社会の闇や人間の深層に切り込む骨太な作品から繊細な人間ドラマまで幅広く手掛け、常に観る者に問いかけ、考えさせる作品を発表し続けている、大森立嗣(おおもり たつし)さん。

今回は、そんな大森立嗣さんの、若い頃(映画監督デビュー以降)から現在までの監督作品や経歴を時系列でご紹介します。

大森立嗣

「大森立嗣の生い立ちは?大学時代から映画を自主制作!卒業後は俳優だった!」からの続き

Sponsored Link

大森立嗣は35歳の時に映画「ゲルマニウムの夜」で監督デビュー

大学卒業後、俳優業を経て、助監督として修行を積んでいた大森立嗣さんは、

2001年には、大森立嗣さん自身がプロデュースし出演した映画「波」(監督は奥原浩志さん)が、「第31回ロッテルダム映画祭最優秀アジア映画賞」の「NETPAC AWARD」を受賞すると、

2005年には、荒戸源次郎さんのプロデュースにより、ついに、「ゲルマニウムの夜」で長編監督デビューしています。

「ゲルマニウムの夜」
「ゲルマニウムの夜」より。新井浩文さん。

ちなみに、この作品は、育った修道院に舞い戻り、ゲルマニウムラジオから流れる神の囁(ささや)きを聞く青年・朧(新井浩文さん)が、欲望のままに冒涜の限りを尽くし、神の存在を問うという衝撃的な内容となっています。

大森立嗣は40歳の時に「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」で「第51回 2010年度日本映画監督協会新人賞」を受賞

また、大森立嗣さんは、2010年、40歳の時には、監督第2作目となる「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」で、社会から疎外された若者たちのやり場のない怒りや衝動をリアルに描くと、「第51回 2010年度日本映画監督協会新人賞」を受賞しています。

「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」
「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」より。高良健吾(左)と松田翔太さん(右)。

大森立嗣は41歳の時に「まほろ駅前多田便利軒」、44歳の時に「まほろ駅前狂騒曲」を発表していた

そして、2011年、41歳の時には、三浦しをんさんの同名小説を原作とするシリーズ「まほろ駅前多田便利軒」を、2014年、44歳の時には、「まほろ駅前狂騒曲」を、それぞれ、松田龍平さん、瑛太さんを主演に映画化しており、

大森立嗣さんは、「まほろ駅前狂騒曲」について、

2人とも『まほろ』を作る前、僕が助監督の頃から友達で、瑛太はデビューの頃から知っているので、普段話している時は友達感覚です(笑)

でも、瑛太も龍平も、やはり日本を代表する俳優として背負うものがあるので、それに応えないといけないプレッシャーもあって、今回の『まほろ駅前狂騒曲』では、より多くの人に見てもらうために、「ポップにしなくちゃ」って(笑)そう考えましたね。

『まほろ』は三浦しをんさんの原作もベストセラーなので「映画でもヒット作を作らなきゃ」という想いはあります。でも、ただのヒット作ではなくて、自分だからこそ作れる内容がないと、監督はできないなぁという気持ちがあったので、そこの葛藤はありました。

と、語っています。

「まほろ駅前多田便利軒」
「まほろ駅前多田便利軒」より。松田龍平さん(左)と瑛太さん(右)。

大森立嗣は「ぼっちゃん」で「第23回日本映画プロフェッショナル大賞」作品賞を受賞

また、大森立嗣さんは、2013年には、2008年に実際に起こった「秋葉原通り魔事件」を題材に、派遣労働者が社会の中で追い詰められていく姿を自主制作体制で描いた「ぼっちゃん」を発表すると、「第23回日本映画プロフェッショナル大賞」作品賞を受賞しているのですが、

大森立嗣

大森立嗣さんは、

今回、加藤智大(秋葉原通り魔事件の容疑者)を、モチーフにしているけれど、「彼は一体何者なんだ。昨日まで同じ風景を見て、同じ空気を吸っていた。俺たちが生みだしたんだよ」っていうことを考えないといけない。

だから見て、感じてほしい。 考え続けることしか俺たちにはできないと思う。

と、本作への思いを語っています。

(「秋葉原通り魔事件」とは、東京秋葉原で起きた無差別殺人事件で、7人が死亡し、10人が重軽傷を負いました)

大森立嗣は43歳の時に「さよなら渓谷」が「第35回モスクワ国際映画祭」審査員特別賞を受賞

さらに、大森立嗣さんは、同年(2013年)の「さよなら渓谷」が、「第35回モスクワ国際映画祭」のコンペティション部門に、日本映画として唯一出品されると、日本映画としては48年ぶりとなる、審査員特別賞を受賞しています。

大森立嗣
「さよなら渓谷」より。(左から)主演の大西信満さん、真木よう子さん、大森立嗣さん。

大森立嗣は今後は自分とかけ離れた人や女性、時代劇にも挑戦したいと語っていた

そんな大森立嗣さんは、これまで、社会の隅で生きる若者たちを多く描いているのですが、今後は、自分とかけ離れた人や女性を描いたり、時代劇にも挑戦したいと意欲を語りつつも、

どのような作品に挑むにしても、「自分たちが心を動かしたことしか、人の心は動かせない」というのは思っています。

技術的なこともありますが、 「俳優さんが心を動かして、動いた心が初めて人に伝わる」ということは、台本を書くときや撮影に入る時にも伝えるようにして、大切にしていることです。

と、語っています。

大森立嗣の監督作品(短編・中編映画)

それでは、最後に、大森立嗣さんの監督作品をご紹介しましょう。

短編・中編映画では、

  • 2003年「新・刑事まつり〜一発大逆転〜『よいこのでか』」
  • 2012年「シネマ☆インパクト/2・11」
Sponsored Link

大森立嗣の監督作品(長編映画)

長編映画では、

などの作品を発表しています。

「大森立嗣の前妻との離婚理由は?現在は結婚してる?子供は?」に続く

お読みいただきありがとうございました

Sponsored Link