1977年、「大麻取締法違反」容疑で逮捕されるも起訴されず、半年足らずの自粛で芸能活動に復帰することができた、研ナオコ(けん なおこ)さんですが、昭和の時代と現在とでは、時代背景も捜査の方法も大きく異なっていたといいます。
「研ナオコは昔「大麻取締法違反」で逮捕されていた!」からの続き
薬物疑惑のある芸能人を一斉検挙できた理由
1977年7月、俳優の岩城滉一さんが、暴力団から入手した覚醒剤を使用したとして、「覚せい剤取締法違反」で警視庁に逮捕されたのをきっかけに、芋づる式に研さんも逮捕され、その後も、次々と大物歌手が逮捕された「芸能界麻薬汚染事件」ですが、
なぜ、このような一斉検挙ができたかというと、捜査は、警察と厚生省(現在の厚労省)麻薬取締部(マトリ)の間で、競い合うかのように全国で繰り広げられたからだそうで、
元スポーツ紙記者が、
警視庁では、荏原署がポルノ女優からの突き上げ捜査で錦野(旦)を逮捕。また保安2課が、マリファナパーティの参加者から(井上)陽水を割り出した。
長崎県警佐世保署は、大麻の供給源になっていたジョー(山中)から内田(裕也)、美川(憲一)へと捜査を広げた。一方、マトリは東京で、研を取り調べた後、研に大麻を譲渡したとして内藤(やす子)を逮捕しました。
と、語っているほか、
大阪で桑名正博さんの捜査にあたっていた元麻薬Gメンの高濱良次氏は、ある捜査員が、桑名さんが大阪市阿倍野区の実家でマリファナパーティを開いたという情報を入手したことから、桑名さんが大阪でコンサートを開いたタイミングで、捜査に着手することになり、
前夜のうちに実家に帰ったことを確認し、翌朝、十数名で踏み込みました。桑名の自室に入ると、ウォーターベッドにお持ち帰りしたであろう若い女性が裸で寝ていましたよ。
たまたまトイレから出てきた桑名は、私たちの姿を見て仰(の)け反っていた。薬物は微量しか見つかりませんでしたが、その後の捜査で証拠隠滅を図っていたことを突き止め、逮捕しました
と、語っています。
昭和の薬物捜査はおおらかだった
ただ、当時、芸能人の薬物捜査は荒かったそうで、前述の高濱氏は、
いまは、聴取されたと噂が広まるだけで致命傷になります。しかし、当時はまだコンプライアンス意識が高くない時代。
押収した薬物が微量でも在宅で捜査を進め、書類送検後に起訴猶予(起訴されない)というケースもあった
とも、語っており、
実際、研さんも、大麻の使用をしていながら、起訴はされず(起訴猶予処分)に済み、たった半年の自粛で復帰できたのは、昭和の時代のおおらかさ故だったようです。
また、芸能レポーターの石川氏は、
彼らは、みんな後に復帰できたでしょう。先日、美川が、ピエール(瀧)の逮捕(2019年に薬物で逮捕)を受けて自分の体験を“どん底から這い上がってきた”と偉そうに言っていましたが、彼が復活できたのは時代のおかげです
と、語っています。
ネットユーザーからのツイートに逮捕されていないと反論
ちなみに、2011年、あるネットユーザーから、
薬物で逮捕歴のある人間に人を非難する資格などない。
と、ツイートされた研さんは、
スイマセン、わたくし逮捕された事は一度もありません。気を付けて下さい。
と、逮捕を否定していますが、
実際には逮捕はされていますので、おそらく、研さんは、起訴されたことはないということが言いたかったのでしょう。