1960年代後半から1970年代前半、アングラ演劇界で活躍された、俳優の樋浦勉(ひうら べん)さん。その後、数多くのテレビドラマや映画で名脇役として活躍されていますが、その一方で、洋画の吹き替えやアニメの声優としても、存在感を見せておられます。


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プロフィール!

樋浦さんは、1943年1月25日生まれ、
東京府(現在の東京都)のご出身です。

身長164センチ、
体重67キロ、

靴のサイズは25.5センチ、

血液型はB型、

学歴は、
玉川大学中退、

だそうです♪

劇団で活動

樋浦さんは、1962年4月、
「俳優養成所」の第14期生として、

串田和美さん、佐藤信さん、清水紘治さん、
吉田日出子さん、河内美子(現・嵯峨美子)さん、
辻萬長さん、原田芳雄さんらとともに入団され、
1965年に卒業。

その後、いつ頃かは分かりませんでしたが、
劇団「雲」に入団されています。

(同年には、「証人の椅子」で、
 映画デビューも果たされています。)

「証人の椅子」より。

また、翌年の1966年の夏には、
「俳優養成所」で同期だった、
串田さんや佐藤さんとともに、
総勢14名で、劇団「自由劇場」を、

1968年には、再び、佐藤さんらと、
劇団「黒テント」を設立されています。

そして、この「黒テント」は、
1960年代後半から1970年代前半、
アングラ演劇ブームを代表する存在として、

それまで、近代演劇が低俗として退けてきた、
見世物小屋要素を取り込んだ、
独特の世界観で人気を博したのでした。

「ダイハード」でブルース・ウィリスの吹き替え

その後、樋浦さんは、
舞台、テレビドラマ、映画と、
数多くの作品に出演されるのですが、

アニメの声優や、
洋画の吹き替えなどもされており、

洋画の吹き替えでは、

ジョン・マルコビッチさん、
ブルース・ウィリスさん、
ロバート・デ・ニーロさん、
リチャード・ドレイファスさん
の声を専属で担当。

その中でも、映画「ダイ・ハード」シリーズの、
ブルース・ウィリスさん演じる主人公、
ジョン・マクレーンの吹き替えは、
樋浦さんの代表作ともいえるもので、

「ダイ・ハード」より。

樋浦さんは、

この映画(ダイ・ハード)、
私は最初のパート1から吹き替えをやったんですよ。

テレビ放送になる前、飛行機の中で見せる映画です。
劇場公開とほぼ同時でした。

民放テレビで放送するようになってからは、
野沢那智さんなどがやるようになったんです。

と、劇場版の吹き替えは、シリーズすべて、
樋浦さんが担当されています。

また、具体的には、

まずDVDと日本語訳の台本が製作会社から届きます。
自宅で通して見たあと、私の場合、少なくとも5、6回は、
画面を見ながら自分なりのリハーサルをやります。

ブルース・ウィリスなら、
ブルース・ウィリスの、役割・キャラクターを、
肌で感じるまで役になりきって表現するんです。

といった要領で、
吹き替えをされるそうですが、

声は演じる人の本質が出てしまうため、
「俳優・樋浦勉」が出すぎず、出さなさ過ぎず、
を心がけておられるとのことで、

私達が何気なく聞いている吹き替えにも、
大変なご苦労があったのですね。

座頭市

ところで、樋浦さんを「座頭市」で、
多くの方が検索されているようです。

というのも、樋浦さんは、
2003年、北野武監督作品「座頭市」で、

表向きは、気弱な飯屋のおやじ、
裏では、黒幕であるヤクザの頭領、
という役を演じられているのですが、

「座頭市」より。

樋浦さんはいわく、

あの役、最初はなかったらしい。
もうひとひねりしたいと北野監督が付け足した役です。
それで、私にお呼びがかかったんです。

ということで、

登場シーンは多くはないものの、
重要なラストシーンでは、

樋浦さんには「座頭市」の最後に、
長回しの長ぜりふを全部やってもらった。

と、見事、北野監督の、
期待に答えられたのでした。

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真田丸と真田太平記

そんな樋浦さんは、2016年、
NHK大河ドラマ「真田丸」に出演され、

豊臣家に台所頭として仕えていながら、
実のところ、徳川家の内通者で、
最後には豊臣家を裏切り、大坂城に火を放つ、
大角与左衛門役を演じられているのですが、

「真田丸」より。大角与左衛門を演じる樋浦さん。
左は、堺雅人さん(真田幸村役)。

31年前の1985年にも、
NHK大河ドラマ「真田丸」で、
徳川家に仕える甲賀忍者「孝助」を、
演じられていたそうで、

ネット上では、「真田丸」の脚本を担当された、
三谷幸喜さんの含みのある配役が、
話題となっていたようです。

ちなみに、樋浦さん以外にも、
草刈正雄さん、榎木孝明さん、木之元亮さん、
が、「真田丸」「真田太平記」両方に、
出演されており、両方の作品を見られた方には、
また、別の楽しみ方があったようですね。

さて、いかがでしたでしょうか?

2016年の北野武監督作品
「龍三と七人の子分たち」では、
「ステッキのイチゾウ」を好演し、

「第25回東京スポーツ映画大賞」の、
助演男優賞を受賞された樋浦さん。

「龍三と七人の子分たち」より。
(左から)伊藤幸純さん、品川徹さん、樋浦さん。

授賞式では、

ありがとうございます。こんな賞もらえただけで幸せです。
今日は都営地下鉄にシルバーパスで乗ってきました。

と、ユーモアを交えつつ、
喜びを語っておられましたが、

実際、樋浦さんは、
この授賞式の時点で、すでに73歳。
なので、シルバーパスは本当の話かも・・・

まだまだ、お元気とはいえ、
お体には十分に気をつけつつ、

これからも、素晴らしい演技を、
見せ続けてほしいですね。

応援しています!!

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