幼い頃からお芝居が苦手だったにもかかわらず、テレビドラマ「誰かがあなたを愛してる」に出演したことで、大島渚さんにスカウトされ、「霧ある情事」で映画デビューもした、芳村真理(よしむら まり)さんは、その後も、次々とテレビドラマや映画に出演します。今回は、そんな芳村さんの出演作品を画像を交えてご紹介します。
「芳村真理は若い頃「霧ある情事」で映画デビューもしていた!」からの続き
一旦は女優業を辞めるのを踏みとどまっていた
テレビドラマ「誰かがあなたを愛してる」に出演しているところを大島渚さんに見初められ、渋谷実さんが監督を務めた映画「霧ある情事」の津川雅彦さんの恋人役で映画デビューした芳村さんは、その後も、気が進まないながら、「松竹」と4本の映画と契約し、嫌々、「松竹」の大船撮影所に通っていたそうですが、
やはり、女優という仕事に魅力を感じなかったそうで、ようやく4本撮り終え、大船撮影所から帰る途中、中華料理屋にマネージャーと入ると、ついに、マネージャーに、「もうやめる」と言ったそうです。
ただ、マネージャーには芳村さん名義の貯金通帳を見せられたそうで、当時、モデルのギャラが1万円ほどだったのに対し、映画は1本30万円で、4本分の100万円以上ものお金が入っていて、びっくりしたのだそうです。
出演作品(テレビドラマ)
「でも、そんなことはどうでもいいと思えるほど女優業に魅力を感じなかった」と芳村さんは後に語っているのですが、それでも、芳村さんは、ある出来事があるまで、女優を続けていますので、それまでの主な出演作品をご紹介しましょう。
まず、テレビドラマでは、
1958年「誰かがあなたを愛してる」
1960年「私のえらんだ人」
東芝日曜劇場「絶望のそばを突っ走れ」
1962年 東芝日曜劇場「学士女房」
1964年「アジアの曙」
1965~1966年「ザ・ガードマン」第1話,第58話,第90話
1965年「天下の学園」
1966年「嵐のなかでさよなら」第3話
「銭形平次」第19話
1966~1967年「おにぎり」
「ザ・ガードマン」より。
などに出演し、「私のえらんだ人」では、劇中、モデル時代の経験を生かした早着替えの特技を披露して強烈な個性を発揮し、若手の個性派女優として注目を集めました。
出演作品(映画)
また、映画では、
1959年「霧ある情事」
1960年「黄色いさくらんぼ」※主演
「血は渇いてる」
「大穴」※主演
1961年「斑女」
1962年「秋津温泉」
「黄色いさくらんぼ」より。芳村さんと穂積隆信さん。
1964年「くノ一忍法」※主演
1965年「昨日のあいつ今日のおれ」
「喜劇 駅前医院」
1966年「非行少女ヨーコ」
「貴様と俺」
「くノ一忍法」より。右から2人目が芳村さん。
などに出演しています。
映画「くノ一忍法」では体当たりの演技を披露していた
ちなみに、芳村さんは、1962年にロカビリー歌手で俳優のミッキー・カーチスさんと結婚するも、1964年には早くも離婚すると、それまで身が入らなかった女優業に本腰を入れ、松竹を離れて、映画「くノ一忍法」で、セミヌードや激しいラブシーンにも挑むなど、体を張った演技を披露し、新境地を開拓するのですが、
以降は、テレビドラマを中心に悪役ばかりとなり、このような役を望んでいなかった芳村さんは、やはり自分には女優業は合わないと、強く思うようになっていったのだそうです。
「くノ一忍法」より。
「芳村真理が若い頃は「夜ヒット」ほか司会で人気を博していた!」に続く