テレビドラマの助監督を経て、1991年、Vシネマ「突風!ミニパト隊/アイキャッチ・ジャンクション」で監督デビューした、三池崇史(みいけ たかし)さん。過激な描写が持ち味で、クエンティン・タランティーノ監督をはじめ、海外の映画監督に大きな影響を与えています。
プロフィール!
三池さんは、1960年8月24日生まれ、
大阪府八尾市のご出身です。
身長164センチ、
血液型はO型、
学歴は、
横浜放送映画専門学院(現在の日本映画大学)、
だそうです。
テレビドラマの助監督として
三池さんは、高校卒業後、ラジオで、
横浜放送映画専門学院が生徒募集しているのを聞き、
入学されるのですが、授業には出ず、さぼっていると、
学校関係者の撮影応援に駆り出され、
助監督として働くように。
それまでは、映画会社が社員(監督)を育てて、
映画を撮っていたのですが、
時代の流れか、映画会社がそのような投資をやめ、
配給やスタジオ貸しするようになっていったそうで、
監督をしていた先輩たちが職を失くし、
テレビ業界に降りてきており、
三池さんは、主に、
このような監督たちにつき、
1981年「闇を斬れ」
1982年「天国と地獄の美女」
1983年「父と娘」
「天国と地獄の美女」より。叶和貴子さんと天知茂さん。
など、テレビドラマの現場で、
助監督をするようになったのでした。
Vシネマで映画監督デビュー
また、1987年頃からは、
中島芳人さん、今村昌平さん、後藤秀司さんなどの、
映画作品でも、助監督をされると、
そんな中、Vシネマが登場。
三池さんは、1991年、
「突風!ミニパト隊/アイキャッチ・ジャンクション」で、
ついに、監督デビューを果たされています。
「突風!ミニパト隊/アイキャッチ・ジャンクション」
ただ、三池さんは当時を振り返り、
監督になる気はまったくなかったんですけどね。
テレビの現場の最下層で7~8年やって、
初めて映画の助監督をやったんです。そうしたらプロデューサーが、
「お前が、撮れるんじゃないの?」って。
その頃は制作部も兼ねていたし、何せ場数が違ったからね。映画監督って映画論をふりかざして、口うるさいだけで、
出資者にとって厄介な存在だったんですよ。
と、意外にも、
監督になる気はなかったようです。
劇場デビュー
そんな三池さんは、1995年には、
「第三の極道」で劇場デビューを果たし、
「第三の極道」
以降、ヤクザもの、コメディ、バイオレンス、
ホラーと、小規模作品から全国公開作まで、
様々なジャンルの映画を制作。
映画デビューされてから2017年までの22年間で、
実に、90本(年4本ペース)近い作品を監督されています。
ちなみに、三池さんは、依頼された仕事を、
来た順番に受けておられるそうで、
何でか分からないですけど、
いろいろお話をもらうようになったんで、
結果的に多少選ぶようになってしまいましたけどね。何となく条件が良さそうなものを選んじゃうと、
次はそうじゃないものを選びたくなる。予算はあんまり関係なくて、
要はやりたいかどうかの問題です。
と、明かされていました。
海外で高い評価
ところで、三池さんの作品は、
暴力的な描写が多く、時に残虐を極めるため、
しばしば、論争が巻き起こるのですが、
海外での人気は高く、
1998年には、「極道戦国志 不動」(1996)で、
「ポルト国際映画祭」査員特別賞
「極道戦国志 不動」より。竹内力さん。
2000年には、「オーディション」で、
「第29回ロッテルダム国際映画祭」国際批評家連盟賞
オランダジャーナリズム連盟賞
2002年には、
「カタクリ家の幸福」で、
「ジェルミナーレ国際ファンタスティック映画祭」審査員特別賞
「カタクリ家の幸福」より。(左から)松坂慶子さん、
沢田研二さん、丹波哲郎さん。
「荒ぶる魂たち」で、
「第35回シッチェス・カタロニア国際映画祭」Orient Express賞
「荒ぶる魂たち」より。加藤雅也さん。
2003年には、「極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU」で
「第36回シッチェス・カタロニア国際映画祭」最優秀ビジュアルエフェクト賞
「極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU」より。哀川翔さん。
2004年には、「IZO」で、
「第37回シッチェス・カタロニア国際映画祭」最優秀FX賞
「IZO」より。中山一也さん。
2014年には、「神さまの言うとおり」で、
「第9回ローマ国際映画祭」マーベリック賞
と、様々な賞を受賞されています。
病院送りにするほどの衝撃度
中でも、2000年に、「オーディション」が、
「第29回ロッテルダム国際映画祭」で上映された際には、
あまりに衝撃的な映像に、途中退席者が続出し、
2001年に、アイルランド映画協会員限定で、
無修正版が上演された際には、
会員の何名かがショックで倒れ、
そのうちのひとりが病院に運び込まれるという事態に。
また、この映画を観た、
アメリカのロック歌手マリリン・マンソンさんからは、
「オーディションをリメイクする機会があったら俺を使ってくれ」
と、通訳を介して電話があったとのことで、
相当、観るものに強いインパクトを与える、
作品だということが分かりますね。
ちなみに、近年は、
2009年「ヤッターマン」
「クローズZERO II」
2010年「ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-」
「十三人の刺客」
「十三人の刺客」より。(左から)山田孝之さん、
伊原剛志さん、石垣佑磨さん、役所広司さん。
2011年「一命」
2012年「悪の教典」
2013年「藁の楯」
2014年「喰女-クイメ-」
「神さまの言うとおり」
「悪の教典」より。伊藤英明さん。
2015年「風に立つライオン」
2016年「テラフォーマーズ」
2017年「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」(公開予定)
2018年「ラプラスの魔女」(公開予定)
「風に立つライオン」より。大沢たかおさん。
など、全国公開作を中心に、
大作を多く手がけられています♪
結婚は?
最後に、三池さんの、
気になるプライベートですが、
2003年に発表された著作「監督中毒」の中で、
奥さんとお子さんがいらっしゃることが書かれているものの、
それ以上、詳しいことは分かりませんでした。
さて、いかがでしたでしょうか?
様々なジャンルの映画を撮りながらも、
特に、過激な描写が持ち味の三池さんは、
規制の緩いアメリカの有料放送局からでさえも、
放送取りやめにされたことがあるほどなのですが、
三池さんは、そんな型破りな作品を、
次々と発表されていることについて、
結局は、意図的にいろいろと盛り込んでいくよりも、
無意識のうちに入り込んでくるもののほう、
がよっぽど純粋だと思うんですよ。俺自身はまったく作中で、
個性を出そうと思ってないんですけど、
我を忘れて作ってるから、
結果的にエッジの立ったものになるんです。監督っていうのは「自分とはこうなんだ」
っていう像がある人が多いから、我を忘れない。でも、自意識を保ったなかでの個性っていうのは、
あくまで自分の憧れであって、
その能力があってほしいっていう願いでしかないんですよね。俺なんかは作品の奴隷ですよ。
だって、願った瞬間に、だいたいのことは叶わないでしょ。
子供の頃から知っているはずなんですけどね。
と、明かされており、
無我夢中で作品に没頭するからこそ、
多種多様なアイディアが、
泉のように湧き上がるのでしょうね。
これからも、その子どものような純粋な発想力で、
私達を驚かせ続けてほしいですね。
期待しています!!