１９７２年、高校２年生の時、田中好子さん、伊藤蘭さんとともに、「キャンディーズ」を結成した、藤村美樹（ふじむら みき）さんは、１９７３年９月には、ついに、「キャンディーズ」としてファーストシングル「あなたに夢中」でデビューするのですが・・・
「藤村美樹が若い頃は紅白歌合戦でバックダンサーやコーラスを務めていた！」からの続き
東京音楽学院を訪れていた音楽プロデューサー・松崎澄夫に見出され「キャンディーズ」の歌手デビューが決定
１９７２年、田中好子さんと伊藤蘭さんの３人で「キャンディーズ」を結成するも、デビューする予定もなく、アシスタント的な仕事をしていたという藤村さんですが、
そんな中、たまたま、東京音楽学院を訪れた渡辺音楽出版の音楽プロデューサーの松崎澄夫さんが、教室に入ってきた藤村さんたち「キャンディーズ」の３人を見て、「かわいい子がいる」と目を留めたそうで、
その後、松崎さんが、担当者にレコードデビューの予定を聞くと、「未定」との返事だったことから、こんな可愛い子たちなら自分が担当したいと自ら会社に申し出たそうで、これで、「キャンディーズ」の歌手デビューが決定したのだそうです。
（松崎さんは、１９６０年代、グループサウンズの時代に「轟健二」の芸名で「アウト・キャスト」のヴォーカルとしてデビューし、その後、新しいメンバーを加え「ジ・アダムス」を結成するのですが、アダムス解散後は渡辺音楽出版に入社し、音楽プロデューサーとして活動していたそうです）
「キャンディーズ」として「あなたに夢中」でデビューするもパッとしなかった
こうして、「キャンディーズ」は、１９７３年９月、ファーストシングル「あなたに夢中」でデビューを果たしたのですが・・・
パッとせず、その後、
１９７４年１月「そよ風のくちづけ」
４月「危い土曜日」
９月「なみだの季節」
と、立て続けにシングルをリリースするも、やはり、ヒットとはならなかったのでした。
「アウト・キャスト」でキーボードを担当していた穂口雄右からヴォーカルトレーニングを受けていた
ちなみに、藤村さん、田中さん、伊藤さんの３人は、松崎さんの盟友で、「アウト・キャスト」でキーボードを担当していた穂口雄右さんからヴォーカルトレーニングを受けたそうですが、
３人共、当初は二拍三連も取れなかったそうで、リズム、正確なピッチ、テンション・コードとハーモニーの組み立てを徹底して教え込まれ、徐々にステップアップしていったのだそうです。
（後にその３人の声のハーモニーが花開きます）
絶対音感の持ち主で卓越した歌唱力から音楽面でのリーダーを任されていた
また、穂口さんは、３人の個性を把握すると、読解力があり絶対音感の持ち主だった藤村さんに、音楽面でのリーダーを任せたそうで、
（藤村さんのコーラスパートは、主にアルトだったそうですが、低音のみならず、地声でかなりの高音を出せたそうで、歌うのが難しいパートも多く担当したそうです）
松崎澄夫さんは、
ポジション役割がはっきり、（伊藤）ランが一番上で、その、全部をまとめていくのと、キャンディーズというグループの音楽的にはミキさんが引っ張っていく感じであって、その間にいるスー（田中好子さん）が、なんか気持ちを和らげる立場みたいな。
と、語っています。
（ちなみに、伊藤さんは時代を先取りしたリズム感と広い音域の持ち主で、田中さんはその音色や安定した歌唱力が持ち味だったそうです）
「藤村美樹は若い頃キャンディーズで｢年下の男の子｣が大ヒットしていた！」に続く
