はっきりした性格が災いし、なかなかいい作品に恵まれなかった、水野久美(みずの くみ)さんですが、「マタンゴ」「怪獣大戦争」「フランケンシュタイン対地底怪獣」「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」など、特撮作品でヒロインを演じられると、その妖艶な魅力でたちまち男性たちのマドンナ的存在に。そんな水野さんの美し過ぎたが故のエピソードについて調べてみました。
「水野久美の女優デビューは?生いたちは?若い頃の出演作品は?」からの続き
「マタンゴ」の妖艶な魅力で人気に
身から出たサビとはいえ、作品に恵まれなかった水野さんは、1963年には、東宝を退社してフリーとなられているのですが、その後も、東宝作品には出演され、
特に、
1963年「マタンゴ」
1965年「怪獣大戦争」
「フランケンシュタイン対地底怪獣」
1966年「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」
「怪獣大戦争」より。水野さん(左)と沢井桂子さん。
など、多くの「特撮」作品に出演。
実は、当時の東宝は、大きく分けて、文芸路線と特撮路線の2つの作品に分かれていたのですが、特撮作品は評価が低く、文芸路線よりも下に見られていたそうで、
当初、水野さんは、特撮作品に出演することをためらっていたそうですが、「マタンゴ」の撮影中、共演者で先輩の太刀川寛さんに、
どっちの芝居も同じだ
と言われて、意識しなくなったのだそうです。
そして、この「マタンゴ」のストーリーは、男女7人が漂流先の島できのこを食べて、きのこ人間「マタンゴ」になってしまうという怪奇ホラーなのですが、マタンゴを食べた男性が、次々に不気味な姿へと変貌していく中、女性の場合は美しくなるという演出だったそうで、
最後に禁断のキノコを食べた水野さんが、
おいしいわよ
と言いながら見せた恍惚の表情は、世の多くの男性を魅了したのでした。
「マタンゴ」より。
「X星人」役でハリウッド俳優ニック・アダムスも虜に
ちなみに、水野さんの虜(とりこ)になったのは、観客の男性たちだけではなかったようで、
水野さんが、宇宙人「X星人」こと波川玲子役を演じられた、映画「怪獣大戦争」では、地球人科学者グレンと恋に落ち、自分の使命に戸惑うという設定だったのですが、
この地球人科学者グレンを演じたハリウッド俳優のニック・アダムスさんが、水野さんとのキスシーンで、いきなり水野さんの虜になってしまい、妻子を伴ってきたにもかかわらず、なんと、水野さんに猛アプローチ。
当時、結婚を控えていた水野さんは、アダムスさんの猛アプローチを断り続けたそうですが、それでも、アダムスさんの猛アプローチはしばらく続いたのだとか。
「怪獣大戦争」より。水野さんとニック・アダムスさん。
美しすぎるのも困ったもの・・・と水野さんが思ったかどうは分かりませんが、そうな風に思ってみたいものです♪
特撮のヒロインとして
そして、あのハリウッドスター、ブラット・ピットさんも、アカデミー賞授賞式で
水野久美の出ている特撮映画が大好きだ
と、言われていたほか、
「ゴジラ」「ガメラ」シリーズを手がけられた映画監督の大森一樹さん、金子修介さん、手塚昌明さんたちも、そろって、
初恋は水野久美さん
と、公言されているほど、水野さんは、当時の少年たちのマドンナ的存在だったようで、
水野さんは、そのことについて、
あれから何十年もたっているのにビックリですよね。若いころに特撮ものをやって良かった。今だに皆さんの心に残っているんだから、わたしは本当に幸せですよ
と、喜びを語っておられました。
「ゴジラVSメカゴジラ」では息子と共演
そんな水野さんは、60代になっても、2002年には、「ゴジラVSメカゴジラ」でゴジラに再び襲われた日本の総理大臣役、2004年には、「ゴジラ FINAL WARS」で地球防衛軍の司令官・波川玲子役で出演されており、やはり、特撮作品に愛着があるようです。
「ゴジラVSメカゴジラ」より。
「ゴジラ FINAL WARS」より。
ちなみに、「ゴジラVSメカゴジラ」では、息子の水野純一さんと親子共演も果たされているのですが、純一さんは、特撮作品に出演できたことを、とても喜んでいたそうです♪
呼吸困難?
こうして、様々な特撮作品に出演してこられた水野さんですが、
1966年の「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」では、南海のインファント島の娘、ダヨ役を演じられるにあたり、原住民に見せるため、全身に黒いファンデーションを塗っていたそうですが、
当時のファンデーションは品質が悪く、1時間もすると、呼吸困難になってしまったのだとか。
「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」より。
ちょっと今では、お笑い芸人さんでなければ考えられないことですが、この当時は、女優さんも、当たり前のように体を張っておられたのですね。
さて、いかがでしたでしょうか。
水野さんの、
- 父親が酒乱で女たらし
- 「ミス・ジュニアそれいゆ」でグランプリ
- 松竹映画「気違い部落」でデビューするも・・・
- 若い頃の出演作品(映画)
- 「マタンゴ」の妖艶な魅力で人気
- 「X星人」役でハリウッド俳優ニック・アダムスを虜に
- 特撮のヒロインとして
- 呼吸困難?
- 「ゴジラVSメカゴジラ」では息子と共演
について、まとめてみました。
1960年代にはまだ、社会的に評価されていなかった特撮作品に活路を見出し、見事、その才能と魅力を開花された水野さん。
海外からは今もなお、ファンレターが届くそうで、水野さんは、文字通り「永遠の特撮ヒロイン」ですね。
「水野久美の元夫は山本學!再婚は略奪婚?現在は息子と同居!」に続く
この表情・・・男の人を夢中にさせるはずですね。