1970年代、1980年代、1990年代、2000年代と、長年に渡って歌謡界をリードし続け、常に時代の最先端の要素を取り入れて作曲を手掛けてきた、筒美京平(つつみ きょうへい)さん。
そんな筒美京平さんは、歌謡曲だけではなく、国民的テレビアニメ「サザエさん」のオープニング曲とエンディング曲ほか、数多くのアニメソングも手掛け、ヒットさせています。
今回は、筒美京平さんが手掛けたアニメソングを時系列でご紹介しつつ、サザエさんのエンディング曲の元ネタについてもご紹介します。
「筒美京平と橋本淳の出会いは?ブルーライトヨコハマほか共作は550曲!」からの続き
筒美京平は「パーマン」の挿入歌「パーマン2号はウキャキャのキャ」で本格的にアニメソングデビューしていた
筒美京平さんは、1968年、藤子・F・不二雄さん原作の「パーマン」の挿入歌「パーマン2号はウキャキャのキャ」で、本格的にアニメソングでデビューすると、
同年、藤子不二雄Aさんの作品「怪物くん」の主題歌と副主題歌も担当しているのですが、どちらもまだ白黒で初のアニメ化だったといいます。
筒美京平はテレビアニメ「サザエさん」のオープニングとエンディングの作曲・編曲をしていた
そんな筒美京平さんは、1969年には、テレビアニメ「サザエさん」のオープニング曲とエンディング曲を作曲・編曲しているのですが、
筒美京平さんは、オープニングの「お魚くわえたドラ猫」から「陽気なサザエさん」までを歌メロで何回か繰り返して終わりにすると、聴いている人が飽きてしまうと考え、間奏に違うメロディーと違う楽器を入れて編曲したそうで、
結果、間奏の部分に「みんなが笑ってる~」という歌詞がついたのだそうです。
筒美京平が作曲した「サザエさん」のエンディング曲には元ネタがあった
ちなみに、「サザエさん」のエンディングは、「1910フルーツガム・カンパニー」というアメリカのグループの「Bubblegum World」という曲が元ネタになっているといいます。
(「1910フルーツガム・カンパニー」は、1960年代後半に「サイモン・セッズ」「「ワン・ツー・スリー・レッド・ライト」「インディアン・ギバー」などのヒット曲を連発したバンドで、「Bubblegum World」は、ファーストアルバム「Simon Says」に収録されています)
筒美京平は「重戦機エルガイム」の後期主題歌「風のノー・リプライ」を作曲していた
そんな筒美京平さんは、1984年には、「重戦機エルガイム」の後期主題歌「風のノー・リプライ」も作曲しているのですが、このことがきっかけとなり、アニメソングに大きな変革をもたらしたと言われています。
「風のノー・リプライ」
(「重戦機エルガイム」は「機動戦士ガンダム」(1979年)で知られる富野由悠季監督作品)
というのも、それまでの巨大ロボットアニメのアニメソング(主題歌・副主題歌)は、必殺技、武器名、主人公の心情などを歌ったものが一般的だったのですが、
「重戦機エルガイム」以降は、普通のポップスやアイドル歌謡と変わらない楽曲が数多く作られるようになったのだそうです。
筒美京平は「戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー」「機甲戦記ドラグナー」「アイドル伝説えり子」「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」「はれときどきぶた」も作曲していた
筒美京平さんは、その後も、
- 1985年には、「戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー」
- 1987年には、「機甲戦記ドラグナー」
- 1989年には、「アイドル伝説えり子」
- 1992年には、「ちびまる子ちゃん」の映画版「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」
- 1998年には、「はれときどきぶた」
の主題歌なども担当しています。
筒美京平は人気声優の竹達彩奈、飯田里穂らにも楽曲を提供していた
そんな筒美京平さんは、2000年代に入ってからも、
- 2014年「デンキ街の本屋さん」の主題歌「齧りかけの林檎」(歌唱・竹達彩奈さん)
- 2016年「デジモンユニバース アプリモンスターズ」の副主題歌「青い炎シンドローム」(歌唱・飯田里穂さん)
など、人気声優の竹達彩奈さんや飯田里穂さんらにも積極的に曲を提供しています。
「筒美京平が松田聖子と中森明菜に曲を提供しなかった理由とは?」に続く