1939年、17歳の時、東宝映画「花つみ日記」で女優デビューし、その後、舞台を中心に活躍すると、1964年、テレビドラマ「七人の孫」に出演後は、ホームドラマに欠かせない母親像として存在感を発揮して、「寺内貫太郎一家」シリーズなどにも出演すると、
1979年、57歳の時には、向田邦子さん脚本のNHKドラマ「阿修羅のごとく」シリーズで、優しい母親の裏に隠された魔性の部分を見事に表現して、高く評価された、加藤治子(かとう はるこ)さん。
今回は、そんな加藤治子さんの若い頃(テレビドラマデビュー)から他界されるまでの出演作品(テレビドラマ、映画)や経歴をご紹介します。
「加藤治子は幼少期に父母兄姉と死別!若い頃は文学座で主演級女優として活躍!」からの続き
加藤治子は42歳の時にホームドラマ「七人の孫」で母親役
加藤治子さんは、「文学座」を経て「劇団 雲」に所属し、舞台を中心に活躍していたのですが、
一方で、1961年、「虞美人草」でテレビドラマデビューすると、1964年、42歳の時には、ホームドラマ「七人の孫」で母親役を演じ、以降、ホームドラマの母親役として欠かせない存在となります。
「七人の孫」より。中央が加藤治子さん。
加藤治子はホームドラマ「寺内貫太郎一家」シリーズで一家の母親役
そんな加藤治子さんは、1974年、52歳の時、ホームドラマ「寺内貫太郎一家」シリーズでも、寺内貫太郎の妻で、子供たちの母親・寺内里子役を演じています。
「寺内貫太郎一家」より。小林亜星さんと加藤治子さん。
加藤治子は57歳の時に「阿修羅のごとく」シリーズで母親の中にある魔性の部分を見事に演じていた
また、加藤治子さんは、1979年、57歳の時には、向田邦子さん脚本のNHKドラマ「阿修羅のごとく」シリーズで、主人公で4人姉妹の長女・三田村綱子役を演じているのですが、
“優しい母”でありながら、”生身の女性”としての葛藤を描いたこの作品で、”お母さん”の心の中にある魔性の部分を見事に演じ切り、高く評価されています。
「阿修羅のごとく」より。(左から)八千草薫さん、加藤治子さん、いしだあゆみさん。
ちなみに、加藤治子さんは、この「阿修羅のごとく」シリーズに出演したことがきっかけとなり、
生きることはいろいろあるから面白いでしょう
と、考えることができるようになったそうで、
この「阿修羅のごとく」シリーズは、加藤治子さんにとって大きな転機となったようです。
(加藤治子さんは、以降、NHKのドラマで様々な女性の生き様を演じています)
加藤治子は60歳の時に「みちしるべ」に出演
そんな加藤治子さんは、1982年、60歳の時には、ワゴン車を住まいにして、他人からの援助を一切排し、全国を気ままに旅する老夫婦の姿を描いた、NHKドラマ「みちしるべ」で主人公の妻・はな役を演じています。
「みちしるべ」より。鈴木清順さんと加藤治子さん。
加藤治子は72歳~87歳の時に「浅見光彦」シリーズで浅見光彦の母親役でレギュラー出演
また、1994年~2009年(72歳~87歳)には、「浅見光彦」シリーズで、浅見光彦の母親・浅見雪江役でレギュラー出演しています。
「浅見光彦シリーズ」より。沢村一樹さんと加藤治子さん。
加藤治子は85歳の時に「こんにちは、母さん」で主人公の母親役
そして、2007年には、劇作家・永井愛さんの名作舞台をテレビドラマ化したNHKドラマ「こんにちは、母さん」で、70代で一人暮らしをしながら、はつらつと生きる、主人公の母親役を演じています。
「こんにちは、母さん」より。平田満さん(手前)、児玉清さん(左奥)、加藤治子さん(右奥)。
加藤治子は89歳の時に「魔術はささやく」で認知症の母親役
また、89歳の時には、テレビドラマ「魔術はささやく」で、認知症の母親役で特別出演しています。
「魔術はささやく」より。(左から)中村蒼さん、加藤治子さん、大杉漣さん。
加藤治子の死因は?
