コメディアン、俳優、映画監督、ミュージシャンと、多方面で活動し、徐々にその才能が認められていった、竹中直人(たけなか なおと)さんですが、1991年、NHK大河ドラマ「秀吉」で主演の豊臣秀吉役に抜擢されると、ついに大ブレイクします。
「竹中直人は初監督映画「無能の人」でいきなり脚光を浴びていた!」からの続き
NHK大河ドラマ「秀吉」の豊臣秀吉役で大ブレイク
1991年には、初監督作品「無能の人」で、「ベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞」「ブルーリボン賞主演男優賞」「第6回高崎映画祭若手監督グランプリ」を受賞するなど、映画監督としても俳優としても、一躍、脚光を浴びた竹中さんは、1996年には、NHK大河ドラマ「秀吉」で主演の豊臣秀吉役に抜擢。
すると、ドラマは、当初の予想を遥かに上回る、平均視聴率30.5%、最高視聴率37.4%の高視聴率を記録する大ヒットとなり、竹中さんも、一躍、お茶の間の人気者となります。
(歴代の大河ドラマの中でも上位の高視聴率)
「秀吉」より。
NHK大河ドラマ「秀吉」の豊臣秀吉役は突然の抜擢だった
ただ、当時、竹中さんは、モノマネタレントや映画の助演では知られるものの、まだ、メインを張る俳優ではなかったことから、いきなりの、NHK大河ドラマ主演は世間を驚かせているのですが、
竹中さんは、
えっ?! 天下のNHKが 大河ドラマの主役に俺ごときを?・・・ あり得ねぇだろ?と思いました。そして直感的に思ったのはボロボロの汚らしい男をハイテンションでやりてぇ!でした。
ぼくにとってのヒーローは、堕ちてこそヒーローだという思いがあったし、頂点に達したあとは堕ちてゆく、それこそがドラマだと思いましたから。
ある程度認められて、でもこのままでいいのかな?と思っている時期だった。俳優としてどっぷりと1年間(役を)やってみたいけれど、それなら大河ドラマかな・・・と思っていたときだった。本当に驚きましたね。当時はテンションが高く、一気に駆け抜けた
と、驚きつつも、抜群のタイミングでオファーが来たことを明かしています。
また、この「秀吉」では、なんと、竹中さんの”大事なモノ”が放送され、大きな話題となったのですが、
思い出はたくさんあるのでキリがありませんが、しいて言うなら僕の“いちもつ”がふんどし脇からポロッと出た事です。
ナイトシーンのロングショットだったのですが、モニターをみんなでチェックしたとき、“あっ! ふんどし脇から出てる!”となりました。でも誰もそんなとこまで見てないだろう・・・という判断だったのです。が・・・見る人は見ていたんですね
と、気づいていながら放送されたことも明かしています。
「秀吉」より。(左から)沢口靖子さん、竹中さん、高嶋政伸さん。
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」でも豊臣秀吉役を演じる
そんな竹中さんは、その後も、テレビドラマ「敵は本能寺にあり」(2007)、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014)ほか、パチスロ機「竹中直人のパチスロ太閤記」((2006)秀吉の声を担当)、ゲーム「仁王2」(2020年発売・声優として、木下藤吉郎(豊臣秀吉の前名)役)と、度々、秀吉を演じ、「秀吉=竹中さん」の図式ができるほど、秀吉がハマり役となっているのですが、
特に、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で、再び秀吉役をオファーされた際の心境を、
うれしいような不思議な感じ。また僕が秀吉でいいですか?って。いつもオファーがあると『俺でいいの?』と思うんですけどね
と、明かしています。
ただ、一方で、「竹中の秀吉は見飽きた」と、一部報道されたこともあったそうで、
そう思う人もいるんだな・・・。スタッフも違うので、違うものにならざるをえない。いつもまっさらな状態でやっているので
と、語っています。
「軍師官兵衛」では「秀吉」では伏せられた豊臣秀吉の後半生が描かれていた
ちなみに、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」では、「秀吉」では描かれなかった秀吉の後半生が描かれているのですが、「秀吉」で後半生が描かれなかったのは、あえてそうしていたとのことで、
竹中さんは、
心残りはありません。当時(NHK大河ドラマ「秀吉」)はとにかくテンション高く、ボロボロになって一気に駆け抜けようと監督たちと話し合い、晩年の話については、そこまで描く必要はないということになりました。
今回(「軍師官兵衛」)は伏せられている秀吉の残酷さ、「怖い秀吉」を演じられるのが楽しみですね。秀吉にはゆるぎない歴史がドーンとあります。脚本家や演出家や共演者が、どう今回は捉えてゆくのかによって、役は変わってゆくと思います。
今回も、その違いは感じますね。例えば序盤で、女の人を触りまくる、ちょっとエッチな秀吉も出てきます(笑)。それもある意味、見所のひとつですね。
と、語っており、竹中さんの引き出しの多さが伺えます。
「軍師官兵衛」で怖い秀吉を演じる竹中さん。