1971年に「ザ・スパイダース」が解散した後は、ソロ歌手、司会、俳優として活動し、特に司会者としては、1976年から1985年まで、約9年半に渡って、芳村真理さんと共に音楽番組「夜のヒットスタジオ」の司会を担当して、同番組の黄金時代を築いた、井上順(いのうえ じゅん)さんですが、今回は、井上さんの俳優としてのキャリアを追っていきます。
「井上順が「夜ヒット」降板後芳村真理と30年疎遠だった理由とは?」からの続き
「太陽のあいつ」でテレビドラマデビュー
井上さんは、「ザ・スパイダース」で活動中の1967年、「太陽のあいつ」でテレビドラマデビューすると、
その後も、
1969年「もうれつ大家族」
1969~1970年「若い恋人たち」
1971年「花嫁のれん」※井上順之名義
「焼きたてのホカホカ」※井上順之名義
「女・おとこ」※井上順之名義
1972年「おふくろの味 第2シリーズ」※井上順之名義
「桃から生まれた桃太郎」※井上順之名義
「一姫二太郎」※井上順之名義
「もうれつ大家族」より。岡田可愛さんと井上さん。
「焼きたてのホカホカ」より。(左から)井上さん、渡辺篤史さん、津坂匡章(現・秋野太作)さん。
と、立て続けにテレビドラマに出演しています。
石井ふく子プロデュース「ありがとう」に出演
そして、1972年、石井ふく子さんプロデュースのテレビドラマ「ありがとう 第2シリーズ」に出演すると、テレビドラマは視聴率50%を記録する大ヒット。井上さんも、俳優として、たちまちお茶の間の人気者となります。
以降、井上さんは、石井さんのプロデュース作品「女と味噌汁」「渡る世間は鬼ばかり」に出演するなど、「石井ファミリー」の一員となっているのですが、
石井さんとは「ありがとう」の第2シリーズからのお付き合いですが、石井ドラマのテーマってあの当時から一貫して変わっていませんよね。
大きく言えば“絆”ということになると思いますが、親子の絆、兄弟の絆、友達とや仲間との絆といったことを大きな幹として、そこから枝葉のようにいろいろなことが起こることで物語が進行していくといった感じでしょうか。
そうした幹をきちんと持ちつつ、ブレることなく、その時代時代の背景もしっかり取り入れて描かれている。それをずっと続けてらっしゃるところは、やっぱりすごいことだと思います。
「ありがとう」より。井上さん(左)と石坂浩二さん(右)。
それと、石井さんが作ってくれる温かい磁場というか、撮影現場の雰囲気はとても気持ちが良いんです。そんな気持ちになれる場所なら、また行きたいって思うじゃないですか。
“豚もおだてりゃ木に登る”という訳ではありませんが、僕みたいな演技でも石井さんに「良かった」って言ってもらえると、もっと上手く演じたい、人一倍頑張らなきゃいけないという気持ちが生まれてきますよね。
「ありがとう」より。
石井さんにはもちろん、演出家やスタッフのみなさん、水谷くんに対しても、下手なジミー坂田をやったら失礼だと思う。だからこそ、台本は100回近く読みますし、それこそ自分のセリフのところは4、500回は一人で練習しています。
座ったり立ったり、その次にはちょっと声のトーンを落としてみたりと、考えられるあらゆることをやってみるんです。そんな姿をみられたら、ちょっと笑われてしまうかもしれませんね。
とにかく、いろいろ自分でやってみた上で撮影現場へ入り、現場で演出家に整理してもらうという感じでしょうか。
と、語っています。
NHK朝の連続テレビ小説「エール」に出演
そんな井上さんは、2020年には、NHK朝の連続テレビ小説「エール」で、木下一役を演じているのですが、6月17日、第58話が放送されると、
井上さんのスリーピースのスーツにハットというダンディなたたずまいが話題となり、
SNSで、
今朝の『エール』井上順さんがとにかくカッコ良かった・・・
「上品でお金持ちそうなおじさん」役がハマりすぎる安定の井上順
帽子が似合うオシャレな感じが、彼のイメージにピタリと合っているね!
あー井上順さんだ!お変わりない、にこやかにダンディ!
などの声があがるなど、
「Yahoo!リアルタイム検索」で「井上順」が1位、ツイッターでも「井上順さん」がトレンドに入り、時の人となっています。
「井上順のデビューからの出演ドラマ映画CMを画像で!」に続く
NHK朝の連続テレビ小説「エール」より。