幼い頃は、楽屋で水鉄砲をするなど暴れ回り、先輩の中村鴈治郎さんにゴミ箱の中に放り込まれたこともあったという、五代目尾上菊之助(ごだいめ おのえ きくのすけ)さんですが、1996年5月、18歳の時、五代目尾上菊之助を襲名したことをきっかけに、大学を中退して歌舞伎に打ち込み、2000年、歌舞伎座「源氏物語」で、紫の上を演じると、七代目市川新之助(現・十三代目市川團十郎)さん、四代目尾上松緑(当時二代目尾上辰之助)さんとともに、「平成の三之助」と呼ばれて人気を博し、新たな歌舞伎ブームを巻き起こします。

「尾上菊之助(5代目)の家系図は?本名は?屋号は?」からの続き

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七代目市川新之助、二代目尾上辰之助と共に「平成の三之助」と呼ばれ人気を博す

18歳の時に、五代目尾上菊之助を襲名したことをきっかけに大学を中退し、ますます歌舞伎に打ち込んだという菊之助さんは、2000年には、歌舞伎座「源氏物語」で、紫の上を演じると、

光源氏役の七代目市川新之助(現・十三代目市川團十郎)さん、頭中将役の二代目尾上辰之助(現・四代目尾上松緑)さんとともに、「平成の三之助」と呼ばれるほどの人気を博し、新たな歌舞伎ブームを巻き起こします。

(チケットは初日で売り切れ、会場は連日満員だったそうです)


(左から)二代目尾上辰之助(現・四代目尾上松緑)さん、七代目市川新之助(現・十三代目市川團十郎)さん、菊之助さん。

シェイクスピアの戯曲「十二夜」の歌舞伎化「NINAGAWA十二夜」をロンドンの「バービカン・シアター」で公演し絶賛されていた

また、2005年7月、シェイクスピアの戯曲「十二夜」の歌舞伎化を企画し、蜷川幸雄さんに演出を依頼した、軽妙洒脱なロマンティック・コメディ「NINAGAWA十二夜」では、主役の琵琶姫(ヴァイオラ)役、獅子丸(シザーリオ)役を演じると、これが好評を博し、

2009年3月には、イギリス、ロンドンの、「バービカン・シアター」でも公演すると大成功を収めています。


「NINAGAWA十二夜」で獅子丸(シザーリオ)に扮する菊之助さん。

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「風の谷のナウシカ」の歌舞伎化の企画・構想を手掛ける

そして、2019年には、宮崎駿さんの長編漫画「風の谷のナウシカ」の歌舞伎化を企画・構想から手掛け、新橋演舞場にて新作歌舞伎として初演しているのですが、映画版では描かれなかった部分も含め、原作全7巻を昼の部・夜の部通しで完全上演しており、

原作の壮大な世界観と古典歌舞伎の要素を融合させた歌舞伎版「風の谷のナウシカ」は大きな注目を集めています。

(菊之助さん自身もナウシカ役で出演しています)


「風の谷のナウシカ」でナウシカに扮する菊之助さん。

ちなみに、菊之助さんは、もともと原作の大ファンで、スタジオジブリに熱烈なオファーを出し続け、5年かけてようやく上演にこぎつけたそうですが、

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーによると、宮崎駿さんは、これまで、漫画「風の谷のナウシカ」の実写化などについては、ハリウッドほか各所からのオファーをすべて断っていたそうですが、今回は、なぜか、「やろうよ」と言ったとのことで、

「タイトルを変えない」「記者会見、その他を協力しない」という2つの条件を出し、歌舞伎化を承諾したのだそうです。

(2022年7月にも、歌舞伎座「七月大歌舞伎」の第三部で、「風の谷のナウシカ上の巻-白き魔女の戦記-」が上演されており、この時は、菊之助さんは皇女クシャナ役を演じており、ナウシカ役は中村米吉さんが演じています)

「尾上菊之助のファイナルファンタジーXはコロナ禍がきっかけだった!」に続く


菊之助さん(左)と蜷川幸雄さん(右)。

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