「仁義なき戦い」シリーズでは、映画史に残る熱演で強烈な存在感を示した、小林旭(こばやし あきら)さんですが、実は、役作りを本職に教えてもらっていたといいます。今回は、そんな小林さんのヤクザとの関係についてご紹介します。

「小林旭は「仁義なき戦い」で主演を務めるはずだった!」からの続き

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ヤクザの親分とのゴルフコンペに参加していた

小林さんは、2008年、「週刊新潮」(10月9日号)に、暴力団「後藤組」の後藤忠政組長の誕生日を祝うゴルフコンペに参加したことを報じられているのですが、

(小林さんのほか、細川たかしさん、松原のぶえさん、角川博さん、中条きよしさんも参加されていたそうです)

小林さんは、2011年に発売された本「不器用なもんで。」(金子達仁さん著)で、このことについて、激しいバッシングにあい、その一連のバッシングにより、「日本プロゴルフ協会」の名誉会長を辞任させられるほか、コンサートのスポンサーに降りられるなど、6億円近い損害を被ったことを明かされています。


不器用なもんで。

ヤクザの親分との親交をあっけらかんと認める

そして、同年、「週刊SPA!」(12月6日号)のインタビューで、インタビュアーの吉田豪さんがそのことに触れると、

ダメージなんか受けるか、そんなもん!

後藤の親分と一緒にゴルフやって何がいけなかったの? 誰が迷惑したの? ただゴルフしただけだよ。

親分がゴルフ主催して、そこに俺も一緒にして、和気あいあいと仲良くゴルフして、ケラケラ笑って遊んでいただけで、何もそのゴルフ場で刃傷沙汰が起きたわけでもなきゃ。なんでもないよ

と、あっけらかんと語り、

近年施行された暴力団排除条例に話が及ぶと、

昔から日本には興行の世界があって、それがずっと尾を引いているんだから、そういうことを全部なくしちゃって、なんでもかんでも暴排条例だからって法律で縛ってゼロにするって、何でそこまでやらなきゃいけないんだって

今の日本社会は息が詰まるようだ

と、豪快に語っておられます。


「週刊SPA!」(12月6日号)のインタビュー記事より。

本職の人から教わっていた

また、小林さんによると、昔は、賭博のシーンを本職の人に教えてもらったそうで、撮影所に本職の人が普通に出入りしていたほか、本職の人と付き合うのも役づくりの一環と、

「柳川組」の柳川次郎組長から時計をもらったことや、「山口組」の田岡一雄組長と「叔父、甥の契り」をして、「山口組」のカフスをもらい、周りに見せびらかしたこともあったそうで、

(「仁義なき戦い」の撮影では、なんと、警視庁広報課の人が、撮影に使ってくださいと、拳銃を持ってきたこともあったとか)

「仁義なき戦い」の共演者・梅宮辰夫さんも、別のインタビューで、

だいたい「仁義なき戦い」を撮ってる頃、撮影中はいっつもヤクザでいっぱいだったから。で、実録モノってやったでしょ。

だから配役にしても全部、その親戚縁者がいっぱい来て「俺のオヤジをカッコよくやってくれよ」とかさ、いろいろ注文されたりしてね。まあ、でもこっちも役者だから、やっぱりリアルに演じたいからさ

と、本職の人と交流があったことを証言されています。

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現在はマル暴の強化で映画界とヤクザの関係も変化

そんな映画界とヤクザの関係も、時代が進み、1993年、映画「民暴の帝王」では、本当の話を映画にしようとしたところ、警察のマル暴が映画会社に、

銀行取引できないようにするぞ

と、ストーリーを変えるよう、脅してきたそうで、

さすがに、現在は、映画界とヤクザが親交を持っていた昭和の時代とは様相が変わっているようです。

(※マル暴とは、暴力団に関する事案を取り扱う「刑事部捜査第4課」や「警視庁組織犯罪対策部」のことを言うそうです)

「小林旭は「熱き心に」の大ヒットで借金51億円を完済していた!」に続く

「民暴の帝王」より。中央が小林さん。

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