「ザ・スパイダース」解散後も、テレビドラマ「時間ですよ」で人気を博しつつ、ソロシングル「涙から明日へ」や「街の灯り」でヒットを飛ばすなど、多方面で才能を開花されていた、堺正章(さかい まさあき)さん。この後も、まだまだ、堺さんの快進撃は続きます。
「堺正章の若い頃は歌手として「街の灯り」が大ヒットしていた!」からの続き
テレビドラマ「西遊記」で大ブレイク
テレビドラマ「時間ですよ」で軽快なコントを披露し、広くお茶の間で人気を博した堺さんは、1978年には、テレビドラマ「西遊記」で主人公・孫悟空を演じ、子どもたちの間で大ブレイク。
この「西遊記」は、平均視聴率19.5%、最終回では、最高視聴率27.4%を記録するなど、当時、視聴率20%前後を誇っていた大河ドラマをしのぐほどの大ヒットを記録します。
ちなみに、堺さんは、京劇の俳優から如意棒(にょいぼう)の使い方を習って、自らアクションシーンを演じるほか、觔斗雲(きんとうん)を呼ぶ時の、右の人差し指と中指をそろえて手早く動かすポーズや、独特の口笛などのアイディアも自ら考案したそうで、当時は、多くの子どもたちが、真似して遊んでいたそうです。
「西遊記」より。悟空に扮し觔斗雲を呼ぶ堺さん。
(この、すさまじい大ヒットに、大河ドラマのスタッフが撮影現場を見学しに来たともいわれています)
三蔵法師役は当初は5代目・坂東玉三郎の予定だった
ところで、この「西遊記」、三蔵法師役は夏目雅子さんが演じられているのですが(沙悟浄役は岸部シローさん、猪八戒役は西田敏行さん)、もともとは、夏目さんではなく、5代目・坂東玉三郎さんにオファーをされていたといいます。
ただ、坂東さんは、「それは面白いよね」と言うも、「誰が悟空をやるの?八戒は?カッパは?」と尋ね、配役を聞くと、一転、断られたのだそうです。
「西遊記」より。(左から)西田敏行さん、堺さん、岸部四郎さん、夏目雅子さん。
三蔵法師役・夏目雅子を絶賛
ちなみに、堺さんは、2018年、「石橋貴明のたいむとんねる」に出演された際、
当時、20歳だった夏目さんについて、
(モデルあがりで)芝居なんかできるの?
と、当初は半信半疑も、
撮影が進むにつれ、
うわっ、この人スゴイわ…
と、感じるようになったことを明かされており、
どんなことにも動じない。僕がちょこっとアドリブかましても平気でついてくる。こんな女優さんいる?って感じでしたよ
と、夏目さんを絶賛されていました。
「西遊記」で三蔵法師に扮する夏目雅子さん。
また、そんな堺さんは、2006年、香取慎吾さん主演で、再び「西遊記」がテレビドラマ化されると、釈迦役でゲスト出演し、如意棒技を披露。往年のファンを大いに喜ばせています♪
釈迦に扮し如意棒を操る堺さん。
「新春かくし芸大会」で個人技を披露
さて、こうして、テレビドラマで大人気となった堺さんですが、1971年には、コメディアンとしても、バラエティ番組「ハッチャキ!!マチャアキ」でコントや踊りを披露するほか、
「ハッチャキ!!マチャアキ」より。
1976年からは、「新春かくし芸大会」に出演して、「テーブルクロス引き」「孫悟空の棒捌き」「トランプを飛ばしてろうそくの火を消す芸」など、ハイレベルな個人芸を披露し、「Mr.かくし芸」と呼ばれるまでになられています。
ちなみに、2019年には「梅沢富美男のズバッと聞きます!」で、「新春かくし芸大会」の貴重な映像が流れ、制作秘話が紹介されているのですが、
その際、スタジオには、「新春かくし芸大会」の常連出演者だった中山秀征さんや松本明子さんらが出演し、
中山さんが、
稽古している姿を見たことがない
僕らが行くと世間話になって、全然練習しない。帰ろうとすると、帰してくれないの
と言うと、
松本さんも、
(稽古している姿は)見せなかったね~
と同意しているのですが、
この話を聞いていた、吉村崇さんは、
(堺から)プライベートで(テーブルクロス引きを)見せてもらったんですよ。飲みに行った時に、ご自宅で。めちゃくちゃ失敗してましたけど!
と、暴露されています(笑)
また、中山さんは、堺さんが稽古場に、専用の炊き出しや、ラーメンの屋台をまるごと手配するなど、豪快な一面があったことも明かされていました♪
「テーブルクロス引き」を20年ぶりに披露される堺さん。