近年はいぶし銀のような味わい深い演技で名脇役として活躍されていた、夏八木勲(なつやぎ いさお)さんですが、2012年、体調不良から検査を受けられると、まさかの病気が判明します。
「夏八木勲の妻との馴れ初めは?娘は?」からの続き
膵臓ガンに発覚も手術せず化学療法で仕事を続けていた
公私共に順調だった夏八木さんですが、2012年頃から体調が思わしくなくなり、同年11月上旬、検査を受けると、「膵臓(すいぞう)ガン」が判明。
ただ、医師と相談のうえ、手術はせずに化学療法(抗がん剤)での治療を選択すると、ご家族や親友の千葉真一さんをのぞき、周囲には病気のことを伏せて活動を続け、仕事のペースを緩めることはなかったそうです。
(千葉さんによると、「膵臓ガン」発覚後しばらくは、ご家族にも黙っておられたとのこと)
死因は膵臓ガン
そんな中、2012年10月公開の主演映画「希望の国」では、「最優秀主演男優」を受賞。2013年3月24日、群馬県高崎市で開かれた、「高崎映画祭」の授賞式ではうれしそうな笑顔を見せておられたのですが・・・
「高崎映画祭」授賞式より。(左から)三宅唱監督、満島真之介さん、高梨臨さん、窪田正孝さん、溝端淳平さん、安藤玉恵さん、夏八木さん、田畑智子さん、松たか子さん、西川美和監督、井筒和幸監督。
5月2日、都内で行われた「日本映画批評家大賞」の授賞式では、「ゴールデン・グローリー賞」(日本映画の発展に貢献した俳優に贈られる賞)を受賞するも、風邪を理由に欠席されると、
妻のまり子さんが、
過分な賞をいただきました。好きなことを好きなようにやってきた賞で・・・。恐縮でございます。
と、代理で出席し、夏八木さんのメッセージを代読。
(前列左から)奥さんのまり子さん、林与一さん、石濱朗さん、久保明さん、松原智恵子さん、小林旭さん。
そして、2013年5月9日には、突然、体調が悪化。
腹部に強い痛みを訴え、一旦、入院されるも、5月11日、本人の意志で自宅に戻られると、まり子さんと2人の娘さんに見守られながら、眠るように息を引き取られたのでした。
自宅がある鎌倉ではボランティア活動
ところで、そんな夏八木さんは、生前、地元・鎌倉の「チームサムライ」という市民団体の、「名誉世話人」として地元のまちづくりにも関わっていたそうです。
「チームサムライ」は、防犯ボランティア団体「鎌倉ガーディアンズ」の大津定博さんらが中心となって2011年に発足されたそうですが、
夏八木さんは、2012年、たまたま、メンバー募集のチラシを見て、
30年以上住んで子どもや家族を育ててもらった鎌倉に恩返しがしたい
と、自ら大津さんのもとに電話をかけて、活動に参加されたそうで、
撮影で全国を飛び回っていたため、活動に参加できないことも多かったそうですが、その都度、大津さんに不参加を詫びるファックスや電話をされていたそうです。
そして、ガンが判明した後も、ご当地ナンバーの推進運動に参加されるほか、映画「希望の国」の撮影中には、鎌倉から撮影地の埼玉県深谷市まで、2時間以上かけて電車通勤されていたそうで、夏八木さんが、いかに鎌倉という地を愛していたかが伺えます。
遺作は映画「ソ満国境 15歳の夏」
また、千葉真一さんによると、治療をしながら仕事を続けられていた夏八木さんは、とても苦しそうだったそうですが、
そんな中でも、2012年10月期の連続ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」にレギュラー出演されるほか、亡くなった年の2013年には、なんと、出演映画が6作も公開と、執念とも言えるほどの俳優魂を見せつけられたのでした(遺作は「ソ満国境 15歳の夏」)。
さて、いかがでしたでしょうか。
夏八木さんの、
- 年齢は?出身は?身長は?本名は?旧芸名は?
- 外交官を目指していた
- 「文学座」養成所~「俳優座」養成所
- 「骨までしゃぶる」で映画デビュー
- 「東映」を退社
- 「戦国自衛隊」では千葉真一に劣らぬ筋肉
- 「ジャパンアクションクラブ(JAC)」で千葉真一と共に汗を流していた
- 出演作品(映画)
- 出演作品(テレビドラマ)
- 声優としても
- 受賞歴
- 妻はイギリス人のハーフ
- カウンター越しに口説き落としていた
- 徹底して公私を切り離していた
- 娘は?息子は?
- 膵臓ガンに発覚も手術せず化学療法で仕事を続けていた
- 死因は膵臓ガン
- 自宅がある鎌倉ではボランティア活動
- 遺作は映画「ソ満国境 15歳の夏」
について、調べてみました。
様々なエピソードから、亡くなるまで信念を曲げなかったことや、情に厚く律儀で誠実だったお人柄が伺える夏八木さん。
この機会に夏八木さんの出演作品をご覧になってはいかがでしょう。
夏八木さんのご冥福をお祈り致します。
「夏八木勲は昔外交官志望も「骨までしゃぶる」で映画デビュー!」