自分のやりたいことに挑戦するため、2003年7月には、伯父(父の兄)の三代目市川猿之助(現・二代目市川猿翁)さんが率いる「猿之助一座(澤瀉屋)」を脱退した、四代目市川猿之助(よんだいめ いちかわ えんのすけ)さんですが、三代目市川猿之助さんが脳梗塞で倒れて、血縁で”猿之助”を継ぐものがおらず、「猿之助一座(澤瀉屋)」に呼び戻され、「四代目猿之助」を襲名すると、古典歌舞伎のほか、新しい歌舞伎も模索し、2015年には、演出とプロデュースも手掛けたスーパー歌舞伎II「ワンピース」を大ヒットさせます。

「市川猿之助(4代目)が「猿之助一座」を脱退した理由とは?」からの続き

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四代目市川猿之助を襲名

猿之助さんは、偉大な伯父(父の兄)・三代目市川猿之助(現・二代目市川猿翁)さんのもとを離れ、自分のやりたいことに挑戦したいと考え、「猿之助一座(澤瀉屋)」を、お父さんの四代目市川段四郎さんと共に脱退し、三谷幸喜さん演出の舞台「決闘!高田馬場」(2006)や蜷川幸雄さん演出の歌舞伎「NINAGAWA 十二夜」(2007)など、新しい分野の芝居に挑み、2007年には、NHK大河ドラマ「風林火山」で武田信玄役、2009年には、Team申の舞台『狭き門より入れ』で現代劇に初出演していたのですが、

2011年、「澤瀉屋」に呼び戻されると、6月、7月、新橋演舞場「義経千本桜」の「川連法眼館の場」で「忠信実は源九郎狐」役、「ヤマトタケル」の「ヤマトタケル」などの役で、四代目市川猿之助を襲名しています。

四代目市川猿之助襲名は三代目市川猿之助の長男・香川照之が歌舞伎の経験がなかったため

実は、2003年に三代目市川猿之助さんが病に倒れているのですが、それをきっかけに、次の「猿之助」探しが始まっていたそうで、三代目市川猿之助さんの長男・香川照之さんは歌舞伎の経験がなかったため、名跡を血縁者が継ぐとなれば、実力が伴っている猿之助さんしかいなかったのだそうです。

演出とプロデュースも手掛けたスーパー歌舞伎II「ワンピース」が大ヒット

さておき、猿之助さんは、その期待に応えようと、「猿翁十種(えんおう じっしゅ)」の「黒塚」など、伯父・三代目市川猿之助さんの当たり役に次々と挑戦するほか、新しい歌舞伎も模索し始め、

伯父・三代目市川猿之助さんさんとは異なる新風を歌舞伎界に吹き込もうと、2014年3月には、「スーパー歌舞伎II(セカンド)」第1作目として「空ヲ刻ム者」を制作し、上演すると、

翌2015年には、尾田栄一郎さんの大人気コミックを原作とする「ワンピース」の歌舞伎化も実現させ、主人公のルフィ役で出演すると、これが大ヒットとなります。


スーパー歌舞伎II「ワンピース」でルフィに扮する猿之助さん。

(「ワンピース」は「スーパー歌舞伎II(セカンド)」の第2作目として制作され、ルフィたちが航海の途中で立ち寄ったシャボンティ諸島での出会いや闘いを描いています(「頂上決戦編」))

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「スーパー歌舞伎」は伯父の三代目市川猿之助によって始められたエンターテインメント性に富む現代的な歌舞伎

ちなみに、「スーパー歌舞伎」は、1986年、三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)さんが、古典芸能化した歌舞伎とは異なり、現代的な舞台機構や音楽を演出に取り入れるなど、全く新たなアイディアを加えて創り上げ、エンターテインメント性を追求した新形態の歌舞伎なのですが(第1作目は「ヤマトタケル」)、「スーパー歌舞伎II(セカンド)」は、その「スーパー歌舞伎」をさらに進化させたものだそうです。

(三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)さんは、スーパー歌舞伎以前から、宙乗りや派手な立ち回りなどエンターテイメント要素の強い「猿之助歌舞伎」を得意としていました)

「市川猿之助(4代目)は昇降装置に左袖が巻き込まれ大怪我をしていた!」に続く

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