グループサウンズバンド「シャープ・ホークス」としてデビューされた、安岡力也(やすおか りきや)さん。音楽活動やキックボクシングで活躍された後は、俳優としてワル役を多く演じておられましたが、1982年には、「ホタテマン」に扮し、そのコミカルな演技で一躍人気を博しました。
生まれは?身長は?本名は?
安岡さんは、
1947年7月19日生まれ、
身長187センチ、
体重108キロ、
血液型はO型、
ちなみに、安岡力也は本名で、
イタリア名は「リカルド・ニコ・バレンティーノ」です。
イタリア育ち?
実は、安岡さんのおじいさんとお父さんは、
シチリアのマフィアだそうで(お母さんは日本人)、
安岡さんは、イタリアのジェノヴァで生まれ、
6歳の時に、お父さんが亡くなったことで帰国された、
と、一般的には言われているのですが、
安岡さんご本人は、2011年4月、
自身の連載「息子へ」で、
おじいさんとお父さんが、
マフィアであることは認めておられるものの、
生まれは仙台市で、その後、母親と転々として、
4歳から埼玉県行田市の祖母の家で育ち、
表向き、貿易商として、イタリアと日本を、
往復していた父親が日本にいる時だけ、
麻布にある、父親の家に遊びに行っていたが
イタリアで育ったことはない、
と、おっしゃっています。
どちらが本当かは、今となっては分かりませんが、
安岡さんがイタリア人と日本人の、
ハーフであることは、間違いないようですね。
「シャープ・ホークス」
そんな安岡さんは、内田裕也さんに憧れ、
1963年、高校在学中に、
歌って踊れる異色の混血グループとして、
グループサウンズバンド「シャープ・ホークス」を結成。
「シャープ・ホークス」
その後、幾度かメンバー変遷を経て、
1966年、「ついておいで」で、
レコードデビューを果たされると、
同年、2ndシングル「遠い渚」、
翌年1967年、4thシングル「海へ帰ろう」が、
ヒットを記録。
同時期に結成された、グループサウンズバンド、
「ザ・タイガース」の最初のライバルとなったのでした。
ちなみに、安岡さんは、
1964年、17歳の時には、
「自動車泥棒」で、ハーフの少年役を演じ、
映画デビューも果たされています。
「自動車泥棒」より。右が安岡さん。(左は真理アンヌさん)
キックボクサーとして
また、安岡さんは、一時期、
「シャープ・ホークス」と並行して、
ヘビー級とミドル級で、
キックボクサーとしても活動。
4試合で3勝1敗の成績を残されているのですが、
相手は素人が多かったとのことで、
1969年、「シャープ・ホークス」解散後は、
主に俳優として活動を開始されたのでした。
暴力事件~俳優として活躍
しかし、そんな矢先、安岡さんは、
共演者に蹴りを入れるなどの、
暴力事件を起こしてしまい、
しばらく仕事を干されてしまいます。
そして、建設会社の現場監督をされたり、
内田裕也さんの事務所で、
経理の仕事などをされていたそうですが、
梅宮辰夫さんの助けにより、1970年、
梅宮さん主演の映画「不良番長シリーズ」で、
俳優復帰を果たされると、
「不良番長 手八丁口八丁」より。梅宮さんと安岡さん。
1973年「ボディガード牙」シリーズ
1973年「非情学園ワル」シリーズ
1974年「直撃! 地獄拳」
1975年「少林寺拳法」
「非情学園ワル」より。
など、主に、キックボクシングと、
体格の良さを活かした、
格闘技系の映画に次々と出演。
また、その後は、
1978年「エロチックな関係」
1979年「ワニ分署」
1980年「野獣死すべし」
「戦争の犬たち」
1981年「ヨコハマBJブルース」
と、アウトローな役を、
数多く演じておられます。
「ホタテマン」でブレイク
そして、1982年には、
バラエティ番組「オレたちひょうきん族」の、
コント劇「タケちゃんマン」に、
「ホタテマン」というキャラクターで出演され、
一躍人気者に。
「オレたちひょうきん族」より。島田紳助さんと、
「ホタテマン」に扮する安岡さん。
でも、なぜ、コワモテの安岡さんが、
急にキャラ物を演じられるようになったのでしょう。
調べてみると、安岡さんは、「タケちゃんマン」に、
暴力団員役でゲスト出演されたことがあったそうですが、
その際、タケちゃんマンを呼ぶための道具「ほら貝」を、
間違って、「ホタテ貝」と言ってしまい、
他の出演者がからかったところ、
安岡さんは、「そんなにおかしいか!」と怒り狂い、
スタジオで大暴れしたそうで、
この大暴れするシーンが話題となったことで、
以来、安岡さんは、「ホタテマン」として、
出演されるようになったのだとか♪
ちなみに、2001年の「春日井製菓」のCMでは、
「黒飴マン」に扮し、
再び、コミカルな演技で、
お茶の間に笑いを誘われています♪
「春日井製菓」のCMより。「黒飴マン」に扮する安岡さん。
次々と病に
こうして、安岡さんは、
アウトローを演じるコワモテ俳優から、
お笑いタレントへ転身か、
と思われていた矢先の2002年、
「C型肝炎」に、
罹患されていることが発覚。
さらに、2005年には、
「肝臓病」を患われ、
2006年には、
難病「ギラン・バレー症候群」と、
診断されてしまったのでした。
それでも、安岡さんは、
不屈の精神で、リハビリに励まれ、
2010年5月に、
トーク番組「徹子の部屋」で復帰。
「徹子の部屋」より。
そして、同年8月、
「肝細胞癌」と「C型肝硬変」の治療のため、
息子さんの肝臓を生体肝移植する手術が、
成功するのですが、
2012年4月6日、容態が急変。
2日後の4月8日、64歳で、
他界されてしまったのでした。
さて、いかがでしたでしょうか?
もう、安岡さんのような方は、
二度と出てくることはないのではないか、
と思うと、残念で仕方ありませんが、
時々は、安岡さんの出演映画を観たり、
「ホタテマン」や「黒飴マン」を観て、
思い出したいものですね。
ご冥福をお祈り申し上げます。