しかし、そんな加藤治子さんも、いつ頃からかは不明ですが、乳ガンを患い、余命5ヶ月を宣告されていたそうで、
2015年11月2日午前7時7分、心不全により、東京都世田谷区の自宅で、92歳で他界されています。
加藤治子の出演作品(映画)
それでは、最後に、加藤治子さんのその他の主な出演作品をご紹介しましょう。
映画では、
- 1955年「心に花の咲く日まで」
「心に花の咲く日まで」 - 1959年「暗夜行路」
- 1964年「風と樹と空と」
- 1965年「ぜったい多数」
- 1967年「春日和」
- 1968年「東シナ海」
- 1969年「私が棄てた女」
- 1972年「初めての愛」
- 1973年「雑居時代」
「雑居時代」 - 1975年「童貞」
- 1976年「あいつと私」
- 1977年「霧の旗」
- 1980年「幸福号出帆」
- 1981年「の・ようなもの」
- 1984年「瀬戸内少年野球団」
- 1985年「カリブ・愛のシンフォニー」
- 1986年「ウホッホ探険隊」
- 1987年「首都消失」
- 1988年「マルサの女2」
「マルサの女2」 - 1989年「舞姫」
- 1990年「タスマニア物語」
- 1991年「満月 MR.MOONLIGHT」
- 1995年「写楽」
- 1997年「身も心も」
- 1998年「絆 -きずな-」
- 2001年「ピストルオペラ」
- 2003年「スパイ・ゾルゲ」
- 2004年「風音」
- 2006年「間宮兄弟」
- 2007年「魂萌え!」
- 2008年「カメレオン」
- 2009年「わたし出すわ」
- 2010年「おとうと」
「おとうと」より。(左から)加藤治子さん、吉永小百合さん、蒼井優さん。
加藤治子の出演作品(テレビドラマ)
テレビドラマでは、
- 1961年「女の顔」
- 1965年「燃ゆる白虎隊」
- 1966年「連続テレビ小説『おはなはん』」
- 1967年「三姉妹」
- 1968年「若い川の流れ」
- 1969年「安ベエの海」※ナレーション
- 1970年「だいこんの花」
- 1971年「なんたって18歳!」
「なんたって18歳!」 - 1972年「家光が行く」
- 1973年「まごころ」
- 1975年「フライパンの唄」
- 1976年「俺たちの朝」
- 1977年「気まぐれ天使」
- 1978年「人はそれをスキャンダルという」
- 1979年「家族サーカス」
- 1980年「ザ・商社」
- 1981年「夢千代日記」
- 1982年「いつもお陽さま家族」
- 1983年「大奥」
- 1984年「思い出トランプ」
「思い出トランプ」より。(左から)小林薫さん、田中裕子さん、加藤治子さん、内大輔さん。 - 1985年「花へんろ」
- 1986年「おやじのヒゲ」
- 1987年 火曜サスペンス劇場「女からの眺め」
- 1988年「松本清張スペシャル・やさしい地方」
- 1989年「花の降る午後」
- 1990年「隣りの神様」
「隣りの神様」より。(左から)田中裕子さん、加藤治子さん、国生さゆりさん。 - 1991年「君の名は」
- 1992年「派閥人事」
- 1993年「嘘つきは夫婦のはじまり」
- 1994年「坊っちゃん」
- 1995年「夏の一族」
- 1996年「古畑任三郎 2nd season」第18回
- 1997年「警部補 佃次郎」
- 1998年「噂の女人情詐欺師 早苗とたまき・涙の事件簿2」
- 2000年「明日を抱きしめて」
- 2001年「天国までの百マイル」
「天国までの百マイル」 - 2002年「取調室」
- 2003年「動物のお医者さん」
- 2004年「温泉へ行こう」
- 2005年「どんまい!」
- 2006年「松本清張スペシャル・共犯者」
- 2007年「帰ってきた時効警察」
- 2008年「歩いても 歩いても」
- 2009年「兄帰る」
「兄帰る」 - 2010年「離婚同居」
- 2011年「魔術はささやく」
ほか、数多くの作品に出演しています。
「加藤治子の最初の夫・加藤道夫との馴れ初めは?再婚相手は?子供は?」に続く
17歳の時に女優デビューすると、その後、映画、舞台で活躍し、42歳の時、テレビドラマ「七人の孫」で母親役を演じると、以降、ホームドラマに欠かせない存在となった、加藤治子(かとう はるこ)さん。 そんな加藤治子さんは、プラ …