「日活」入社直後は、大部屋で先輩のイジメに耐えていた、小林旭(こばやし あきら)さんですが、俳優業の方は順調にキャリアを積み、「日活」のスター俳優・石原裕次郎さんや浅丘ルリ子さんと共演し、注目を集めるようになります。
「小林旭は昔「大部屋」時代に凄まじいイジメを受けていた!」からの続き
石原裕次郎や浅丘ルリ子と共演して人気を博す
1956年、18歳の時、「日活第3期ニューフェイス」として、「日活」に入社された小林さんは、同年、川島雄三監督(「日活第3期ニューフェイス」の試験官だったそうです)の「飢える魂」で本格的に映画デビューすると、
「飢える魂」より。加藤勢津子さんと小林さん。
その後も、
「川上哲治物語・背番号16」(1957)
「孤獨の人」(1957)
「今日のいのち」(1957)
「殺したのは誰だ」(1957)
「殺したのは誰だ」より。右端が小林さん。
「幕末太陽傳」(1957)
「青春の冒険」(1957)
「高校四年」(1957)
「幕末太陽傳」より。(左から)二谷英明さん、石原裕次郎さん、小林さん。
「九人の死刑囚」(1957)
「白い悪魔」(1958)
「夜霧の第二国道」(1958)
「九人の死刑囚」より。中央が小林さん。
と、立て続けに映画に出演し、
1958年には、映画「錆びたナイフ」で、「日活」のスター俳優だった石原裕次郎さんとの共演で、悪徳ボスに追われながら逆襲に転じてボスと黒幕を滅ぼす男の役を演じて好評を得ると、
「錆びたナイフ」より。小林さんと白木マリさん。
浅丘ルリ子さんと共演した純愛メロドラマ「絶唱」では、一転、浅丘さんを相手に瑞々(みずみず)しい演技を披露し人気を博します。
「絶唱」より。浅丘ルリ子さんと小林さん。
「南国土佐を後にして」が大ヒット
そして、その後も、
「完全な遊戯」(1958)
「嵐を呼ぶ友情」(1959)
「女を忘れろ」(1959)
「完全な遊戯」より。小林さん(左)と葉山良二さん(右)。
「群集の中の太陽」(1959)
「俺は挑戦する」(1959)
「二連銃の鉄」(1959)
「群集の中の太陽」より。小林さんと浅丘ルリ子さん。
「東京の孤独」(1959)
「若い豹のむれ」(1959)
「爆薬に火をつけろ」(1959)
「爆薬に火をつけろ」より。中央が小林さん。左端は岡田眞澄さん。
など、立て続けに映画に出演すると、
1959年、ヤクザから足を洗おうともがく若いヤクザ役を演じたアクション映画「南国土佐を後にして」の大ヒットで一躍脚光を浴び、これまで文芸作品が中心だった「日活」で、次第に頭角を現していったのでした。
ダイスを振って縦一列に並べるシーンは2度目で成功
ちなみに、この「南国土佐を後にして」の撮影では、主人公・原田謙司が博打(ばくち)でダイスを振って縦一列に並べるシーンがあるのですが、その撮影には、何度も失敗するだろうと、あらかじめ、長巻のフィルムが用意されていたそうですが、
なんと、小林さんは、二度目にして成功されたそうで、共演者の西村晃さんは、驚きのあまり、しばらく言葉が出なかったそうです。
「小林旭は「ギターを持った渡り鳥」で本物の拳銃を使っていた!」に続く
「南国土佐を後にして」より。浅丘ルリ子さんと小林さん。