1973年にリリースしたシングル「夢の中へ」が大ヒットしたことで、ファーストアルバム「断絶」も51.1万枚を売り上げる大ヒットとなったほか、1973年、3枚目のアルバム「氷の世界」が日本音楽史上初のミリオンセラーとなった、井上陽水(いのうえ ようすい)さん。

ただ、そんな人気絶頂の中、井上陽水さんは、1977年9月10日、大麻取締法違反(大麻所持容疑)で逮捕されています。

今回は、井上陽水さんが大麻取締法違反で逮捕された時のこと(芸能界麻薬汚染事件)、大麻に手を出してしまった理由、「夢の中へ」が麻薬捜査官のことを歌ったと噂されたことなどをご紹介します。

井上陽水

「【画像】井上陽水の若い頃は?「夢の中へ」「傘がない」「氷の世界」ほか代表曲やアルバム一覧!」からの続き

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井上陽水は大麻取締法違反で逮捕されていた

井上陽水さんは、一躍、時代の寵児になり、当時、絶大な人気を誇っていた吉田拓郎さんと並んで、”フォーク界のプリンス”と呼ばれるようになると、

1974年に一般の女性と結婚し、翌年の1975年には、吉田拓郎さん、泉谷しげるさんと共に「フォーライフレコード」を設立するなど、公私ともに順調満帆な日々を送っていたのですが、

1976年、わずか2年で離婚すると、1977年9月10日には、大麻取締法違反で警視庁に逮捕され、同年10月11日、「懲役8ヶ月、執行猶予2年」の判決が言い渡されています。

ちなみに、記事によると、井上陽水さんは、友人から10万円で譲り受けた20本の大麻を自宅で一人で吸っていた疑いで現行犯逮捕されたそうで、裁判では、抗弁することもなく判決に素直に従い、マスコミには沈黙を貫いています。

井上陽水
大麻取締法違反で逮捕される井上陽水さん(1977年9月10日)。

井上陽水が大麻に手を出した理由とは?

井上陽水さんは、大麻を吸っていた理由について、

取り調べの際、

自分は酒が飲めないので、くつろぐためにマリファナを吸った。

と、自供していたといいます。

井上陽水は執行猶予中にアルバム「white」で復帰するとその後もヒットを連発していた

そんな井上陽水さんは、事件から10ヶ月後の執行猶予中、再起を賭け、6枚目のアルバム「white」(白紙からの再出発という意味が込められている)をリリースして復帰を果たすと、

翌年の1979年9月には、7枚目のアルバム「スニーカーダンサー」をリリースしているのですが、

いずれもオリコンチャート3位と、相変わらずの好調をキープしています。

そして、井上陽水さんは、逮捕された年(1977年)の長者番付でも、推定年収約1億円で歌手部門のトップにつけており、その後も、音楽史に残る数々のヒット曲を世に送り続けています。

また、当時、朝日新聞記者だった筑紫哲也さんが、

マリファナは日本では違法であるが、井上陽水の歌まで否定する一部の意見は間違っている

と、発言したことも、井上陽水さんの早期復帰を後押ししたと言われています。

井上陽水が大麻取締法違反で逮捕された年は芸能人が芋づる式に大麻で検挙されていた(芸能界麻薬汚染事件)

ちなみに、井上陽水さんが大麻取締法違反で逮捕された1977年は、芸能人が芋づる式に大麻で検挙された年で、

が、大麻取締法違反などで検挙されており、

この一連の事件は、後に”芸能界麻薬汚染事件”と名付けられています。

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井上陽水の「夢の中へ」は大麻を探して嗅ぎ回る捜査員を歌ったものだった?

また、井上陽水さんが1973年にリリースした「夢の中へ」は、

探しものはなんですか?

まだまだ探す気ですか?

“夢”の中へ行ってみたいと思いませんか?

などの歌詞から、大麻疑惑で捜索差押(そうさくさしおさえ)を受けた時の捜査員のことを歌ったものだという都市伝説があるのですが、

芸能レポーターの石川敏男氏は、

当時、アメリカのヒッピー文化が流入したことがきっかけで、ミュージシャンを中心に大麻が流行しました。

73年に井上陽水が発表した『夢の中へ』に出てくる“探しものはなんですか”という歌詞は、薬物を指しているという都市伝説があったので、陽水の逮捕を受けて、やはり!と話題になりました

と、語っています。

「井上陽水と玉置浩二の出会いは?安全地帯はバックバンドだった!」に続く

お読みいただきありがとうございました

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