「五代目市川猿之助」襲名に大きな期待が寄せられている、五代目市川團子(ごだいめ いちかわ だんこ)さんは、2023年5月18日、澤瀉屋(おもだかや)のリーダーで師匠の四代目市川猿之助さんが両親と心中を図ったとされる事件が起き、急遽、猿之助さんの代役に抜擢されたにもかかわらず、その堂々とした演技で大絶賛されています。
「澤瀉屋」のリーダーで師匠の四代目市川猿之助の代役を務めていた
2012年、8歳の時に、梨園(歌舞伎界)入りして以来、澤瀉屋(おもだかや)の期待を背負い、稽古に励んでいた團子さんは、2023年5月18日、一門のリーダーで師匠である四代目市川猿之助さんが自宅で両親とともに倒れているのが発見されると、
明治座で公演中だった猿之助さん主演の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の5月20日の昼の部「不死鳥よ波濤(はとう)を越えて」に、急遽、猿之助さんの代役として出演しています。
「不死鳥よ波濤(はとう)を越えて」で四代目市川猿之助さんの代役を務める團子さん。
(事件のあった5月18日の昼の部は休演となり、夜の部は二代目中村錦之助さんの長男・中村隼人さんが猿之助さんの代役を務めると、明治座は19日に同日夜の部と20日以降の代役を発表し、19日夜の部も中村さんが代役を務めています)
わずか1日の稽古で臨んだにもかかわらず堂々とした演技を披露していた
團子さんは、祖父・二代目市川猿翁さんが44年前に初演したという、この舞台「不死鳥よ波濤(はとう)を越えて」で、主役の平家の武将・平知盛役を演じているのですが、
衝撃的な事件から1日しか経っていない中での急な代役だったため、わずか1日だけの稽古だったそうですが(通し稽古の時間はなく、ほとんどぶっつけ本番だったそうです)、
堂々とした様子で豪快に立ち回り、最後のヤマである宙乗りもこなしたほか、最愛の人を亡くして慟哭(どうこく)するシーンでも迫真の演技を見せ、
(会場ではすすり泣く声が響いたそうです)
現場は、團子さんの持つ計り知れないポテンシャルに完全に圧倒されたそうで、
観劇した70代の女性は、
團子さんは若々しくて宙乗りも美しく、短期間で準備したとは思えませんでした。これからも頑張ってほしい
と、語っていたといいます。
チケットは即完売し最終日には当日券を求め早朝から明治座に100人以上の列ができていた
実は、当初、昼の部のチケットの売れ行きは、そこまで芳しくなかったそうですが、事件後、團子さんが代役を務めることが発表されると、即完売したそうで、
團子さんの最終日の27日は、当日券を求めて早朝から100人以上が明治座に列をなし、立ち見席が出るほどの大盛況だったそうで、その興奮は幕が下りても収まらず、5~7分ほどの長きにわたり、拍手が鳴り止まなかったといいます。
(千秋楽は5月28日で、この日は昼夜ともに花形公演として中村隼人さんが代役を務める「御贔屓繋馬」が上演されています)
芝居のみならず歌唱も素晴らしかった
ちなみに、ベテラン演芸記者は、
團子くんは、最後のほうこそ声が少し枯れてはいたものの、セリフや殺陣、ダンスなども完璧にこなし、最後のヤマ場である宙乗りでは、観客の視線を一身に集めていました。
その姿やセリフ回しなどが『三代目(市川猿之助、現・二代目猿翁さん)に似ている』と、古くからの観客も感動のあまり号泣していたほどです
この演目は、宝塚歌劇のレビュー(歌とダンスで構成された舞台)を取り入れたものなので、歌を披露するシーンがあるんです。
澤瀉屋では三代目の教えとして『代役もすぐにできなければいけない』というものがあり、普段から猿之助さんの稽古を熱心に観ていた團子くんだったら、歌舞伎の動きであればある程度までは出来るであろうことは予想できた。
しかし、「歌」に関しては、一朝一夕ではいかない。それを團子くんは、たった一日の稽古、しかも通し稽古もできないなかで見事仕上げてきたのです。観客の中には『四代目(現市川猿之助)の舞台も観たけれど、歌ではすでに当代を超えた』という人もいたほどです
と、芝居だけでなく、その歌唱力も絶賛しています。
(團子さんは、幼い頃から、踊りのほか長唄や太鼓などの鳴り物も熱心に稽古していたことから、リズム感があるそうで、高校生の時には、バンドを組み、文化祭では、メインボーカルとして活躍するなど、もともと歌は得意だったそうです)
さて、いかがでしたでしょうか。
五代目市川團子さんの、
- 年齢は?出身は?身長は?本名は?学歴は?
- 青山学院大学文学部比較芸術学科に進学した理由とは?
- 大学で様々なことを学ぶ中、歌舞伎が一番好きだと再確認していた
- 韓国のアイドルグループBTSの大ファン
- 家族は?親族は?屋号は?
- 憧れの人は四代目市川猿之助
- 父親は俳優の香川照之
- 母親はJAL(日本航空)の元キャビンアテンダントだった
- 家系図
- 新橋演舞場「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」で初舞台
- 同世代の市川染五郎と共演した「東海道中膝栗毛」が大ヒット
- 「連獅子」ではペース配分を考えるようになった
- 博多座「新・三国志」では大滝の立ち廻りのシーンを演じて会場を盛り上げる
- 出演作品(歌舞伎)
- 出演作品(映画)
- 出演作品(テレビ)
- 受賞歴
- 「澤瀉屋」のリーダーで師匠の四代目市川猿之助の代役を務めていた
- わずか1日の稽古で臨んだにもかかわらず堂々とした演技を披露していた
- チケットは即完売し最終日には当日券を求め早朝から明治座に100人以上の列ができていた
- 芝居のみならず歌唱も素晴らしかった
について、まとめてみました。
2022年8月に、お父さんの香川照之さんに性加害疑惑が報じられた際には、さぞやショックを受けたであろう中、お父さんから迷惑をかけたと心から謝罪され、「あなたは将来の猿之助になる人間なんだから、身を引き締めて頑張りなさい」と言われ、与えられた役はどんな役でもやると意気込んでいたほか、
2023年5月には、「憧れの方」と語っていた師匠である猿之助さんが両親と心中を図り、逮捕されるという事件が起こり、内心、穏やかではなかった中、見事、猿之助さんの代役を成功させた團子さん。
これからも、澤瀉屋(おもだかや)を背負うプレッシャーに負けず、伸び伸びと演じ続けてほしいものです。