1987年12月に、松尾貴史(当時・キッチュ)さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「ラジオファンキーズ」にゲスト出演すると、生放送中にもかかわらず、松尾さんと激しい口論を展開し、終始、押していた、上岡龍太郎(かみおか りゅうたろう)さんですが、1988年1月にもゲスト出演し、二回戦が始まると、やがて、松尾さんの逆襲に押され気味となります。

「上岡龍太郎と松尾貴史の口論(生放送中)は2週に渡り続いていた!」からの続き

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キッチュ(松尾貴史)も一歩も引かず

松尾貴史(当時・キッチュ)さんの逆襲に遭い、自分のペースに持っていきたい上岡さんは、

誰かの絵を見た、歌を聞いたって印象にないってことあるわな。印象にないってことは、悪いでもないけど大していいでもない、どっちでもいいってことに値するわね。僕の基準からいうと。

と、言うのですが、

松尾さん:上岡さんの基準ってそうですか?
上岡さん:誰しもそうでしょう。
松尾さん:いや、僕は違いますわ。
上岡さん:覚えてなくても素晴らしい絵あんの?素晴らしいもんを忘れるの?

と、続き、

松尾さんが、

例えば、映画館で自分の体調が悪かったり、あるいは、あんまり映画みたいな、という気分でなかったり、そういう時に観に行ったら、やっぱりどうしても乗り切れへん状態ってありますよね。やっぱり何がきれいやと感じるのは、感情からきているんですよ

と、主張。

そこで、上岡さんは

君が体調悪くて映画観に行った。その映画が君にとって良くなかった。そしたら、良くないやん。

と、言うのですが、

松尾さん:ところが、2回目見たらものすごい良かった。
上岡さん:1回目見たと時は悪かったわけや。君の体調いかんにかかわらず、君の感受性に訴えんなんだ。その映画は。
松尾さん:(1回目は)僕の態度が鑑賞する態度になってないということです
上岡さん:なってなくても君にとっては良くなかったわけや。
松尾さん:良くなかったというより、その時に印象に残らなかったという・・・(作品を評価する)基準にはならないわけですわね。
上岡さん:じゃ、何を基準にするんや、人間は。え。

と、松尾さんも一歩も引きません。

キッチュ(松尾貴史)の逆襲に上岡龍太郎が窮する

そんな状況に、上岡さんが、再び、自分のペースにするべく、話を整理しようとするのですが、

上岡さん:君の場合、論理がちっとも論理として進行せんから整理したるわけよ。
松尾さん:論理やのうて僕は気持ちでしゃべってる訳ですから。
上岡さん:せやから、気持ちも論理も一緒やがな。
松尾さん:一緒なことないでしょ~
上岡さん:感情のない論理がどこにあんねん。
松尾さん:そやけど、感情でもの言うな。論理だけでしゃべれ、こないだ言いはりましたやん。
上岡さん:そやからね、これは感情論を下敷きにした論理でしょ。感情だけで言うとね。ほんなら感情だけでいこか?人が好きというものをなぜ止めんねや。人が嫌いというものをなぜ否定すんねん
松尾さん:嫌いって言いはりましたか?

と、ことごとく松尾さんも反論。

そして、上岡さんが、

違うがな。だめといったらなんで君が怒るんや?

と、言うも、

松尾さんが、

じゃ、なんで僕が怒ったらあかんのですか?

と、返したことから、

ついに、上岡さんは、言葉に窮し、

それはな君、万能の論理と言うねん。君は頭が悪いか子供っぽいかどっちかや。

と、言うのですが、

松尾さんが、その言葉を聞き逃さず、

僕の頭が悪いいう攻撃はどうでもいいことですわ

頭悪い言うたら、僕が怒って、言うてることぐちゃぐちゃになって結局上岡さんの・・・

と、言うと、

上岡さんは、

それ言わんでもぐちゃぐちゃなってるから

と、返すも、

松尾さんが、

なってたら、そしたら、頭悪いって言わんでいいやないですか

と、言い、

上岡さんは、

よし。話を整理しよう。

と、言うしかなかったのでした。

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キッチュ(松尾貴史)がさらに上岡龍太郎を口撃

これに対し、松尾さんは、整理されることでいつの間にか騙されると嫌がるのですが、ここは、上岡さんが押し通し、再び、論点の整理が始まります。

そして、そのうち、上岡さんは、また、他の画家を例えに出すのですが・・・

ここでも、松尾さんが割り込み、

ひさうちさんのキャラクターよく分かってる。電話の向こうで反論できないような感じの人ですわ。気の弱いね、電話の向こうで「はい、はい」って。これね、上岡さんから見たら弱い人なんです。

上岡さんは、あの回が始まった直前、強いもんにはいくらでも言っていくけど、弱いもんの批判はせーへんっていいはった。ところが、あの時、弱いもんの批判ばっかりしてはったんですよ。たとえば、ハガキを書いてきた子らに、こんなもんレベルが低い、こんなもんやる必要はないって。これは批評なんですよ。

批判と批評は違うっていいはるかもしれないですけど、口答えのできない、一生懸命、おもしろく聞かそうと思って書いてきている子らに、割りと失礼な、僕が感じただけなんですけども、失礼やな、と思うようなこと言うてて、あれ、強いもんに言うていくって言って、弱いもんばっかり今日イジメてるな~と思って。

上岡さんさっきと言うてることと違うやんていう感情が僕にはありましたね。

と、さらに、上岡さんを口撃したのでした。

「上岡龍太郎のキッチュ(松尾貴史)へのキレ気味の正論口撃が凄すぎる!」に続く

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