アル・パチーノ(Al Pacino)さんといえば、「ゴッド・ファーザー」のマイケル・コルレオーネ役ですが、実は、製作スタジオのパラマウントが反対する中、フランシス・フォード・コッポラ監督のたっての希望で、起用されたといいます。
「アル・パチーノが若い頃はホームレス同然も劇団で充実していた!」からの続き
「ゴッドファーザー」マイケル・コルレオーネ役で大ブレイク
1968年、初舞台の「The Indian Wants Bronx」で、いきなり、「オビー賞主演男優賞」を受賞すると、1969年には、ブロードウェイの「Does a Tiger Wear a Necktie?」で、「第23回トニー賞助演男優賞」を受賞するなど、メキメキと頭角を表したアル・パチーノさんは、
同年には、「ナタリーの朝」の端役で映画デビューすると、1971年には、映画「哀しみの街かど」で主演。
そして、1972年には、マリオ・プーゾのベストセラー小説を原作とする、フランシス・フォード・コッポラ監督作品「ゴッド・ファーザー」で、「ゴッドファーザー」ことヴィトー・コルレオーネの三男、マイケル・コルレオーネ役に大抜擢されると、
アメリカで絶大な権力を握るコルレオーネファミリーが崩壊の危機に立たされる様子を描いたこの映画は、当時の興行記録を塗り替える大ヒットを記録し、無名に近い俳優だったアルパチーノさんは、たちまち脚光を浴びます。
(同様にテーマ音楽も、誰もが聴けば分かるほど有名になりました)
「ゴッドファーザー」より。
「ゴッドファーザー」出演はコッポラ監督の強い推薦だった
そして、その後も、この作品は、「ゴッドファーザー PART II」(1974)、「ゴッドファーザー PART III」(1990)と、シリーズ化しているのですが、
実は、当初、製作スタジオのパラマウントは、マイケル・コルレオーネ役は、ロバート・レッドフォードさん、ウォーレン・ベイティさん、ジャック・ニコルソンさんなど、当時の有名俳優に演じて欲しいと考えていたというのです。
しかし、舞台「Does a Tiger Wear a Necktie?」でアル・パチーノさんを見たフランシス・フォード・コッポラ監督が、
マイケル・コルレオーネを見つけた
カメラに映るのはアル・パチーノの顔だけだ
と、譲らず、最終的には、プロデューサーのアルバート・S・ラディさんもこれに同意し、二人の強い推薦で、パラマウントも渋々これを認めたのだそうです。
「ゴッドファーザー PART II」(1974)より。
「ゴッドファーザー PART III」(1990)より。
撮影開始後もパラマウントから降板させられそうになっていた
こうして、コッポラ監督により、マイケル・コルレオーネ役に大抜擢されたアル・パチーノさんですが・・・
撮影が始まってからも、パラマウントの幹部たちは、アル・パチーノさんの演技に、看板スターとしての貫禄が欠けていると、反対し続けていたそうで、
(アル・パチーノさんによると、「(演技が)おもしろくない」と言われたそうです)
レストランの射殺シーンが前倒しで撮影されるなど、いつ降板させられてもおかしくない状況だったそうですが、ヴィトー・コルレオーネ(晩年)役のマーロン・ブランドさんの助けにより、なんとか、続投することができたのだそうです。
また、アル・パチーノさんを起用したコッポラ監督自体が、アル・パチーノさんの起用以外にも、マーロン・ブランドさんの起用や、ロケ地、サウンドトラックと、ありとあらゆることで、パラマウントと対立していたことから、撮影のスケジュールが大幅に遅れ、パラマウントから降板させられるギリギリのところまでいっていたそうです。
「アル・パチーノは「セント・オブ・ウーマン」でアカデミー賞を受賞!」に続く
「ゴッドファーザー」より。アル・パチーノさん(左)とマーロン・ブランドさん(右)。