中日監督就任1年目の春季キャンプでは、選手たちに6勤1休で朝早くから晩まで徹底的に練習させたという、落合博満(おちあい ひろみつ)さんは、コーチ陣にも、誰か一人でも選手が残っていれば必ず一緒に残るように言っていたそうですが、選手たちへの指導は禁じ、「見張り番」がコーチの仕事だったといいます。
「落合博満は中日監督就任後キャンプで選手を徹底的に練習させていた!」からの続き
コーチ陣の仕事は選手を指導することではなく、練習を見張ることだと考えていた
中日監督就任1年目、現有戦力で優勝するため、各選手の能力を10%底上げさせようと、春季キャンプでは、ハードスケジュールを選手たちに課していたという落合さんですが、一方、コーチ陣には、選手には指導するなと言っていたそうです。
つまり、コーチの仕事は、指導することではなく、ちゃんと選手たちがローテーションを回ってるか、グラウンドに来て練習してるかどうかを見張る、いわば「見張り番」のようなものだと考えていたのだそうです。
(落合さん自身も、細かい指導はしなかったそうです)
コーチ陣には選手が一人でも残って練習していたら一緒に残らせていた
そして、コーチ陣には、選手たちにつきっきりでいるように言い、選手が一人でも残って練習をしていたら、必ず、コーチも残らせたのだそうです。
というのも、落合さんが評論家時代、「この選手ちょっと見てやってくれよ」と言われたため、見ていると、なんと、その人は、「オレじゃあ先に帰るからな」と言って帰ってしまったそうで、
なんで帰るんだよ、最後までいりゃいいじゃねえか
なんか事故でもあったら誰が責任取るんだよ
自分の担当の選手だったら練習終わるまで付き合っとけよ
と、思ったことがあったそうで、
この出来事が落合さんの反面教師になったのだそうです。
ローテーションでの練習メニューは必ずできるようになるまでやるように言っていた
また、選手たちはローテーションで回っていくことから、ほとんど休憩がなく、必ずどこかでずっと練習をしている状態だったそうですが、
ローテーションは必ず時間を区切るようにし、できていればその時間でやめてもよく、できていなければ(次のローテーションがあるからとそこで切り上げたりせず)時間を伸ばしてでも、できるようになるまでやるように、とだけ言っていたのだそうです。
(選手たちは、適当に手を抜いていたそうですが、決められた時間で全部目一杯やるというのは無理なメニューだったことから、選手たちが手を抜くことを想定に入れてメニューを組んでいたのだそうです)
過酷な春季キャンプでの練習はうまくなるためには当たり前のことと考えていた
ちなみに、落合さんにとって、この過酷な春季キャンプでの練習は、うまくなるため、選手生命を伸ばすためには、当たり前のことだったそうで、
(コーチも大変だったが)コーチだって仕事だよ!仕事に大変っていうのはつきものじゃない。楽して勝とうなんて思ったら大間違いだよ
(選手はシーズン中も休みなしで月曜日も練習していたそうで)「6勤」で「練習時間が朝から夜まで」この積み重ねで勝ってきたようなもんだから
特別なことをやらせたわけではない。うまくなりたいんだろって。レギュラー獲りたいんだろって。だからやるしかないだろって。だから時間を与えた。あとやるやらないは本人の勝手。
と、語っています。
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