く離れたモンテカルロの地で皆様方のご高覧を拝しただけでも大変光栄なことでございますのに、このような賞を頂けるなんて・・・。
実は私事ではありますが、この数年、俳優業の難解さと私自身の能力の間で大変悩んでおりました。したがってこのような賞をいただけることが私には全く信じられないことなのです。この度のこの栄えある賞が私のそう長くはない俳優人生においておおいなるエネルギーになってくれることを祈っている次第です。
と、喜びを語っておられました。
https://www.youtube.com/watch?v=MjCV4KHIMSM