タモリは早稲田大学時代おとなしく真面目で静かで地味だった！

２浪の末、晴れて早稲田大学に入学し、念願の「モダン・ジャズ研究会」に入部すると、当初はトランペットを担当していたタモリさんですが、先輩から酷評され、マネージャー兼司会に転身させられると、早くも司会で才能を発揮。そして、先輩にはマネージャーとしても鍛えられたそうです。

「タモリは学生バンド時代トランペットから司会者に転向させられていた！」

接待のため好きではないお酒を鍛えていた

しゃべりのほうが面白いからと、先輩にバンドのマネージャー兼司会へ転向させられたタモリさんは、司会で人気を博す一方で、「稲門会」（早稲田大学の卒業生の団体）から仕事を取ってくるのも、次期マネージャーであるタモリさんの仕事だったそうで、

モダンジャズは地方ではウケが悪く、接待をしなければならなかったことから（当時はまだクラブから接待費が出ていたそうです）、お酒があまり好きではないタモリさんも、毎晩、先輩マネージャーに飲みに連れて行かれたそうですが、

半年ほど毎日連れて行かれても、ウィスキーのおいしさが分からず、ついには先輩から「お前はもういい」と諦められてしまい、タモリさん自身も、自分でも飲めないと思ったそうです。

しかし、ある日、下宿先に帰る途中、バーの看板が目に入った途端、無性にウィスキーが飲みたくなり、店に入って飲んだところ、ウィスキーがおいしく感じたそうで、それ以来、ウィスキーがおいしいと思うようになったのだそうです。

先輩マネージャーから育てられていた

ちなみに、タモリさんは、その先輩マネージャーについて、

その先輩が有能なマネージャーでね、当時マネージャーは重要なものだから、選挙では選ばれないんですよ。マネージャーが次のマネージャーを育てるんですよ。どういうわけか見込まれたんですが、その人にはびっくりしましたね。

接待の席でベロベロに酔っ払ってる時でも、重要なことを言わなきゃいけないと、真面目な顔して僕にポッとささやいて、またワーッと盛り上げるんですよ。

サラリーマンよりすごいなと思いましたね。ビシッとしてるし、時間を守らないと怒るし、本当にクラブのことを考えてるんですよ。

それで、その人が四年の時の夏休みに演奏旅行があって、中間ぐらいまで来たところで、かばんを渡されるんですよ。その時が、完全な引き継ぎなんです。ただ一言だけ「お前、これ持て」って言われるんです。「はい」って言って受け取る方は分かるんです。今日からオレが全権を持つんだなって。

そのかばんを渡した時から、その人は一切何も口出ししなくなりましたね。その代わり、その人の堕落した生活が始まりましたね。朝は出て来ないし、ベロベロに酔っ払ってるし、退職したサラリーマンみたいな（笑）

と、語っておられました。

おとなしくて真面目で静かで地味な学生だった

また、タモリさんの早稲田大学の同級生で、ジャズ・ギタリストの増尾好秋さんは、

彼がこんなふうになるとは夢にも思わなかったけれど、頭がすごくよかった。ぼくの知ってるタモリはおとなしくて真面目で、静かで地味な存在。

彼とはスクールバスで帰るときに、「昨日はロールキャベツを作った」とか（笑）、そんな話をしたことを覚えています。同級生のサックスでクラブのマネージャーをやっていた瓜坂（正臣）君が、タモリに「お前、司会やれ」となって、司会を始めたんです。

と、当時のタモリさんについて語っておられます。