1964年、22歳の時、劇団「シチュアシオンの会(シチュエーションの会)」の旗揚げ公演「恭しき娼婦」でヒロインを務めると、その後は、既成の劇場に頼らず、唐十郎さんと共に、新宿の花園神社境内に設営した”紅テント”で興行するなど、アングラ演劇ブームを巻き起こした、李麗仙(り れいせん)さん。
今回は、そんな李麗仙さんの若い頃(女優活動開始以降)から他界されるまでの経歴を代表作を交えながら時系列でご紹介します。また、最後には出演作品(舞台、テレビドラマ、映画)もご紹介します。

「李麗仙の国籍は?生い立ちは?中3で父親が出奔!高卒で女優を目指していた!」からの続き
李麗仙は22歳の時に劇団「シチュアシオンの会(シチュエーションの会)」の「恭しき娼婦」でヒロインを務めていた
高校卒業後、女優を目指し、「舞台芸術学院」でひたすらダンスの稽古に励んでいたという李麗仙さんですが、1963年、唐十郎さんに誘われ、「舞台芸術学院」を中退すると、
1964年、22歳の時には、唐十郎さんが設立した劇団「シチュアシオンの会(シチュエーションの会)」に入団し、旗揚げ公演「恭しき娼婦」(フランスの哲学者サルトル作)で、(日本名である「星山初子」名義で)ヒロインの娼婦・リッジー役を務めたそうです。
李麗仙は22歳の時に「金粉ショー」のダンサーとして日本全国のキャバレーを巡業していた
また、同年(1964年)には、唐十郎さんと同居を始めると、
生活費と公演資金を稼ぐため、劇団の仲間たちと、油を溶かした金粉を全身に塗って裸で踊る「金粉ショーダンサー」として日本全国のキャバレーを巡業したのだそうです。
(この時は「李礼仙」名義で活動)

「金粉ショー」
李麗仙は25歳の時に「紅テント」公演でヒロインを数多く演じ「アングラの女王」として人気を博していた
そんな中、劇団「シチュアシオンの会(シチュエーションの会)」は解散となるのですが、間もなく、唐十郎さんが新たに「状況劇場」を設立すると、李麗仙さんも引き続き参加したそうで、
やがては、キャバレー廻りで貯めた資金、約30万円(現在の貨幣価値で約150万円)で、唐十郎さんと共にテントを購入し、
1967年8月には、新宿の花園神社境内に「紅テント」を設営して、公演「腰巻お仙 – 義理人情いろはにほへと篇」で、主人公の腰巻お仙役を演じています。
以降、李麗仙さんは、
- 1967年「ジョン・シルバー 新宿恋しや夜鳴篇」
- 1969年「少女都市」
- 1971年「少女仮面」
- 1972年「二都物語」
- 1973年「ベンガルの虎」
- 1974年「唐版・風の又三郎」
- 1975年「糸姫」
など、「状況劇場」の看板女優として、約50本もの舞台でヒロインを務め、「アングラの女王」として人気を博したのでした。

「月笛お仙」
(ちなみに「腰巻お仙–義理人情いろはにほへと篇」は、神社側から「『腰巻』では下品だ」とのクレームが入り、「月笛お仙」と改題したそうですが、1週間ほどで元の「腰巻」に戻したそうです)
李麗仙は25歳で唐十郎と結婚後も引き続き「状況劇場」の看板女優として活躍していた
そんな李麗仙さんは、1967年10月、25歳の時には、唐十郎さんと結婚し、翌年には男の子が誕生しているのですが、
その後も変わらず、唐十郎さんとコンビを組み、「状況劇場」の看板女優として活躍しています。

唐十郎さんと李麗仙さん。
李麗仙は45歳の時に「李麗仙秘演会」で「愛の乞食」を上演していた
また、李麗仙さんは、1987年2月には、芸名を「李礼仙」から「李麗仙」に改名し、
同年9月には、「状況劇場」ではなく、李麗仙さん自身が演出した「李麗仙秘演会」で「愛の乞食」を上演しています。
李麗仙は45歳の時に長渕剛と「親子ジグザグ」で共演していた
さらに、李麗仙さんは、1987年には、テレビドラマ「親子ジグザグ」で、長渕剛さん演じる下別府勇次の母親・ノブ役を演じているのですが、
勇次、ノブ、勇次の恋人・安西梨花(安田成美さん)、勇次の息子だという勇(伊崎充則さん)が騒動を巻き起こすこのホームドラマは、主題歌も長渕剛さんが担当し、大ヒットを記録しています。

