お父さんが、戦前・戦後に活躍した二枚目スターの上原謙さんという、加山雄三(かやま ゆうぞう)さんですが、母方もまた、そうそうたる人物が勢揃いしていたようです。今回は、そんな加山さんのお母さんとその親族をご紹介します。
「加山雄三の父親は二枚目俳優の上原謙!」からの続き
母親・小桜葉子の曽祖父は岩倉具視
加山さんのお母さんは小桜葉子名義で女優として活動されていたのですが、本名は岩倉具子で、
なんと、ひいおじいさんは、あの、明治の元勲「岩倉具視(いわくら ともみ)」公なのだそうです。
500円紙幣にもなった岩倉具視公。
母親・小桜葉子は由緒ある家系の出身
それでは、ここで、そんな加山さんのお母さんの実家のお歴々をご紹介しましょう。
まず、小桜さんの曽祖父である、岩倉具視公の次男(第三子)の岩倉具定(いわくら ともさだ)氏も政治家で、第4代宮内大臣、貴族院議員、
岩倉具定氏。
弟(加山さんの伯父)の岩倉具憲氏は、「パシフィックホテル」の社長、
叔母は、旧皇族の東伏見宮依仁親王妃周子(ひがしふしみのみやよりひとしんのうひ かねこ)殿下、
東伏見宮依仁親王妃周子殿下。
お母さん(加山さんの祖母)は、「松竹」の大部屋女優で、「青木しのぶ」名義で活動された、江間光子さん、
祖父(加山さんの曽祖父)の江間俊一さんは、弁護士で政治家、「江間式心身鍛練法」の開発者、
江間俊一さん
ひとつ下の妹・昌子さんは、「小桜昌子」名義で「松竹」の女優として活動、
その昌子さんの夫・三原純さんも俳優(のちの青山五郎さん)、
別の妹さんの子どもは、「ザ・ランチャーズ」の元メンバーの喜多嶋修さん(現在は音楽プロデューサー)と喜多嶋瑛さん、
その喜多嶋修さんの娘(小桜さんの大姪)は、元女優の喜多嶋舞さんです。
(ちなみに、加山さん自身は、岩倉家とは交流がないそうです)
母親・小桜葉子は子役で人気
さて、岩倉公の次男(第三子)である岩倉具定(いわくら ともさだ)氏の、五男・岩倉具顕(いわくら ともあき)氏が、衆議院議員の娘・江間光子さんと結婚し、1918年に小桜さんが誕生しているのですが、
その後、岩倉具顕氏と江間さんが離婚し、小桜さんはお母さんの江間さんに引き取られると、生活は困窮を極めたそうで、小桜さんは、生活費を稼ぐため、1926年、「松竹蒲田」に入られると、子役として人気を博したそうです。
子役時代の小桜葉子さん。
しかし、10代半ばになると、人気が急落し、仕事が激減。そのため、お母さんの江間光子さんも脇役として映画界で活動することとなったそうですが、
そんな中、小桜さんは、上原謙さんと出会って結婚し、映画界を引退されたのだそうです。
(1952年、映画「お茶漬の味」にも「上原葉子」名義で特別出演されています)
母親・小桜葉子は美容体操家としても活動
そんな小桜さんは、戦後、太り始めたご主人(上原謙さん)の体型矯正のため、体操と食事療法を学ばれたそうですが、さらに、独自の工夫を加えた「小桜式プッシュ体操」を考案し、美容体操家として活動されると、
(お昼のワイドショー「アフタヌーンショー」にも出演されていたそうです)
「小桜葉子整美体操教室」を経営されるほか、著書「よりすこやかに」「ふとる体操・やせる体操」なども出版するなど、精力的に活動されていたのですが、1970年、52歳という若さで他界されています。
「加山雄三は幼少期から才能も環境も抜群に恵まれていた!」に続く
加山さんとお母さんの小桜葉子さん。