おじいさんに二代目市川猿翁さん、お父さんに香川照之(九代目市川中車)さんを持ち、2012年、8歳の時、「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」で初舞台を踏むと、2023年5月、19歳の時には、救急搬送された四代目市川猿之助さんの代役として、急遽、「不死鳥よ 波濤(はとう)を越えて―平家物語異聞―」の舞台に立ち、見事な歌唱で観客を魅了するほか、立ち回りやクライマックスでの宙乗りで堂々とした演技を披露し、拍手喝采を浴びた、五代目市川團子(ごだいめ いちかわ だんこ)さん。今回は、そんな團子さんのデビューからの出演作品をご紹介します。
「市川團子(5代目)は8歳で歌舞伎初舞台を踏んでいた!」からの続き
出演作品(歌舞伎)
それではここで、團子さんの主な出演作品をご紹介しましょう。
歌舞伎では、
2012年「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」でワカタケル役
「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」より。ワカタケルに扮する團子さん(左)と兄橘姫に扮する二代目市川笑也さん(右)。
2013年「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」で胡蝶の精役
「春興鏡獅子」より。胡蝶の精に扮する團子さん(左)と胡蝶の精に扮する八代目市川染五郎(当時松本金太郎)さん(右)。
2014年「四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)」で鬼童丸実は季武弟季明役
「四天王楓江戸粧」で鬼童丸実は季武弟季明に扮する團子さん。
2015年「女暫(おんなしばらく)」で茶後見役
「通し狂言 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」で丁稚子太郎役
2016年「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」で五代政之助役
「土蜘蛛(つちぐも)」で太刀持音若役
「土蜘蛛」で太刀持音若に扮する團子さん。
2017年「東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖(とうかいどうちゅうひざくりげ かぶきざとりものちょう)」で五代政之助役
2018年「再伊勢参!? YJKT 東海道中膝栗毛(またいくの!?こりないめんめん とうかいどうちゅうひざくりげ)」で五代政之助役
「東海道中膝栗毛」より。(左から)五代政之助に扮する團子さん、弥次郎兵衛に扮する七代目市川染五郎さん(現在の十代目松本幸四郎)さん、喜多八に扮する四代目市川猿之助さん、信夫の若君伊月梵太郎に扮する四代目松本金太郎(現在の八代目市川染五郎)さん。
2019年「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」で雲助團市実は五代政之助役
2020年「連獅子(れんじし)」で狂言師左近後に子獅子の精役
「連獅子」で狂言師左近後に子獅子の精に扮する團子さん(下)と親獅子の精に扮する四代目市川猿之助さん(上)
「義経千本桜 川連法眼館(よしつねせんぼんざくら かわつらほうげんやかた)」で駿河次郎役
「義経千本桜 川連法眼館」で駿河次郎に扮する團子さん。
「傾城反魂香(けいせい はんごんこう)」で狩野雅楽之助役
2021年「義経千本桜 川連法眼館(よしつねせんぼんざくら かわつらほうげんやかた)」で源義経役
「三社祭(さんじゃまつり)」で善玉役
2022年「新・三国志 関羽編(しんさんごくし かんうへん)」で関平役
「浮世風呂(うきよぶろ)」でなめくじ役
「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚(とうかいどうちゅうひざくりげ やじきたリターンズ)」で五代政之助/娘お夏役
「独楽(こま)」で独楽売萬作役
「独楽」で独楽売萬作に扮する團子さん。
「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」で傾城愛染役
「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」で茶屋廻り役
2023年「新・三国志 関羽篇(しんさんごくし かんうへん)」で関平役
「悪太郎(あくたろう)」で太郎冠者役
「御贔屓繋馬(ごひいき つなぎうま)」で百足のお百実は田原藤太娘千晴役
「不死鳥よ波濤を超えて(ふしちょうよ はとうをこえて)」で平知盛役
「不死鳥よ波濤を超えて」で平知盛に扮する團子さん。
「傾城反魂香(けいせい はんごんこう)」で土佐修理之助役
「新・水滸伝(しん・すいこでん)」で彭玘役
「義経千本桜 忠信篇(よしつねせんぼんざくら ただのぶへん)」で佐藤忠信実は源九郎狐役
出演作品(映画)
映画では、
2013年「シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎 ヤマトタケル』」
2017年「シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛』」
2018年「シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』」
などに出演しています。
出演作品(テレビ)
また、團子さんは、2014年には、黒柳徹子さんのトーク番組「徹子の部屋」(1月20日放送)で、おばあちゃんの浜木綿子さんと初共演すると、浜さんと黒柳さんに挟まれ、さすがに緊張した面持ちも、
2012年に、市川團子を名乗り、初舞台を踏んだ時の感想を聞かれると、
幕が上がる前は緊張したけど、上がると緊張しなかった。いけると思った
と、答え、黒柳さんを感心させています。
「徹子の部屋」より。浜木綿子さんと團子さん。
ちなみに、浜さんは、収録後、
汗をかきました。いつもは『普通』『分かんない』しか言わない子なので心配したけれど今日は頑張った
(團子さんが2013年に「春興鏡獅子」で胡蝶の精を踊ったことについて)私の若い時の舞子姿に似ていると言われた。成長している
と、うれしそうに話していたそうです。
受賞歴
そんな團子さんは、
2013年10月には、「春興鏡獅子」の胡蝶の精で国立劇場特別賞を受賞しています。
「市川團子(5代目)は市川猿之助(4代目)の代役で絶賛されていた!」に続く