「親子ジグザグ」より。長渕剛さんと李麗仙さん。
李麗仙は53~54歳の時に「3年B組金八先生」で教頭・石川千春役を熱演
その後、李麗仙さんは、1988年3月には、唐十郎さんと離婚し、それに伴って「状況劇場」も解散すると、
(「状況劇場」では、「少女仮面」(1986年)が最後の公演となっています)
1990年、48歳の時には、「うらら舎」を設立し、以降、数多くの舞台を上演しています。
また、李麗仙さんは、そのかたわら、テレビドラマや映画にも積極的に出演しており、
1995年~1996年には、テレビドラマ「3年B組金八先生」第4シリーズで、金八先生(武田鉄矢さん)と対立する教頭・石川千春役を熱演し、強烈な印象を残しています。
李麗仙は79歳で死去
そんな李麗仙さんですが、2018年に脳梗塞を患うと、その後はリハビリに励むも、2021年6月22日、肺炎により、79歳で他界されています。
ちなみに、長男の大鶴義丹さんは、李麗仙さんの死去に際し、
私の父である唐十郎とともに劇団『状況劇場』を興し、60年代70年代のアングラ演劇シーンの真っただ中を疾走しました。父、唐十郎とは離婚しましたが、最後まで盟友としての親交はありました。
最後の舞台は、2017年の『六条御息所』でした。唯一無二のアングラ女優人生を全うして、一片の悔いなき人生だったと思います
と、コメントしています。
李麗仙の出演作品(舞台(状況劇場))
それでは、最後に、李麗仙さんの出演作品をご紹介しましょう。
舞台(状況劇場)では、
- 1966年「腰巻お仙 忘却篇」

「腰巻お仙 忘却篇」 - 1967年「ジョン・シルバー 新宿恋しや夜鳴篇」
- 1967年「月笛お仙 義理人情いろはにほへと篇」
- 1968年「由比正雪」
- 1968年「続ジョン・シルバー」
- 1969年「腰巻お仙 振袖火事の巻」
- 1969年「少女都市」
- 1970年「ジョン・シルバー 愛の乞食篇」
- 1971年「吸血姫」
- 1971年「少女仮面」
- 1971年「あれからのジョン・シルバー」
- 1972年「二都物語」
- 1972年「鐡假面」
- 1973年「ベンガルの虎 白骨街道魔伝」
- 1973年「海の牙 黒髪海峡篇」
- 1974年「唐十郎版 風の又三郎」
- 1974年「夜叉綺想」
- 1975年「唐版 滝の白糸」
- 1975年「腰巻おぼろ 妖鯨篇」
- 1975年「糸姫」
- 1976年「下町ホフマン」
- 1976年「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」
- 1977年「蛇姫様」
- 1977年「唐十郎版 俳優修行」
- 1978年「ユニコン物語 台東区篇」
- 1978年「河童」
- 1979年「犬狼都市」
- 1979年「青頭巾」
- 1980年「女シラノ」
- 1980年「鉛の心臓」
- 1981年「お化け煙突物語」
- 1981年「黄金バット」
- 1982年「新・二都物語」
- 1983年「住み込みの女」
- 1984年「あるタップ・ダンサーの物語
李麗仙の出演作品(舞台(状況劇場以外))
舞台(状況劇場以外)では、
- 1987年「愛の乞食」※李麗仙秘演会
- 1988年「ベンガルの虎 白骨街道魔伝」※李麗仙秘演会
- 1989年「唐版 風の又三郎」※李麗仙秘演会
- 1990年「少女仮面」 ※うらら舎
- 1993年「アカシヤの雨にうたれて」※うらら舎
- 1993年「付き人」※うらら舎
- 1994年「水の街のメディア」※うらら舎
- 1994年「少女仮面」※うらら舎
- 1995年「ホロー荘の殺人」

