2012年10月10日に野球日本代表(侍ジャパン)の監督に就任した、山本浩二(やまもと こうじ)さんは、第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、第1ラウンドを2勝1敗で2位通過すると、第2ラウンドも3戦全勝で1位通過し、決勝ラウンドに進出するも、準決勝では、惜しくもプエルトリコに敗れ、オランダと並びベスト4に終わっているのですが、この試合の敗因と考えられた、重盗(Wスチール)失敗の責任を全て一人で背負い込んでいます。
「山本浩二はWBC第2Rで奇跡の逆転勝ちをしていた!」からの続き
山本浩二はWBCでは準決勝のプエルトリコ戦に敗退しベスト4に終わっていた
山本さん率いる日本代表(侍ジャパン)は、
第1ラウンドを、
第1戦(ブラジル戦)は5対3で勝利
第2戦(中国戦)は5対2で勝利
第3戦(キューバ戦)は3対6で敗北
と、2勝1敗で2位通過すると、
第2ラウンドは、
第1戦(チャイニーズ・タイペイ(台湾)戦)は4対3で勝利
第2戦(オランダ戦)は16対4で勝利
第3戦(オランダ戦)は10対6で勝利
と、3戦全勝で1位通過するのですが、
決勝ラウンドの、プエルトリコ戦(準決勝)では、
1対3で敗北してしまい、オランダと並びベスト4に終わっています。
(優勝はドミニカ共和国、準優勝はプエルトリコ)
第3回WBCでベスト4に終わりグラウンドで挨拶する選手達。
山本浩二はWBC準決勝のプエルトリコ戦では走塁ミスが原因で敗退していた?
ちなみに、決勝ラウンド(準決勝)のプエルトリコ戦では、先発の前田健太投手が、序盤、制球に苦しみ、最初の3人の打者のうち2人に四球を与えると、アビールズ選手に適時打を浴びて先制点を挙げられてしまうも、
4回までには落ち着き、その後は、直球にカーブ、スライダーを織り交ぜた安定した投球で、プエルトリコ打線を6回1失点に抑えます。(1対0)
しかし、7回から登板した能見篤史投手が、アレックス・リオス選手に2点本塁打を浴び、3対0とリードを広げられます。
それでも、8回裏には、一死の場面で鳥谷敬選手が三塁打を放ち、次打者・井端弘和選手の適時打で1点を返すと(3対1)、続く内川聖一選手も安打を放ち、一死一二塁と、同点に追いつく絶好のチャンス。
ここで、阿部慎之助選手が打席に入るのですが、阿部選手の2球目の直後、二塁走者の井端選手がスタートを切ろうとするも帰塁したのに対し、一塁走者の内川聖一選手はスタートを切って二塁手前まで進んだことから、挟殺プレーでアウトとなってしまうと、
阿部選手もゴロに倒れ、日本は3対1で敗れてしまったのでした。
挟殺プレーでアウトとなり肩を落とす内川聖一選手。
(内川選手は試合後、「僕がすべてを壊してしまった……」と涙しています)
山本浩二のWBC準決勝プエルトリコ戦後のコメント
この、惜しくもあり、悔しい敗戦に、世間では様々な声が飛び交ったのですが、
山本さんは、試合後のインタビューで、8回裏の重盗失敗について、
ダブルスチールを狙った。井端のスタートが少し遅れた。打席に阿部がいて、一つでも前の塁を狙うのは正しい狙い。悔いはない
内川が盗塁失敗しましたが、これは予め打ち合わせていた通りに走っただけです。盗塁できるかどうかはピッチャーのモーションからキャッチャーにボールが届くのに1.4秒以内かどうかなんです。
ところが、この時にピッチャーは1.8秒くらい。そこでこのピッチャーが出てきたらグリーンライトなのです。でも2塁の井端が一瞬躊躇した。内川は自分がアウトにならないように懸命に走っていただけなんです。
ひとつでも前の塁に行くという作戦でした。失敗しましたけど、悔いはありません。選手たちはよくやってくれました
と、語り、タッチアウトとなった内川選手をかばい、全責任を背負っています。
また、内野守備走塁コーチを務めた高代延博さんは、自著「WBC 侍ジャパンの死角」で、
グリーンライトのサインが出ていたとはいえ、行かせると山本さんに念を押したのは自分だった
(山本さんは)スタッフの責任も選手のミスも、そのすべてを背負い込んでくれた
と、綴っています。
「山本浩二の妻との馴れ初めは?練習を手伝ってもらっていた!」に続く
第3回WBC準決勝でプエルトリコに敗れた後インタビューを受ける山本浩二監督。