「ホロー荘の殺人」の制作発表より。李麗仙さん(左)と中村玉緒さん(右)。 - 1997年「カッポレはもう踊らない」※うらら舎
- 1998年「デッド・ギルティ 不信の瞬間」※博品館劇場
- 1999年「LOVE LETTERS」※パルコ
- 2001年「源氏物語 朗読Ⅲ『藤壺』」※博品館劇場
- 2002年「源氏物語 朗読Ⅳ『六条御息所』」※博品館劇場
- 2003年「青ひげ公の城」※流山児★事務所
- 2003年「真・晴明伝説 陰陽師」※コマ・プロダクション
- 2004年「ガラスの動物園」※流山児★事務所
- 2004年「愛の賛歌~エディット・ピアフ 愛の手紙~」※バウスプリット
- 2009年「桜川」※うらら舎
- 2010年「33の変奏曲」※パルコ
- 2012年「卒塔婆小町」※うらら舎
- 2013年「月の家~タルチプ」※新宿梁山泊
- 2015年「藤戸」※うらら舎
- 2015年「少女仮面」※新宿梁山泊
李麗仙の出演作品(テレビドラマ)
テレビドラマでは、
- 1973年「追跡」第15話 ※売春婦 役
- 1978年「新・座頭市」第2シリーズ 第7話 ※お艶 役
- 1978年 NHK大河ドラマ「黄金の日日」 ※お仙 役

「黄金の日日」より。六代目市川染五郎(現・二代目松本白鸚)さんと李麗仙さん。 - 1979年「家路~ママ・ドント・クライ」 ※鈴木美代子 / 鮫島リラ 役
- 1982年「影の軍団II」第16話 ※お仙 役
- 1984年「ザ・サスペンス『生きていた男』」
- 1987年「親子ジグザグ」※下別府ノブ 役
- 1988年「明日-1945年8月8日・長崎」※小付稜子 役
- 1988年「京都サスペンス『あじさい色のレディ』」
- 1990年「炎の旅路」※小泉房江 役
- 1990年「外科医有森冴子」※南雲百合江 役
- 1993年 NHK大河ドラマ「炎立つ」※村雨 役
- 1995~1996年「3年B組金八先生」第4シリーズ ※石川千春 役
- 1997年「新・半七捕物帳」
- 2000年「シンデレラは眠らない」※江島カイ 役
- 2000年「ドラマ30/君のままで」※大原徹子 役

「君のままで」の制作発表より。(前列左から)中原ひとみさん、熊淵卓さん、床嶋佳子さん。(後列左から)山下容莉枝さん、李麗仙さん、藤岡みなみさん、阿藤海さん。 - 2002年「ビタミンF」※幸枝 役
- 2002年「マイリトルシェフ」第7話 ※久坂美弥子 役
- 2004年「火曜サスペンス劇場『うさぎと亀2・川の流れのように』」※盛田宏子 役
- 2004年「東京湾景」※井上麗子(朴麗子)役
- 2005年「契約結婚」※福田八重子 役

「契約結婚」の制作発表より。(左から)山本圭さん、高樹マリアさん、雛形あきこさん、長谷川朝晴さん、李麗仙さん。 - 2007年「水曜ミステリー9 忘却の調べ~オブリビオン~」※マリア・八田 役
- 2007年「有閑倶楽部」第9話
- 2008年「斉藤さん」第1話 ※近所の主婦 役
- 2010年「金曜プレステージ『浅見光彦シリーズ38 十三の冥府』」※東谷正子 役
- 2011年「土曜ワイド劇場『温泉(秘)大作戦10』」※蒼井逸子 役
李麗仙の出演作品(映画)
映画では、
- 1968年「戦後残酷物語」※カズコ 役
- 1969年「新宿泥棒日記」
- 1972年「サマー・ソルジャー」※礼子 役
- 1973年「女囚さそり けもの部屋」※鮫島カツ 役
- 1976年「任侠外伝 玄界灘」※李孝順/李春仙 役
- 1985年「ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ」※日本未公開
- 1989年「潤の街」※利代 役
- 2003年「夜を賭けて」※ヤン婆さん 役
- 2004年「ニワトリはハダシだ」※金順礼 役
- 2007年「蟲師」※たま 役
- 2014年「望郷の鐘」※山本きぬ 役
- 2016年「ホテルコパン」※舟木 役
と、数多くの作品に出演しています。
「李麗仙の死因は?脳梗塞を患いリハビリに励むも悪化の一途を辿っていた!」に続く
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